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ドンキーコング64
メーカー:任天堂
開発:レア社
機種:ニンテンドウ64(メモリー拡張パック専用)
発売年月日:1999年12月10日
価格:7800円
ジャンル:アクション(3D)


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WiiU版VC 華麗にコンガも!

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
8 8 5 6 6 8 66
プレイ時間…30~40時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
すごいッス
・解像度が高いため、ニンテンドウ64の他の作品よりも見栄えが良い。スクロールも滑らかでいいですな。

・多人数対戦できるモードが面白い。バランスとかは正直かなりアバウトな気はするのだが、下手な人間でもそこそこ勝てるため、一方的な内容にならないのが良い。

・操作できるキャラクターが5匹おり、それぞれの個性を活かしたアクションが用意されているのは良いと思う。

・モンキーラップでノリノリ。DK!ドンキーッコング!!(ゲームの内容はSFC三作に比べると全然印象に残らんけど、この曲中心にBGMは割かし今でも聞くな)
あらイヤン。
・慣性が強いと言うか、妙な粘りがあると言うか、ねろっとしていてキモチ悪いのは、アクションゲームとして少々痛い。また、全体的にやれる事が多過ぎて操作が複雑。それでいて妙に謎解きの比率が高いとかキャラの入替え頻度が多くてめんどくさいとか、シラミ潰し的に何かを探せだとか、安直な水増し感が強い。何を幹部分にするのかぼやけてしまってる感じかなぁ。カメラの出来も悪くストレスもたまる。

・映像はキレイなキレイなんだが、原色剥き出しかつやたら濃いデザインで全体的にセンスがキツく、言ってしまえばどっか下品に思えたりも。洋ゲーならではの日本製じゃないスタイリッシュさがあったスーパーファミコン版の『スーパーDK1~3』に比べると、こちらは悪い意味での洋ゲー臭さが強くなってしまった印象。

・ボリュームがあるのは悪い事ではないが、コロコロとプレイヤーキャラを切り替える必要があったり無駄にミニゲームをやらされたりして(しかもあんまし面白くないしな)、作業に思えてきてしまう。こういった水増し的な量の増やし方は個人的には嫌かもしれん。
感想なり。
 スーパーファミコンで人気を博した『スーパードンキーコング』シリーズのニンテンドウ64版で、ゲーム内容は2Dではなく3Dアクションに変更された。……のだが、スーパーファミコン版に比べるとあんまり面白く感じず、それこそ何十周も定番として遊んだSFC版に比べると何周も遊ばなかった本作である。

 なんか常に「やらされてる」感が付きまとうのだ。アクションゲームの根幹を成す操作感の良さは感じられず、量的な拡大だけに囚われてしまった感じだろうか…。2D時代の作品の方がスッキリまとまっててテンポも良くて数段楽しめたなぁ、個人的には。

 任天堂の宮本茂氏はレア社製の本作やバンジョーカズーイに関して「スーパーマリオ64を超えるゲームだね!」とか言ってたけど、ありゃセールストークだろね(バンジョーの方は兎も角、こちらDK64は明らかにマリオ64の出来に及ばない)。心の中では「なぁに、このレベルじゃまだまだウチらにゃ及ばんワ!!」って思ってたんじゃないかなぁ(笑)。

 割かし明確に1つのゲームとしてブレなくまとまってたバンジョーに比べると、こちらは更にゴチャゴチャでまとまり感が無く、色んな要素を取り入れたは良いがどれも半端になってしまった印象ではある。任天堂が手放す直前のレア社って事でどっか内部でゴタゴタしてたのをムリにまとめた感は否めない所か。逆に言えば「社内で揉めてスタッフがちりぢりになる以前のレア社の3D版DKが出ていれば…」って思える部分もある。そういう意味では惜しい存在だったかもね。

