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Bloodstained : Ritual of the Night
メーカー:505 Games
開発:ArtPlay、DICO、WayForward Technologies
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2019年6月18日
価格:5480円
ジャンル:アクション


広告(良かったら買ってくれぃ)
  
スイッチ版 PS4版 XB1版
(※スイッチさん版以外なら
エラーとかだいぶマシっぽいんで
ハードをお持ちならそちら推奨)

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 8 4 6 7 6 7 64
プレイ時間…10〜15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかばい。最高ばい。
《全体的な作りに関して》
・システム部分も世界観もコナミ時代の『悪魔城ドラキュラ』そのまんまと思われるんで、実質的にはその新作として遊べる内容(下記の通り、快適性部分でかなり課題はあるけども…)。

・似たジャンルで言えば、近年の2Dメトロイド(サムスリターンズ・ドレッド)は海外ソフトハウスが開発して過激な死にゲー化しちゃって、ヘタレのわしとしてはストレスが溜まってどうにも辟易していたのだが、こちらBloodstainedはあくまでIGA氏が音頭を取ってるっぽい感じである。ヘンに高難度化していなかった点は助かる…。最近のメトロイドヴァニアって大手からインディーズまで死にゲー化してるのが多いしな…わしゃニガテなんだよ、死にゲーは。

《システム・バランス部分》
・一般的にはそんな物量面が無い方だと思われるアクションゲームなのだが、操作可能なキャラが複数いたり、セルフ縛り的な感じで色々な武器を使ってみたり、脇道に逸れて色々楽したくなるような工夫は多め。

・快適性部分で難が多い割には先を見たくなる内容って点では、やっぱり相応に魅力を秘めた作品なのかなァとは思う。

・セーブ部屋(HP・MPも全回復できる)がちょくちょく設置されてる点は、わしみたいなヘタクソさんにも優しい。

《演出部分》
・BGMは重厚な曲が多く、しっかりと雰囲気を盛り上げてくれる。
お〜の、イカンですきに。
《全体敵な作り、システム・バランス部分》
・やたらと武器とか飛び道具とか沢山出て来るのだが、使えるor使えないの格差が大きすぎて、結局「ごく一部の使いやすい装備だけでいいや」ってなりがちなのは惜しい(敵に触れただけでダメージを受ける&トリッキーで避けづらい動きの敵が多いため、リーチの無い低威力の手数重視の装備は接触事故が起きやすく、ほぼ死に装備になっとる感アリ)。

・「開発者がコナミで出せないから名前・デザインを変えてほぼ同内容の物を出した」って感じで、良くも悪くも完全に悪魔城そのまんまなんで、独自色とか新鮮味とかは期待しない方が良いカモ。

《快適性・品質面》
突然エラーメッセージが出ての強制終了がしばしばあるのが非常に興醒めである(1時間に1回以上のペースで遭遇した。本棚チェックとか別エリアへの移動とかイベントとか何かしら読み込みを挟むタイミングだと特にアヤシイ?)。ボス戦直後とか暫くセーブしていない時にとかに出くわすと超ゲンナリ。結構な値段のソフトなんで、品質面でもっとしっかりして欲しかった所(もっとも、わしゃタダメシキャンペーンで遊んだから1円もカネ出してないけど、遊んでて不愉快な気分になる事にゃ変わりないからね!)。

・挙動そのものもコナミ時代の探索型悪魔城(=PS1・GBA・DS時代の悪魔城)よりもモッサリ気味な上に、常時処理落ちも酷い。キャラが多い場面や背景に動くギミックが多い場面だと目に見えて悪化し、場面によってはフレームレートが通常の半分以下まで落ちてるんじゃないかって程ガクガクになる事も。ボタンを押してからキャラが動くまでにラグがあり、ソレが処理落ち具合で更に悪化したりする。ボス戦はパターン構築して敵の攻撃を避けるのが重要なのに、処理落ちが酷くてミスしたりすると、どうも理不尽に思えたり。グラフィックの質をもっと大胆に落としてでもアクションとしての手触りを優先させて欲しかった所ではある。

《オマケ要素部分》
・コラボとか称して他ゲームのキャラも使えるモードがあったりするのだが、日本だとマイナーな馴染みの無いキャラなんで有り難みは感じられなかったり。一発芸的なクリア後のオマケの充実よりは上記の根っこ部分の快適性部分の品質改善にパワーを割いて欲しかった…。
感想でごじゃる。
 コナミで『悪魔城ドラキュラ』シリーズ(レビューはこちら)を手掛けたディレクターのIGA氏が、一時期のコナミ上層部によるアプリ以外の開発者の冷遇などのゴタゴタにより独立して手掛けた悪魔城系のゲーム。悪魔城シリーズはステージクリア型とメトロイドヴァニアと呼ばれる型があるが、本作は後者の「月下の〜〜」とか「蒼月の〜〜」に連なる探索ゲー的作風。

 ニンテンドースイッチオンラインのタダメシキャンペーンに選ばれたので遊んでみた次第であるが、パッと見のテイストも実際の中身もほぼ完全に探索型の悪魔城であり、フツーにシリーズ作品に連なってても全く違和感はナイ印象。
 ただし品質面は色々と粗さも。ちょくちょく発生する強制終了エラーは興醒めもイイトコだし、全体的に挙動がモッサリ気味な上に常時処理落ちしてるかのような重さがあるのが残念。「大メーカの後ろ盾が無くなった」って点が品質管理体制にダイレクトに響いてる感じ(コナミは偉大だった!?)。

 ゲームとしてのシステム部分や雰囲気・世界観的な部分はほぼ『悪魔城ドラキュラ』の感覚で遊べるのだが、アクションゲームとしての爽快感の劣化だとかちょくちょく起こるフリーズ・強制終了など、快適性部分では色々と問題が多い。それらを踏まえてみると、総合的な完成度は残念だけどもコナミ時代のIGA氏の悪魔城作品よりもだいぶ見劣りするかなァという印象ではある。
 スイッチさん以外のハードなら幾分マシなのかなァ?いやー、スペックに劣る機種でのリリースでも、本作は2Dアクションでシステム部分は十分軽いと思うし、製品として出すからにはスイッチにもしっかり最適化していただきたかったが。タダで遊んでるんで「ふ〜ん、こんなもんか」って感想だが、発売日に5000円出してこのバグまみれの品質だったら、文句ぶーぶーだったと思う。もうちょっと品質にプライドを持って作って欲しい。せっかくゲーム自体のクオリティはそこそこ良いと感じるのに、この部分でだいぶ損してると思う。勿体ない。

掲載日:2022年10月25日


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