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ピクミン2
メーカー:任天堂
開発:任天堂 情報開発本部
機種:ニンテンドーゲームキューブ
発売年月日:2004年4月29日
価格:5800円
ジャンル:シミュレーション(アクション)


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GC版

Wii版 WiiU版

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
10 10 8 8 9 7 89
プレイ時間…100時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ここが良い左衛門!
・プロデューサーのミヤホン氏(※宮本茂氏)的には前作の肉を削ぎ落としたコンパクトな作りの方がお好みっぽい発言が多いのだが、個人的には前作の窮屈なバランスがどうも好きになれなかったんで、それらがだいぶマイルドになったこの『2』の方がずっと好みだったり。日数制限の厳しさや自由度の低さなど、前作で不満に感じた点が丁寧に改善された点が良かった。全体的に敷居が低くなり、アクションが苦手な人でも遊びやすくなったのは嬉しい改善点と言える。

・作品全体に溢れる素朴であたたかい雰囲気で心が癒される感じがする。グラフィックやサウンドだけでなく、家族や社長からのメール、オリマーの日記などのテキスト、身近な製品がお宝の中にあることも、なんかイイ味出してると思える。本シリーズは任天堂には珍しいリアルなグラフィック表現なのだが、それが単なる綺麗さや技術力の誇示に留まらず、あくまでゲームへの没入感を高める方向性で極まってるのが良いトコだと思う。単なるフォトリアルに留まらんグラフィックのデザインがいかにも任天堂らしい。

・エンディングを見るための条件はゆるいが、お宝コンプリートを狙うとグッと難しくなる難易度調整が絶妙。この辺は上級者・難しい物を好むユーザ層にも配慮されとると思う。
これは駄目右衛門。
・システムとしてはできる事が増えた分複雑化している。ピクミンの種類が増えたぶん、とっさに投げ分けるのが難しくなり、操作ミスが多くなり易くなった。操作回りの敷居は正直上がってしまった印象。

・対戦モードはルールを複数用意するか、設定を細かくできるようにできれば、尚良かった。まぁどちらかと言うとオマケモードなんで、それほど力は入ってなくても仕方ない部分ではあるが。

・突然爆弾岩が降ってくる等、理不尽でイジワルな仕掛けは要らんと思う。この手の理不尽要素ってあんま任天堂らしくない気もするしな。作る側は大変だろうけど、びっくりさせるならあくまでゲーム内容で勝負して欲しい。
すわわち感想ノ助。
 ピクミン第2作。任天堂の内製作品にしては珍しい、同一ハードでの使い回しじゃない系の続編。

 前作で感じられたバランス面の敷居の高さを取り払った続編のお手本的作品。わしとしてはマイペースでまったりと癒し空間を楽しみつつなんとな〜く遊べるこの『2』の方がお気に入り。まぁ言っちゃえば任天堂内製作品があんま好まん『贅沢にとことん接待』系の作風だと思う。
 単純な物量としてもこっちの方があって、長く楽しめるって意味でも、できれば時間やコストなど余裕のある時はこのピクミン2系の新作なんかも遊んでみたいなー、と。

 本シリーズの制作総指揮のミヤホン氏的にはこの手の作品に関して「単純に物量を出すのは作るのが大変だしシンプルさが無くて無駄な贅肉が多くて好かん」的な発言も多いんだが、チヤホヤ接待ゲー大好き系ユーザのわしとしては俄然こっちの方が嬉しい。
 エート……WiiU『3』は『1』回帰系のキツキツかつボリューム控えめだったんで、待望の新作『4』は『2』路線のリッチチヤホヤゲーでもよろしいのでは…と。ミヤホンさん、たまにはね、どうでしょ、是非(笑)

掲載日:2004年8月26日
更新日:2019年6月4日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
10 9 8 10 8 9 93
プレイ時間…400時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
やりましたね!素晴らしいです!
・初代ピクミンの時と同じく、一体だけでは弱いピクミンも、群れを成して敵を倒したり、物を運んだりと、プレイヤー次第で強みを本領発揮させていくのが最高に面白い。全ての敵やお宝に大まかな攻略法は存在するものの、本作からはピクミンの種類の増加やスプレー等の登場により、攻略法にも幅が増えた。

