縮緬遊戯堂 > レビューランド >ゲームボーイアドバンス > ファイアーエムブレム 烈火の剣

ファイアーエムブレム烈火の剣
メーカー:任天堂
開発:インテリジェントシステムズ、任天堂開発第一部
機種:ゲームボーイアドバンス
発売年月日:2003年4月25日
価格:4800円
ジャンル:シミュレーションRPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 9 9 8 8 10 8 87
プレイ時間…500〜600時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
陛下!最高ですぞ!
・リン編、エリウッド編、ヘクトル編の三部から構成され、さらにそれらのハードモードもある。支援会話のコレクション等もあり、物量面は前作より更に上回り、長く楽しめる。リン編はまるごとチュートリアルを兼ねており、初心者でも安心。

・前作で強過ぎたソードマスターやバーサーカーといったクラスの必殺率が下げられたり、クラスごとの上限値が修正され、バランスがさらに向上した。他にも、上級職で登場するユニットも最低限の成長率は備えており、どのユニットでも終盤までそれなりに活躍できるのは嬉しい。過去の作品では、ハズレキャラを育ててしまいゲームを進めることが困難になる事もあり得たが、今回はその心配は皆無。

・全体としては流用されてる部分が多い今作だが、サウンド面はパワーアップ。音質が上がっている。

・これまでのシリーズの物語は大陸全土を巻き込んだ大規模な戦争が大半だった。今作はそうではなく、歴史の表に出ないという設定が地味ながらもこれまでにないパターン。3人のロードがいるのも目新しい。斧アーマー(ヘクトル)の主人公がいるのもイイ。しかも強い!

・同じクラスでも戦闘アニメに細かい描き分けがあるのは嬉しい。また、ストーリー上重要な位置付けのアトスはともかく、脇役である筈のホークアイに専用グラフィックがあるのには驚き。
敵襲!そんなんじゃダメですぞ!
・セリフ中の誤字・脱字がかなり多いのが残念(重要な会話イベントで両者の台詞が逆になってると思われる場所があるなど)。悪くない内容なのに、勿体無い。これはかなり興醒めゆえ、減点要因とさせていただく。

・グラフィックやシステムの大半が前作『封印の剣』からの使いまわし(もしくはソレ基準でちょっと変えた、程度)のためか、見た目の新鮮さに欠ける。

・何故か輸送隊のマリナスとマップ上で持ち物を交換できないので不便。ロングアーチのステータスを確認できなくなったのもちょっと困る。

・シリーズ初心者も遊びやすいように考慮したのか全編通してユルめの難易度だが、終章だけ異常に難易度が跳ね上がってるのは少々気になる。初心者が挫折しないか心配だ。

・前作であったトライアルマップが無くなったのは残念。リーダス兄弟やブレンダン、ファーガスやモルフ達も使ってみたかったのになあ。

・シリーズ随一の親切なチュートリアルを備えたが、一方でお節介過ぎて鬱陶しく感じたりも。
感想ですじゃ。
 ゲームボーイアドバンスでのファイアーエムブレム第二作。前作『封印の剣』の20年前のストーリーで、システム&ゲームバランス面は前作を改良した物に仕上がっている。
 ちょっと気になるのはバグやテキスト部分の誤字脱字など、細かい部分で作りの粗さが目立つ点。前作から僅か1年余りで発売した今作だが、突貫工事による弊害があったのは否めず。完成度そのものは前作以上だと思えるだけにこうした部分はかなり惜しまれる。もうちょっと丁寧に作ってくれたら言う事ナシなんだがなぁ(この突貫工事っぷりさえ無ければ、恐らく↑の総合点は『封印の剣』以上付けたと思う)。
 とは言え、親切過ぎるチュートリアルや軽快な操作性、更には良好なゲームバランスや圧倒的なボリュームなどなど、ゲームボーイアドバンスの中ではトップクラスの品質を持つ優等生な作品ゆえ、初めてシリーズを遊ぶ人でも値段分以上は楽しめるのではないかと思う。

