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おすそわけるメイドインワリオ
メーカー:任天堂
開発:任天堂企画制作本部、インテリジェントシステムズ
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2021年9月10日
価格:4980円
ジャンル:ミニゲーム集
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映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | 総合評価 |
8 | 8 | 7 | 9 | 7 | 8 | 74 |
ゲームをほめろ! |
・新規プチゲームは相変わらずおバカなモノ、コミカルなものが多く、クリア条件だけでなく見た目的にも面白いものが勢揃い。スタッフロールを見るからにプチゲームのイラストを描いてる方々がかなり増えた影響からか、現代的な絵柄の物からレトロな絵柄の物まで網羅しており、見た目にも面白いのは相変わらず。 ・最終的に20体にも増える性能が異なるキャラ達を使ってプチゲームをクリアしていくゲームシステムで、使うキャラごとによってゲームバランスや、プチゲームの攻略方法が変化するのが本作の最大の特徴。オービュロン・アシュリー辺りはどのプチゲームもクリアしやすかったりするものの、ナインボルト辺りはもはや意図的に難しくなるようなバランスになっていたり、これも良い意味で緊張感やメリハリが加わって面白かった。 ・『おすそわける』という名目通り、複数人でのみ遊べるミニゲームや独自のプチゲームの遊び方はそこそこ充実している。パーティゲームとしての側面がシリーズ中でも強めの内容になっており、全てのパーティ用モードをプレイしていけばかなり時間は潰せるかと。 ・前作(メイドインワリオゴージャス、レビューはこちら)でもあったトロフィーや実績に位置する『ミッション』も残っており、今回も奇妙奇天烈な遊び方をする事でクリア出来る物が多くてミッションをこなしていくのが楽しい。 ・現在、唯一のオンライン要素として、ワリオカップという独特のお題に沿った形でプチゲームをクリアしてハイスコアを狙っていくオンラインモードが用意されている。自分のスコアが世界中でどのランクに位置するのかを競う事が可能で、シンプルながらやり込み甲斐がある。 《評価には影響してないものの、小ネタ》 ・本来の遊び方ではないンですが、2つのコントローラーを一人で操作してプレイするのが意外に楽しい…(笑)。難易度は大きく跳ね上がるし人によっては虚しさも感じるであろう変なプレイスタイルなのは間違いないんですが、これまでのメイドインワリオシリーズとは別ゲー染みた面白さがあり、難易度の変動が一人プレイ時よりもさらに激しくなるので個人的には意外とおすすめの遊び方だったり…(笑)。 |
悪いところはどこ? |
・キャラのセリフが日本語ボイスなのは前作と変わらないが、本作はかけ声程度しか使われておらずアニメが流れている時にフルボイスで喋らなくなったのがちょっと物足りない。さらにプチゲーム前のストーリーの展開がかなりあっさりした物ばかりになり、前作ほどストーリーの面白さやヘンテコさが無い。さり気なく本作からの新キャラも幾つか登場してるんだけど、スポットライトはほとんど当てられず新規登場キャラはどういうキャラなのか分からない面子が多い。 ・キャラがプチゲームの中に入ってプレイするというシステム上、物理演算によるアクション的な要素が強いプチゲームの数が多めで似通った物が幾つかあるのは少し気になった。似通ったクリア条件のプチゲームが多く新規プチゲームを遊んでるはずが全体的に新鮮味を感じにくい。 ・キャラとプチゲームによってゲームバランスが大きく変動するのはもはやそういうゲームデザインなんだと割り切れるんだけども、組み合わせによってはプチゲームの攻略方法がまるっきり変わる物があり、初見では絶対にクリア出来ないようなプチゲームもかなり多い。特にオービュロン等は顕著で、独特の操作感があるせいで一部のプチゲームは他のキャラとは全く異なる攻略方法じゃないとクリア出来ないという物が存在していたり。プチゲーム図鑑で何度か練習してやっとクリア方法が分かる物もあるので、良くも悪くもある程度の前知識が必要な方向性のゲームに変化している。 ・前作の『ゴージャス』のボスゲームに難しい物が多かった反動からか、本作のボスゲームは逆にヌルい物が多く、さらにクリアまでにやたら時間がかかるものが増えた傾向があり、ボスゲームはどうもテンポが悪い。 ・前作の『チャレンジ』モードにあたる、クリア後に全てのプチゲームをミックスしてのモードが、本作では "ごちゃまぜ" "げきむず" "スリリング" くらいしか存在しない。