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ARMS
メーカー:任天堂
開発:任天堂 企画制作本部
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2017年6月16日
価格:6458円
ジャンル:アクション(3D・格闘)


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ついでにのびーる孫の手でもどうぞ。

執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 8 8 10 8 7 82
プレイ時間…50時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
バネバネッ!マジパネー結果です!!
・メインの操作方法である『いいね持ち』はこれまでのゲーム史の中でも珍しい持ち方で、パンチを繰り出す時は実際にジョイコンを振ってパンチを繰り出し、移動をする時はジョイコンを移動したい方へ傾けるという直感的な操作方法。二世代前の機種であるWiiの時にも、同じようにWiiリモコンを振ったりして直感的な操作でプレイするゲームが存在したが、本作はそれ以上にゲームらしさが増した作りになっているように感じる。

・腕が伸びて攻撃するという所に最初は奇抜さを感じるが、しばらくするとコレが独特の面白さに繋がるという事に気付いてくる。ARMSはコンボの上手さや読み合いが必要な一般的な格ゲーとは違い、攻撃の差し合いやアームの特性を活かした立ち回りが特に求められるので、既存の対戦ゲームとはまた違った独自性の高い面白さがある。

・一般的な格ゲーとは違ってどのキャラも基本は同じなので、通常技やコマンド技等を覚える手間がある格ゲーとは違って様々なキャラクターに手を出しやすい。キャラ変更の自由度が高くて色々試しやすいのはハードルの低さにも繋がるので宜しいかと。アームの組み合わせによって同キャラであっても戦い方が千差万別なので、オリジナリティーがプレイヤーごとによって生まれやすいのもグッド。

・キャラデザインはどれも秀逸。アメコミ的な見た目に抵抗がある人もいるかもしれないが、ヒーローモノのアメコミに出てきそうなデザインは個人的にはお気に入り。

・リプレイ機能が充実しており、スロー再生やキャラ別に視点変更出来る機能等が揃っているので試合を見て復習したり解説したりしやすい。ガチ勢の方にとっては活用しやすくて良いと思う。

・ステージごとに曲が用意されており、曲調は全て異なるがどれもアップテンポでバトルが盛り上がる曲が勢揃いで良曲が多い。個人的にはキッドコブラステージの曲やドクターコイルステージの曲が特にお気に入り。

・ネット対戦をしていてもラグが少なめな事が多い。腕前を競う事が重要なこのゲームでネット対戦が快適なのは良かった。

・HD振動も小気味良い。いいね持ちの場合左右で伝わる振動が異なるし、アームの種類や当たり方等で振動の種類が変化するのも面白い。
バネバネ…困った事になりました…
・間口の広さは一般的な格ゲーより明らかに広いのだが、本質的にはかなりストイックなアクションゲームなので、ライト層がこのゲームを本質まで楽しもうとするのはかなりキツいと思われる。対戦テクニックの練習になるトレーニングモードや、初心者でも楽しみやすいネット対戦のパーティマッチも用意されているので、ある一定まではゲームを楽しめるようにはなっているのだが、本質的にはかなりストイックな対戦を楽しむゲームなのには違いない。

・CPUの強さが高レベルになってくると強い…というより反応速度が異常になってきて戦っていても萎える。こちらが攻撃を繰り出すまで行動はしないくせにこちらが何らかの行動を行うと異常な反応速度でカウンターを狙ってくる…といったパターンばかりで、対人相手とは違って対応が面倒臭く、CPU相手との対戦は対人戦よりはイマイチ面白くなかった。

・ファイターの数が15人と聞くと数がやや少ないように感じてしまう。アームとの組み合わせ等でプレイスタイルは大きく変えられるので新鮮さが少ない訳ではないのだが、一般的な格ゲーのキャラ数やスプラトゥーン2のアップデート物量がARMSよりも多いのもあって、若干物足りなさを感じるかも。キャラ数と同じくステージ数も15だけなので、ステージのバリエーションも欲しかった。

・ランクマッチでは再戦をお互いに選ぶとキャラクター選択画面まで戻されるのだが、同キャラのまま再戦する選択肢も入れてほしかった。一戦一戦が短めなのに試合が始まるまでの手間がかかるゲームなので、尚更感じた点である。あと、パーティマッチのチーム戦で自分自信が倒れて操作不能状態になっても試合が終わるまで傍観させられ続けさせられて暇。