・ピクミン達を笛で呼び寄せた時に素早く反応してくれるようになったりと、全体的に操作性が向上している。前作では敵と遭遇せず普通にプレイしているだけでも稀にピクミンが死んでしまう不具合が有ったが、2ではそれもほぼ無くなった。

・同性能の二人の操作キャラを使い分けつつ、ゲームを進めるシステム。ピクミン達の隊列を分けて、片方は収集、片方は戦闘をしたりと、プレイヤー次第で役割分担を自由に決めて進めるのが面白い。チャレンジモードや対戦モードではコントローラーを二つ繋いで二画面でそれぞれ進める事が可能になっており、素早いアドリブ性が求められる本作と協力プレイの面白さが一致していて面白かった。

・前作では30日以内にほぼ全てのパーツを集めてクリアする必要があり、日数制限と高い難易度に苛まれてグッドエンドまで辿り着けない初心者も多かったが、本作では日数制限が無くなって制限が楽になった。地下空間では次の階層へ突入する時に、自動でセーブがされるのも便利。

・登場するお宝のバリエーションが豊富で、人間からすれば安物であったり、ガラクタ同然の品物も、ピクミン2の世界ではお宝として扱われているのは面白かった。任天堂から過去に実際に発売されたオモチャやゲーム等が幾つか出てきたのもファンサービスで嬉しい。さらに、任天堂以外の会社で実在している商品もお宝として多く登場してるのは驚いた。有名所ではNational社のHi-Topという実在する乾電池や、全国各地で製造されている、牛乳瓶に使われてる紙のフタまでもお宝として登場しており、この世の現実世界とのフィーリングも深く感じられた。

・前作に引き続き、グラフィックはかなり綺麗。地球上に実在する植物やお宝はかなりリアルな見た目になっており、その反面でピクミンや敵はリアル傾向とは少し違うが、独特かつゲームの世界とよく合ったデザインが勢揃い。

・お宝を集めたり、原生生物と遭遇すると、メニュー画面にて主人公オリマー達がそれらを分析した文章を見ることが出来るようになる。この解説文章がなかなか面白く、オリマー達の視点から独特の解釈をした文章が勢揃いで、さらにゲーム世界観の奥深さを堪能出来た。

・対戦モードがかなり白熱する。ステージの種類も多く用意されており、さらにハンデを大きく設定する事も出来るので、プレイヤー間の格差も埋める事が出来る。

・意外と知られていないが、ストーリー中に入れる洞窟やチャレンジモード&対戦モードで入れる地下空間は、乱数によってステージの構造が毎回ランダムに変化するようになっている。登場するお宝の種類や原生生物の数などは決まっているが、ステージの形や出現する宝&敵の配置などはプレイする度に大きく変化するので、毎回状況に応じた対応が必要なのも面白かった。僅かな違いも含めれば、理論上は一つのフロアだけで数千パターン存在する事もあるらしく、かなり独特なシステムなのに、侵入不可能な地形が出来たりする等の不具合はほぼ無く、本作ならではのこの試みはかなりの評価。
ヒィィッ!コレハマズイデス!!
・行える事が多くなった反面、ピクミンの色の使い分けや、キャラクター交代による咄嗟の計画的な行動力などがさらに必要となっており、複雑さも増してきている。前作よりは初心者への配慮は行き届いているものの、それでもアクションゲームに不慣れな人だと苦労するであろう面も多い。

・ゲーム後半の地下洞窟では何も無い場所でも近寄ると、落石や敵などがいきなり降ってくるトラップが多くなってくる。これらの事を回避するため、ピクミン達を引き連れて洞窟内を移動する前に、リーダーだけで先行してマップを探索する必要があるのが少々面倒臭い。
感想を振り返りましょう。
 初代ピクミンの魅力を引き継ぎつつも、問題点の改善や新要素が多く盛り込まれている。現実世界に実在するお宝の登場や、原生生物達の解説文がゲーム内で読めたりと、ピクミンの世界観を深く楽しめるように考え込まれているのもポイント。

 ゲームキューブのゲームソフトでも、自分の中では屈指のお気に入りゲーム。通常のストーリーモードも何周もしたし、対戦モードもかなり遊んだ思い出。発売から15年近く経った今もなお、たまにピクミン2の世界に戻りたくなる。

掲載日:2019年6月4日


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