前作まではあったワリウォッチやノンストップといったモードも存在せず、明らかに物足りないような…。上記2つ辺りはもちろんのこと、こっそりゲーマー辺りも入れられたんじゃないかと思うだけにこの点はかなり残念。 ・プチゲームを始めるためのキャラ使用数に最低でも3?5キャラを使う必要があるという制限があるのが地味に困る。個人的には"ごちゃまぜ"や"げきむず"辺りで、『ナインボルト(どのプチゲームでもクリア難易度が高くなりやすいキャラ)のみを使ってプレイ』といった遊び方がやりたかったんだけども、そういった遊び方は不可能。ストーリーモードの間だけならともかく、クリア後はもっと自由に使えるキャラ数を決めて遊べるようにしても良かったのではと思う。 《個人的な理由ながら、残念だった点》 ・『二人プレイが出来る』という触れ込みではあるものの、オンライン上で協力プレイが出来ないのはかなり残念。コンマ一秒の精密な判定を必要とするゲームなので実現出来なかったんでしょうかね…?ただ、協力プレイではなく交代でプチゲームをプレイするモードも用意されてるので、このモードだけでもオンライン同期プレイに対応してくれたら良かったんじゃないかなあとも思ったり…。 ・任天堂オタクとしてはジャンル『ニンテンドー』のプチゲームの総数が思ったより少ないのと、ファミコン世代からネタを引用したゲームが多めで最近の任天堂ゲームからの引用が少ないのは少し寂しかった(スプラトゥーン2とゼルダの伝説ブレスオブザワイルド、ファイアーエムブレム風花雪月からは一つずつ出てるんですが、逆に言えばその3つくらいしかナイ)。 |
感想を書いて! |
『マリオファミリー』や『ドンキーコングファミリー』といった任天堂のマリオ由来からのキャラ達とはまた別の集団でもある『メイドインワリオファミリー』もかなりの大世帯になってきているが、それら多数キャラが惜しみなく活用されきった内容のゲーム。合計で20体ものキャラをミニゲームによって使い分けていくので、まず見た目だけでも賑やかさが凄まじい事になってきている。 使用するキャラが常に入れ代わりメリハリがつくおかげで、シリーズ中でも難易度及び中毒性がかなり高い。何しろ、ランダムでキャラが選ばれてからプチゲームが始まるまでの猶予はほとんど無く、プチゲームの攻略法やキャラの操作感覚といった物が常に一新されるので、定石と言えるような攻略方法を頭に覚え込ませるのが大変なンです。 キャラによってはもはや失敗するのが難しいほど簡単なものから、これクリアさせる気あるのかYO!!?と疑いたくなるほど難しい難易度になるものまであるので、どのプチゲームもとにかく新鮮味をもって楽しめるのが特徴。メイドインワリオシリーズのこれまでのお約束が色々と打破されてるので、良くも悪くも別ゲーっぽい面白さを全体的に感じられた。 『プチゲームそのものの面白さ』だけなら最近のシリーズ中でもあまり面白くない部類と言い切れそうなんだけども、それを『複数キャラを使いこなしていく面白さ』と絡める事で面白さを発揮しているという、ある意味ではこれまでのメイドインワリオシリーズのプチゲームとは違う方向性の面白さになっている。 悪いところとしては、パーティゲームとしての要素がこれまで以上に強く強調された作りにはなっているものの、複数キャラを使い分ける必要がある事や、協力プレイ時は協力者がむしろ足枷になる事が多いこと、キャラとプチゲームによっては異様に難易度が高くなる事などが挙げられそう。 ある程度ゲームに慣れてる方々によるパーティゲームとしてならともかく、初心者向けのパーティゲームとして向いているのかというと微妙なラインなのでは…?という気も。プチゲームごとにキャラが毎回代わるという本作のシステムも初心者にとってはお手軽さとは程遠く、それこそ使えるキャラを完全に固定出来るようにするとか(現在でもステージによっては3キャラくらいまでに絞る事は出来るけど使える順番はランダムなので…)すればまだ初心者に対する配慮もマシになってたのではないかな…?と。ただまあ、思うようにクリア出来ず何度も失敗したとしても、普段から複数人でゲームをワイワイ楽しめる方々であれば問題ない範疇ではあると思います。 上記で挙げているパーティゲームとして物足りない部分に関しても、少しテコ入れするだけで改善出来る箇所もあるので、できればアップデートで追加要素を入れてパーティゲームとしても一人用ゲームとしても面白さを充実させてほしいところ。とは言うものの、今でも中毒性の高いメイドインワリオとして楽しめるのは間違いないので、従来のメイドインワリオシリーズが楽しめた人なら現時点で購入してもまず損はしないかと。 |
掲載日:2021年9月28日
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