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エグリアリバース
EGGLIA Rebirth
メーカー:ブラウニーズ
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2021年12月16日
価格:2200円
ジャンル:RPG
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 7 | 5 | 6 | 5 | 6 | 7 | 62 |
良いどわ。コリャ最高どわ(ドワーフ風に) |
《シナリオ・世界観》 ・メインシナリオは見た目に反して重め(この辺は同じスタッフが過去に手掛けた『マジカルバケーション』に通じるモノがあるかも)。一方でサブイベントはどこかシュールでコミカルなやり取りで占められており、何か一辺倒になってないって意味でメリハリは効いている。会話イベントの大半がユルいノリな事もあり、コミカル8:シリアス2って感じか。 ・仲間になるキャラ・精霊の種類は多く、特にテキストの類(セリフなどのイベント)は非常に多い。一癖あるキャラだらけでアクは強いが、しっかり描画されてて印象は良い。 《システム部分》 ・村をうろつくパートではアイテムを色々作れるが、家具の種類とかが多い上に動きとかも結構凝っている印象。 ・ロードは頻度は結構多いが長さ自体は短く、それほど待たされない点はヨシ。 《グラフィック・サウンド部分》 ・グラフィックは亀岡慎一氏、サウンドは下村陽子氏と、旧スクウェア等で過去に様々な作品を手掛けられた大御所のクリエイター陣が作り出す牧歌的な雰囲気はバツグンに良い。テイストとしてはモロに『聖剣伝説』(のレジェンドオブマナ)辺りとかぶってて本作独自の…って感じでもないが、出来自体はよろしいかと。 ・背景のグラフィックも描き込みが細かく、フォトリアルってよりはとことん絵画的で暖か味があるのが◎。 |
もぉぉ!だめですのー!(アロエちゃん風に) |
《全体の作り》 ・買い切りのゲームなんだが、仲間を連れて冒険するとスタミナが減ったり、素材アイテムを作ったりでその都度時間が掛かかるスマホアプリの仕様をそのまま引きずってる感じ。この仕様がゲームの中でプラスに作用してるって感じがしない。 ・メインとなるRPGパートはサイコロをふって移動・戦闘するシステムになっているが、やたらと作業的であり、ダラダラと遊べるが刺激らしい刺激や驚きは殆ど感じない。ゲームらしい刺激がホント薄くてあんまり面白いって感じないのはツラい(難易度自体はそこまでユルくない割に薄味に感じるから余計にタチが悪い)。もう一捻り二捻り深み・遊び応えのある要素はあっても良かった気がする。 《システム・ゲームバランス部分》 ・序盤は割とサクサク進むが、ちょっと進むとイベントクリアに必要なアイテム作成の要求素材数が劇的に増えるため、おんなじマップをひたすら何周もする事になり、イベントの発生頻度も一気に落ちてテンポは目に見えて悪くなる。長く遊べるって点ではプラスになり得るが、ちょっと要求数をインフレさせ過ぎて水増しになっちゃってる印象も。 ・操作でストレスを感じる事が多い。アプリからゲーム機への移植なのだが、出撃するキャラや精霊の選択画面ではアナログスティック操作だと斜めに入りやすくて操作がキャンセルされる誤動作が頻発してイライラ。RPGパートのフィールドにしても六角形マスの敷き詰めで構成されているが、思った通りにカーソルが動かなくてもどかしい思いをした。もうちょっとしっかり最適化してくれりゃな…。 ・仲間や精霊の種類は多いのだが、バトルパートにおいては何個かの決まったスキル(大抵どの属性で攻撃するか・どのパラメータを上げるかだけの違い)の組み合わせで終止しており、個性があるかっていうと別にそうでもない。 ・森とか海とか山とか色んな場所を冒険する割にはフィールドのギミックはどこもほぼ完全におんなじであり、ソレに気付くと余計に淡白に思えてしまうのである…(笑)。 《細かい快適性部分》 ・住民との会話イベントが発生した後は必ずマイホームの場所に戻される。そんな村が広いワケではないのだが、いちいち戻されるのは地味にストレスに感じる。その場から再開じゃダメだったんスか? |
感想なようだ。 |
『聖剣伝説レジェンドオブマナ』や『マジカルバケーション』を開発したスタッフが興したブラウニーズの自社製ソフト第1作の家庭用ゲーム機向け移植。作りとしてはフィールドをうろついて敵と戦ったりアイテムを集めたりするRPGパートと、住民との交流やアイテム作成を行う簡易『どうぶつの森』的な村での生活パートで成り立っていて、両者を交互に行き来してシナリオを進めていく内容。 亀岡慎一氏によるグラフィックや下村陽子氏のサウンドによって彩られた牧歌的な雰囲気は良い。過去作(主に聖剣伝説LOM、グラはマジバケも)をほぼ踏襲したテイストで本作独自の…って感じではないが、クオリティは大安定って感じか。 一方、ゲームの作りとしてはそこまでオリジナリティがあるかっていうと別にそんな感じでもなく。元がスマホアプリだったせいもあろうが、基本的にはあくまで「課金要素の無いアプリゲー」の範疇に収まってる感じで、全体的に小粒で作業的な印象は否めず。 リリース前は結構期待してたんだけど、一言でいうと「雰囲気は良いけどゲームとしては全体的に薄い」。やっぱスマホアプリが元だと思いっきりそっちに引っ張られちゃうのかなァ?…という感じであり、正直肩透かしな部分が多かった印象。雰囲気・世界観・テキスト部分とかはバツグンに良い感じなのに、肝心のゲーム部分がどーも薄味で遊んでて刺激が足りない……。 できれば次回作は最初からゲーム機向けに作ってゲームボーイアドバンス版の『マジカルバケーション』並に骨太なRPGが遊びたいなァ。 |
掲載日:2023年12月19日
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