・ゲームを極めると、このゲームのコンセプトでもある『いいね持ち』よりも通常のコントローラーによる操作方法の方が僅かに有利な事に気付いてくる。というのも『いいね持ち』の場合、パンチが実際に出るまでラグがあったりするので、瞬発的な行動を求める場合はボタン操作の方が有利になっているからである。こればかりは瞬発力を求められるアクションゲームであるという本作の仕様上、瞬間的に反応出来るボタン操作の方が有利に働いてしまうのは致し方無いのだが…。
ハンパネーコメントが来たようです!
 のびーる腕を使った新・格闘スポーツという宣伝文句に恥じないシステムで、見た目もさることながら内容的にもかなり新しい対戦ゲームである。アクションによる1対1の対戦ゲームという事で本作は格ゲーと同ジャンルに並べられる事が多いが、システム的にはかなり別物。ジョイコンを使った直感的な操作なので、ライトゲーマーにとっても間口は一般的な格ゲー等よりはまだ広い方だと思われる。

 ただ、このゲームの奥底まで楽しもうとするためにはある程度の腕前が求められる。そういう意味ではライト層でもゲームを楽しめるスプラトゥーン等と比べると、対戦ゲームとしての敷居は高め。かなりスルメ的な面白さが強いゲームなので、個人的には初心者の人もこのゲームのストイックさに圧倒されて「あぁムズっ!!」と投げ出さないでほしいところではあるが(※オヤジギャグ炸裂!)。

 2017年のSwitchソフトはゼルダ、マリオ、スプラ、ゼノブレイド等と強力なIPが並んでいるのもあったせいか、ARMSはそれらよりは影が薄めなまま大まかなアップデートを終えてしまった。2017年に発売されたSwitchのゲームで、尚且つ完全新規IPのミリオン超えしたゲームは実は本作のみなのだが、内容のストイックさや他のゲームの盛大さ故か微妙に影が薄いような気がする…。総合的には粗が少なくてよく出来てるゲームなので、ゲームシステムにピンと来た人には是非とも薦めたい。

掲載日:2018年2月20日


執筆: アルツ社長  (プチレビュー)

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 8 6 9 5 6 67
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
最高でござんす。
《全体として》
・いいね持ち(Joy-Conを左右に持つ独特の握り方)での操作がユニーク。純粋にキャラクターを動かすのが楽しく、センサーのカタマリであるJoy-Conを活かした内容と言える。

・他社製の格闘ゲームでいう必殺技的なモノは無く、あくまで基本殴り合いだけでしっかり奥深いゲームとして成立している点は凄い。あと、コマンドを覚えなくても良いので、その点は非常にラクで助かる。どーもね、格ゲーの技を覚えるのってニガテなのよね。覚えても複雑なコマンドだと出せねえし。

・いいね持ちでのプレイは遊んでる内に熱くなるので結構疲れる。腕を振るんで運動にはなる。

《システム・バランス面》
・他社製の格闘ゲームと違い、技と技を繋げるコンボ重視ではなく、あくまで一発一発を確実に当てていくスタイル。ゲームのスピードそのものもかなり遅めで、その点ではあまり忙しくないとも言え、コンボ重視の他社製の格ゲーと比較すれば、技自体の操作とか必要なワケでもなく、その点では幾分敷居は下がってるかなァという印象。

《快適性・操作性》
・独特過ぎる「いいね持ち」以外にも従来型のコントローラを用いての普通の操作方法にも対応しており、ユーザがそれぞれ合った操作を選べる配慮は良かったと思う。

《演出面》
・やたらと耳に残るメインテーマ(→おーおーおーお おーおーおーお おーおーおー♪ね)を筆頭にBGMの出来は良い。

・全体的に日本ウケよりも海外(欧米)でウケるのを優先したようなテイストではあるが、個性付けとかもしっかりされてて魅力的なキャラが多い点は◎。
イヤンでありんす。
《全体として》
・同じ任天堂のスプラトゥーンの成功を元にした感じの展開(モードの追加だとか更新だとか)はされているものの、中身に関しては『ほぼ純粋な格闘ゲーム』であり、下手でも勝てるって事はまず無い。その辺のガチンコ過ぎるバランスがヘタレとしてはかなりツライ。まぁラインナップの幅の確保って意味では任天堂作品でこういうゲームがあっても良いとは思うんだが、もうちょっと万人が楽しめる内容でも良かった気が。あと、CM等の宣伝は「誰でもできる楽しいファイティングゲーム!」にしか見えないのだが、実際のところは「人を選ぶ格闘ゲームそのもの」であり、ギャップは大きい。

・プレイヤー間で腕に差があると、そもそも攻撃自体が当たらない。覚えるべき事柄が多く各システムをしっかり使いこなしてようやくマトモに戦えるようになる等、敷居は低いとは言い難い。また、それにも関わらず、ゲーム内での説明が全体的に端折られがちで、導線を用意するのが得意な任天堂とは思えぬ説明不足感は惜しまれる。

