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ドラゴンクエストトレジャーズ
蒼き瞳と大空の羅針盤

メーカー:スクウェア・エニックス
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2022年12月9日
価格:7990円
ジャンル:アクションRPG


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執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 6 6 5 5 5 5 53
プレイ時間…15〜20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
うむ!最高じゃ!
<システム・バランス部分>
・思いっきり敷居を低くして遊びやすくライト路線にしたオープンワールドゲームって感じ。ある程度ゲーム側から目的が提示されるため、洋ゲーのオープンワールドと違って「いきなり大海にポーンと放り出される感」は無いかと。ドラクエシリーズは流行った新ジャンル作品を万人向けとかRPG要素や迷いにくいシナリオを付加してアレンジするのが上手いと思うが(ウィザードリィ→ドラクエ本編、ローグ→トルネコの大冒険、ポケモン→モンスターズ、マインクラフト→ビルダーズなどなど)、本作も一応ソレに該当しているとは思う。

<グラフィック・サウンド部分>
・そんな「綺麗!」とか思うタイプのグラフィックでは無い感じだが、キャラクターにしてもフィールドにしてもまぁ必要十分な作りであり、特にショボさとかは感じない。

<シナリオ・テキスト部分>
・得られるお宝はドラクエの本編ナンバリング作からのネタが豊富に散りばめられており、ホント「懐かし〜」って思える場面は多い。下記の通り「懐かし〜」が味わえないと魅力激減な作りな関係上、基本的には本編はある程度遊んでないとキツい感じではあるが…(笑)。
待てぃ!ダメなんじゃ!
<システム・バランス部分>
・とにかく「薄い」。ゲームとして純粋にスカスカ過ぎる印象。色々と親切な感じにはなってるのだが、どーも頻繁に「見てるだけ」「移動してるだけ」になりがちでゲーム性が希薄で遊んでて手応えが無いのが考えもの。

・戦闘は勝手に動く仲間モンスターに任せて見てるだけの時間が長く、かなり退屈。しかもモンスターは常に燃費の悪い大技をブッ放すためすぐにガス欠になる(=常時ドラクエ過去作で言う「ガンガンいこうぜ」一択みたいな)のもストレス要素。戦略性が高いとか技の組み合わせや発動タイミングが重要でシミュレーション色が濃いとかいう感じでもなく、ただ単に薄いだけなのがツマランと思う。

・定価が8000円もする割には内容はアッサリめでボリュームも少ない。わしはワゴンで買ったからまだ良いが、コレ、定価で買ってたら更に文句ぶーぶーだったかと。

<グラフィック・サウンド部分>
・近年のドラクエシリーズ派生作だと珍しくはないものの、BGMは全て過去作からの流用であり、本作ならではの印象は薄い。いくら元の曲が名曲って言っても、流石に手抜きなのでは。

<シナリオ・テキスト部分>
・それぞれのお宝に関するテキストとかは過去作を遊んでないとどういうモノなのか分からないため、大多数のネタが「え?何ソレ…」ってなりかねん作りのはどうかと。ゲーム内容自体が物凄くアッサリしてて明らかに初心者とか低年齢層獲得を狙ってるくさいのに、テキスト・シナリオ部分はプレイヤーが過去シリーズを網羅してるのが前提なのが、凄くチグハグ感が強い。

・プレイヤーはカミュかマヤか好きな方を切り替えて操作するのだが、殆ど性能差が無いので2人から1人を選んで操作できても面白さに欠ける。性能面で差別化して使い分ける楽しさが生まれる作りにできなかったものか?また、操作しない方のキャラは喋りまくるのに、操作キャラにすると途端にドラクエ主人公伝統の「一言も喋らない」状態になってしまうのが逆に不自然に感じる。
おお勇者よ、感想じゃ。
 ドラクエ風にアレンジしたオープンワールドゲームって趣の作品。当初は『ドラクエモンスターズ3』って発表されてたのに、気付いたら何故か別作品になってたのは少々ナゾ(モンスターズ3はモンスターズ3で改めて別作品として発表されて発売に至ってはいるけども)。

 流行った新ジャンルを遊びやすく迷いづらく目的を見失わないようにお節介オバチャン的な作りになってるのは他のドラクエ派生作と同様。
 ただ気になる部分も多く、プレイヤーが戦闘部分で介入できる要素が少なくてゲーム性が希薄でかなり退屈、普通はボリューム満点になりやすいオープンワールドゲーのクセにボリュームが少ない、テキストやシナリオは過去作を遊んでる事が前提で初心者狙いなのかシリーズファン向けなのかチグハグな作りなどなど、結構重大な欠点が多い気がするのがすこぶる残念。

 ジジイホイホイなネタが多いのはまぁわしみたいなファミコン時代からドラクエ遊んでる人間としては「お〜懐かしい!」とは思えるものの、肝心のゲーム部分が薄味で楽しさを感じないのでは本末転倒なのでは。ゲームとして発売するからには、あくまで遊んでて面白いと思える物を作っていただきたいモンだが。大作クラスの値段の割にボリュームがスッカスカで印象が悪い。
 …てか、ドラクエって派生作でも昔はこういう基本的なトコ(=基本的な作りは流行った物の二番煎じでも、遊びやすさや導線部分は非常に丁寧であり、ゲームとして遊んでてしっかり楽しいって部分)絶対外さなかったのにな〜。近年のスクエニの手抜きっぷり・開発力の低下っぷり、堀井氏の監修のテキトーさとか、色々改めて再認識させられる内容である。ウンコってくらい酷い内容でもないとは思うが、メーカ側の志の低さが随所から漂って来て内容以上にガッカリさせられる作品とは言えるかもしんない(苦笑)。

掲載日:2025年12月2日


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