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レッドアリーマー 魔界村外伝
メーカー:カプコン
機種:ゲームボーイ
発売年月日:1990年5月2日
価格:3300円
ジャンル:アクションRPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 7 5 7 5 6 62
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ヒヒヒッ!最高だぜ!
・序盤こそ貧弱な性能のレッドアリーマーだが、ゲームを進めると攻撃力(単純な威力にしても射程にしても)やアクション性能(ジャンプ力や空中に浮いていられる時間)が大幅に上がり、強さを堪能しやすい作りになっているのは爽快。

・ファミコンよりも表現能力に劣るゲームボーイでのリリースだが、背景まで丁寧に描き込まれたグラフィックやおどろおどろしいサウンドなど、雰囲気はしっかり出ている(まぁ凝ったグラのお陰で下記のように見づらさもあるのは否定できんけども)。

・魔界村本編で強烈なインパクトを残した敵方のレッドアリーマーを操作できるってのがなかなか斬新に思えた。敵側の登場人物を主役に据えたゲームってのは昔は少なかったんで、凄く新鮮だった。

・中断はバッテリーバックアップでなくパスワード形式だが、文字数は少なめなんで入力ミスとか起こりにくく、ストレスは感じにくい。あと、レトロゲーだけど電池切れの心配が無いって意味ではユーザに優しい(笑)。
ケッ!ダメに決まってんだろ!
・100%アクションゲームだった『魔界村』本編とは異なり、RPG的な要素が加えられているのだが、本作の場合だと戦闘部分だと「別に経験値やお金を貯めて強くなる形式ではなく戦闘は障害物に近い」、街での探索部分だと「ムダに広く複雑な構造で移動のストレスが多い」・「住居に入っても大半は誰もいない」・「イベントの密度が非常に薄く有益な情報が得られる機会も少ない」だとか、間延びするばっかりでRPG部分がプラスに作用してるとは言い難い。

・元からモッサリ寄りの挙動なのだが、敵が多数出て来るだとかボス敵の派手な攻撃が繰り出されるだとか処理の重い場面では挙動が輪を掛けて重くなるのがしんどい。

・ドット絵の描き込みは非常に細かく凝った作りだと思うのだが、残像が強く出る初期型ゲームボーイだとボヤけやすくて視認性が悪く、凄く目が疲れた記憶が。ゲームボーイカラー以降の本体であればその辺はストレス無く遊べますけどもね。

・魔界村本編よりは多少マイルドなのだが、やっぱり結構なオニ難度であり、昔ならではの不親切さも相まって遊びやすい内容では無いかなァと。ゲーム開始直後はレッドアリーマーの攻撃/移動性能が悪いため、序盤が一番しんどいって点でもキツさがある。
感想ってもんよ。べらんめぃ。
 魔界村シリーズに登場する凶悪な強さのザコ敵であるレッドアリーマーを主役に据えた外伝作品で、アクションRPG寄りの内容になっている。本作のアクションRPGの方向性は大雑把に言えば『聖剣伝説』(=『2』や『3』のフィールドの移動と戦闘が一体化してて探索要素は希薄であくまで戦闘重視)とかではなく『リンクの冒険』(…の神殿ではなく地上フィールド、戦闘と探索が切り離された内容)辺りに近い。

 とは言え、アクションRPGとは言っても、街の探索や住民との会話は大して面白さを増す方向では作用しておらずRPG要素は薄めで蛇足気味であり、本作の時点ではまだ中途半端だったかなァ…って印象は拭えず。本作の後に出たレッドアリーマー作品とか見てると、本作の時点ではまだ実験段階と申すか、開発者側もRPG要素の扱いや取捨選択に不慣れでアレコレ試行錯誤してたのかなァ…って印象ではある。
 アクション部分に関しては、ゲームを進める毎に大幅に性能が向上して強くなったのを実感しやすい作りであり、序盤が異様にしんどいのさえ乗り切れれば爽快感も味わいやすい。ただ、もうちょっと序盤にもレッドアリーマーの強さを味わえる要素を散りばめてくれても良かった気はする(あまりにも「自機が弱い」一辺倒でキツいのよね)。

 ちなみに、今だとスイッチさんオンラインのゲームボーイで手軽に遊べるようになり、巻き戻し機能のお陰で序盤の高い難易度は力押しでクリアできるようになり、それなりに遊びやすくなった…とは言えるカモ。もっとも、作りそのものの古さとか不親切さはどうしても感じてしまうんで、楽しいって思えるかどうかの境目はソコに耐えられるかどうかかな…って感じはする。

掲載日:2024年11月12日


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