《システム・バランス面》
・アームを揃えるにはコインが必要だが、恐ろしく貯まり方が遅い。悲しくなるくらいカネが貯まんない。しかも狙ったアームを直接買うのでなくて、まさかの『ただのガチャ』である。しかも、選んだキャラだけでなくポロポロと他キャラに配分されるので、余計に欲しいモノをダイレクトで選べないストレスが強まる。これさ、プレイ時間・ボリュームの水増し的な増やし方と申すか、正直ケチり過ぎだと思う。

・バレーとか的当てとかミニゲームが挟まる事が多いが、正直、勝っても負けてもあんま楽しい内容とは言い難い気が。特にバレーはボールの挙動が読みづらく、ちょっと理不尽に思える点が多い気がした。

・1人用モードのCOMの超反応がキツイ…。かと思えばスキ丸出しで動かない時もあるなど、プレイヤーに対しての手加減の仕方がどーも下手。この辺は任天堂内製部署がこの手のジャンルを作り慣れてないのが響いてるかなァとは思う。

・3人で戦うモードなんかだと、2対1の状況に陥りやすく、勝っても「たまたま」、負けても「リンチじゃムリ」で、どーもスッキリしないと申すか。コレ、ムリに多人数対戦は入れなくても良かったと思う。入れるんなら、もうちょい理不尽でないバランスでないと正直厳しい。

・トレーニングモードでも変な制限があったりして面倒。かと思えば別に親切にレクチャーしてくれるワケでもない。ただ淡々と好きな操作の練習がなかなかやりづらい点は改善の余地あり(あるんかもしれんが、変に階層が深くて探しにくい)。

《快適性》
・この手の体感系ゲームの宿命とも言えるが、ゲーム側から推奨される『いいね持ち』(Joy-Conを別々に握るように持つ)は、慣れないと暴発しやすく、その点でストレスが溜まりやすい(投げ・パンチの出し分けやダッシュとかで特に感じる)。

・ロードは「長い!」とか「超絶ストレス要素!!」ってくらいの酷さは無いものの、任天堂製って括りで見てみると正直そんな短くはない。1人用のモードとか短時間で次々に別のステージを挟むモードだと、結構気になるレベルではある。

・コントローラ操作のダッシュとジャンプの配置が悪い。パンチがA・Bに割り振られててダッシュ・ジャンプがX・Yなんで、同時には押せないのである…。それこそ、Lボタンとか大して使わんボタンに割り振れば良かったと思うのはわしだけ?で、任天堂内製ゲーム伝統の『キーコンフィグなんぞ無し!オレの考えた操作がベスト!』である。ここは純粋に不満。

《演出面》
・キャラクターは魅力的だが、ストーリーモードみたいなモノは無くひたすら対戦するだけで、1人用のボリュームとか魅力の掘り下げって部分では見劣りする。公式のトゥイッターさんで設定とか背景とか色々説明なり紹介なりしてるんだが、ああいうのは本来、ゲーム内でもしっかりやるべきかと思う。
感想ばい。
 任天堂製品としては珍しい…というか、ファミコンの『ジョイメカファイト』以来と思われる、超レアな純粋な格闘ゲームな本作品である。個人的には発売前の体験版で「ウワ!これヤバイ!わしじゃ太刀打ちできねえやつだ!」って予約もキャンセルしたワケですが、この度タダキャンペーンやってたんで、体験版以来、久しぶりの復帰。

 …してはみたものの、色々体験版から変わってる部分はあるけど、まぁやっぱ基本は純・格ゲーって感じであり、元から得意じゃなくて更に心身が衰えたわしにはやっぱりキツイ内容ではあった。オンでやっても精々3割勝てれば上等で、キホン常時ボコ殴りの大差負けの繰り返しでストレス溜まる一方だしな…。わし的な印象は良くも悪くも『ストIIのダルシム同士で戦う、任天堂製バーチャロン』である。どーもね、ガチンコ過ぎてキツイんだよ…(苦笑)。

 内容に見るべき点はあるしキャラクター・設定にも魅力はあるユニークなゲームだとは思うけど、もうちょっと広いユーザ層が楽しめる配慮はあっても良かったんじゃないかなー。せっかくの貴重な任天堂社内開発の新ゲームなワケでな。その点は惜しまれるし、次回作以降で改善してくれるんなら、わしでも欲しいって思えるカモ。今作のまんまであれば「わしにはムリ」かなァ。さてどうなるやら。

掲載日:2020年4月14日


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