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エルテイルモンスターズ
メーカー:イマジニア
機種:ニンテンドウ64
発売年月日:1999年7月9日
価格:6800円
ジャンル:RPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
4 4 3 4 4 5 3 37
プレイ時間…15〜20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
すンばらしい!
・コントローラ右側のCボタンユニットの4つのボタンがそれぞれの属性魔法の発動に直結してるって操作性自体はそれなりにまとまってて分かりやすいと言えるかも。

・1つの製品としては特に致命的な欠陥とかあるでもなく、普通に遊べる。何か不具合があって先に進めないだとか、その手の酷さは無い。
イカンなァ。
・ニンテンドウ64後期の作品にも関わらず、カメラの出来が酷い。カメラを操作できないってどういうことじゃ。自動で完璧に動いてくれるなら別にいいけど、そんな事は微塵も無く、細かい調整が要るクセに思い通りにならないため、視点の悪さに拠るミスや理不尽な攻撃の被弾など、ストレスが溜まりやすい。

・ポリゴン欠けしまくり&不自然なモーションだらけのグラフィック。音の質が妙に軽くてピロピロしたサウンド。同時期のロクヨンの作品としては明らかにショボい。王道を狙っている事は伺えるがどうにも全体的に作りが安っぽいので萎える。

・ストーリー性が希薄。重厚さのカケラもない。RPG名乗るなら、もうちょっとシナリオへの没入感とか世界そのものの魅力とかそういった部分にも力を割いて欲しいのに、その点が全然ダメ。

・戦闘では敵が一定時間ごとにガンガン攻撃してくるのに主人公側は一回攻撃すると自動的に敵が攻撃してきて理不尽に思えたり。また、アクション要素が強く自分で魔法を放つ方向を決められるのだが、地形に主人公が隠れてうまく操作できない場面も多かった。全体的に戦闘がシンプル(と言うか単純)なのにパーティが主人公一人なのも一層物足りなさに拍車をかけてると思う。

・ダンジョンの作りも平面的にのっぺりと広い割に見た目もバランスも起伏に欠けるため、非常にダレやすい。戦闘・ダンジョン攻略・シナリオと、RPGではしっかり造り込まれてて欲しい要素がいずれも水準以下って感じで物足りなさが半端ない…。

・信頼性の低いコントローラパックにしかデータをセーブできないのはキツい。
感想じゃい
 ニンテンドウ64初期の段階から貴重なRPGとして任天堂誌等でも「期待のRPG枠」としてなかなかの扱いを受けていたが、発売後にピタリと名前を見かけなくなった理由が、遊んでみてよ〜く判った。とにかく、あらゆるパートの作りが安っぽいのだ。この作品が出た99年には3Dのゲームにも良作が数多く世に出ており、お手本ならいくらでもあったはずなんだが…。RPGなのに戦闘もストーリーも薄っぺらで面白くないし、グラフィック・サウンドの演出面もハード末期に近い作品なのにいずれ要素も軒並み平均点以下の出来。ハードの円熟期にこんなゲームをつかまされて泣きそうになった。こんな安っぽい内容なら、まだ他のゲームのパクリの方がマシだったよ…。
 ま、発売元が半端ゲーを量産してたイマジニアな時点でそれほど期待してなかった分、ダメージは少なかった。…が、それにしも「ゲーム雑誌であそこまで大々的に宣伝してこの程度の出来かい!?」とかそこそこがっかりはしたかもしんない。まぁメーカ側というよりは雑誌側が貴重なRPGとして勝手にチヤホヤしてた感はあるけど、発売前と遊んだ後のギャップって意味では最近多い「宣伝詐欺系で面白く見せての売り抜けゲー」に似たガッカリ感はあったと思う。

 どこか突き抜けて酷くてネタとして楽しめる系でなく、広く浅く水準が低い系のゲームといった趣。個人的にはニンテンドウ64ではこれがワーストのゲームかなぁ。

掲載日:2005年8月17日
更新日:2015年7月27日


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