掲載日:2006年1月21日
更新日:2019年2月5日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
8 9 6 7 7 9 73
プレイ時間…100時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ウホウホッ!!オーケー!!(良いところ)
・全部で5人のキャラが用意されており、キャラクターごとに使える個性豊かなアクションを駆使して様々なステージを進めるのが楽しい。主な目的であるゴールデンバナナの取得方法もステージやキャラによって考えられているものもあった。

・ステージの舞台ごとに大きく違うグラフィックや演出に見ごたえを感じる。さらに劇中の要所要所で入るムービーも笑えるモノや、かなり不気味なモノまで幅広く楽しめた。特にボス戦でのムービーは演出に凝っているものが多く、これらには一見の価値あり。

・前身作ともいえるバンジョーとカズーイの大冒険でも音楽を手掛けたグラント・カークホープ氏の音楽がかなりアツくて好評。氏の特徴ともいえるファンファーレを基調とした重厚で特徴的な曲が、本作独自のゲームデザインとよく合っているように感じた。

・おまけモードとして収録されているコントローラーを複数接続しての対戦モードが中々楽しくてハマる。バランス的にはかなり大味ではあるが、その分だけ実力差が出過ぎず派手な遊び方が出来る。

・オマケ収録としてレア社が1983年に出したゲームのJETPACK、そして任天堂が出したアーケード版のドンキーコングがほぼ完全移植されている。アーケード版ドンキーコングに関しては一部のバグ(25mのある場所から飛び降りて75mへとワープするバグ等)は修正されているものの、アーケード版と見た目や仕様がほぼ変わらず移植されているので、初代ドンキーコングを遊び尽くしたい人にとっては最高。
ウホッ!?オー!ノー!!(悪いところ)
・一部のミニゲームが使い回されていたり、バナナを集めるためにステージをひたすらしらみ潰しに回る必要があったりと、無駄に水増しされているように感じる点が多く見られる。次のステージやボス戦へ進める為に要求されるノルマのバナナ系の数が全体的に多めで、収集作業が冗長に感じる。

・キャラクターの挙動にクセがあり、水中での操作等は慣れないと特に辛い。カメラワークも悪く、快適にキャラを動かせるかという点に関しては難有り。

・最終戦まで到達するにはゲーム内でアーケード版初代ドンキーコングをクリアする必要があるのだが、何故か残機が一つしかなくノルマがキツいバランスになっており、これまでのアクションゲームのノウハウが活かせないという事もあり難易度がすこぶる高い。
ウホッ!ウホウホホッ!!(感想です)
 スーパーファミコンで出たドンキーコング三部作のような2D面クリア式とは大きく変わり、同社の64ゲームのバンジョーとカズーイの大冒険をドンキーコング達に代えたゲームへと仕上がった印象。これらのような2D面クリア式のゲームを想像すると内容のあまりの違いに肩透かしを喰らう事間違いなし。基本的に本作は64のバンジョーとカズーイの大冒険の、発展作のようなモノであるという認識は必要。

 本作ならではの長所も多いが本作ならではの短所も多いので、もしこの短所さえ無ければもっと名作レベルのゲームへと進化出来たのかと思うのだが、流石にそのレベルまでは及ばなかった印象。

 リメイク・移植を除けば、レア社が作ったドンキーコングも本作が最後。ゲームシステム面はともかく、レア社ならではの演出や音楽は個人的にかなり印象深く、それらの点だけ見れば64のゲームの中でも自分の中ではかなりお気に入りなゲーム。特に音楽に関しては、自分の好きなゲームミュージックの一つとして並べたいほどお気に入り。

 余談だが、自分のオヤジは本作のアーケード版ドンキーコングの移植にかなりハマっていた思い出。と言うのも、これまでに出ていたアーケード版ドンキーコングの移植・リメイク作品は、劣化移植気味であったり、ほぼ別作品とも言える作りになっていたりしていたので、元祖ドンキーコングを忠実に移植した作品は本作が出るまで長らく楽しめなかったというのもあるらしい。

掲載日:2019年2月5日


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