掲載日:2004年8月1日
更新日:2022年4月5日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 9 8 7 9 10 8 89
プレイ時間…300時間以上
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ここは最高だね!ポール!
・初めてFEをプレイする人にも分かりやすいように、これまで以上にチュートリアルが丁寧になった。最初にプレイするノーマルのリン編は全体にわたり丁寧な指南があり、それでいて適当にプレイすると駄目なくらいの難易度になっているのでFE初心者にも取っつきやすくなった。

・前作までは剣が強く斧が不遇気味であり、クラスによって強さがかなり大きかったが今作は全体的にバランスがとれており、ほとんどのクラスで強い弱いが大きく出過ぎておらず、弱かった斧も今作から大きく日の目を見出だしてきた。

・ファイアーエムブレムシリーズは、これまでは難しいゲームという傾向があり、初心者が取っ付きにくいという点があったが、今作はノーマルだと初心者でもクリアはそこまで難しくない程度の難しさになっており、かなりの上級者向けになっている難易度も用意されているので本当に万人に受け入れられやすいようになっている。

・支援会話をタイトル画面にて見返す事が可能になり、支援会話を集めていく楽しみが増えた。

・前作では出撃準備の時点でアイテムを使う事が出来なかったが、本作ではアイテムを使えるようになったのでクラスチェンジやドーピングを事前にしておくことができるようになった。

・敵の増援が登場したターンには動かなくなったので、『軍を敵陣にまで進める』→『後ろの方にあった砦から隠れていた敵が登場!!』→『後ろに控えていたシスターが殺される』といった予想できない事によりリセットすることになるという事が少なくなった。

・難易度ノーマルでは占い師が戦闘準備時に格安でアドバイスをくれ、初見では分からない情報や、そのマップの戦術を多少教えてくれる。これにより、初心者が初見でクリアするという事がしやすくなった。

・三人の主人公の一人である『ヘクトル』がかなり魅力的。これまでは雑魚の代名詞ともなっていた斧を主な使用武器として登場。かなり高い戦闘力を誇り、これまでは優男な王子様が当たり前だった主人公とは違い、イケイケ気質の熱血主人公のヘクトルは斬新かつ魅力的。今作から熱血な主人公が出始めたので、わりとウケたのかと思われる。
ここはまずいね…ジャスミン…
・新しく追加された地面に仕掛ける系のアイテムである『フレイムボム』と『光の結界』であるが、あまり有効活用できるとは言い難い。普通に買えるような代物ではなく微妙に貴重品なわりに効果も微妙なので存在価値がイマイチ分からない。現に次作以降はほとんど消えていっているし。

・前作ではあったトライアルマップがなくなり、クリア後のお楽しみが少し減った。魅力的な敵も多いので、できれば使えるようにしてほしかったところである。

・タイトルにもなってる『烈火の剣』だが…うーむ、弱い(笑)。主人公のステータスにテコ入れしていない場合、使用者の体格9に対し剣の重さが16なので攻速が7も下がるという点が特に痛い。しかも前作では特別なキャラでなくても使えた武器として登場していたので、そこまで貴重な感じもしない。

・前作の時点で必殺を主に立ち回るような仕様であったが、今作ではソードマスターの必殺率が修正されたのが大きな点くらいで、キラー系の武器が安く店で売っていたり、支援で必殺率を簡単に上げられるところ等は大して変わっていないので今作も必殺頼りの立ち回りが可能になっている。特に後半は、敵の幸運が0になっており(バグではない)ただでさえ出やすい必殺がさらに出やすくなってしまっている。
それじゃあ、感想だよ(パント様風に)
 前作の『封印の剣』の良いところを引き継ぎつつ、バランスをさらに良くしていった傑作。製作日数の少なさの影響か、所々で荒削りな所も見られるが、初心者はもちろん上級者も満足できるようなように出来上がっており、より敷居が広げられていられるように見受ける。

 余談ではあるが、烈火の剣の読みは『れっかのけん』であるが前作の封印の剣は『ふういんのつるぎ』である。ビミョーにややこしい(笑)。

掲載日:2016年4月4日


攻略ページもどうぞ♪ → 縮緬遊戯堂ファイアーエムブレム攻略 烈火の剣

シリーズ別一覧:ファイアーエムブレム

縮緬遊戯堂 > レビューランド >ゲームボーイアドバンス > ファイアーエムブレム 烈火の剣