縮緬遊戯堂 > レビューランド > ニンテンドースイッチ > ピクミン3デラックス

ピクミン3デラックス
メーカー:任天堂
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2020年10月31日
価格:5980円
ジャンル:シミュレーション(アクション)


広告(良かったら買ってくれぃ)
 
スイッチさん版

WiiU版

執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
9 7 6 5 8 5 6 73
プレイ時間…15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
やりましたね!素晴らしいです!
・初代ピクミンの時でも背景のオブジェクト等は実写かと見まごうような写実的な美しさだったが、ピクミン3でも写実的かつ滑らかなグラフィックの路線のまま進化していて見応えあり。明度と彩度が高めのグラフィックで、リアル志向だった従来作よりもどちらかというとゲーム的な色合いが強くなったが、敵の動きも細かく総じて言えば活き活きとした演出になったと思う。

・定められた一日の時間内に、多数いるピクミン達を操作してどのように進めるか計画・実行していくマルチタスクのアクションゲームとしてはやっぱりよく出来てるなあと感じた。ピクミン3では操作出来るキャラが3人に増えてる事もあり、複数の物事を同時進行していく事が大幅に増えたので、上級者は上級者なりに手際の良さを突き詰めて楽しめる。

・従来作では大型の敵に一気に30匹くらい喰われたり、黄ピクミン以外が電気を受けると即死になったりとケアレスミスがとんでもない大損害に繋がる事が多く、このストイックさが長所でも短所でもあったが、ピクミン3では一度の攻撃で死ぬピクミンの数がある程度設定されてる物が多く、多少のケアレスミスでも挽回が容易になったのは懐が広まって良かったと思う。いざとなれば時間を巻き戻してやり直す事も容易に行えるようになっているので、初心者に対する配慮はよく出来ていると思った。

・細かいながらも面白いなと思ったのが、ヨケ笛による回避行動。隊列にいるピクミンしか動かせないが、大型の敵からの範囲攻撃等を避けやすく、必須テクニックではなく上級テクニックの範囲に収まっているのも良かった点。

・ロード時間などはかなり少なめで、他エリアから他エリアへ何度もチェンジしても違和感なく移るし、特に気になる事なく快適にプレイ出来た。

《Switch版で追加された要素について》
・新しく敵図鑑が追加されたが、本作の主人公3人による解説に加えて、真面目に学名から解説するオリマーの解説と、ルーイの食べ方メモも読めるので、合計で5人からの解説を見る事が出来るのは面白かった。

・サイドストーリーとしてオリマーの冒険という、オリマーとルーイによる社畜日記のようなストーリーが追加されており、全てプレイすればボリュームはそこそこ増えてるかと。Wii Uの時は有料DLCだった追加されている方のミッションモードも搭載されてるので、本編とは別の副産物も遊べばボリュームはそこそこあると思う。
ヒィィッ!コレハマズイデス!!
・ストーリーモードのボリュームがピクミン2の時と比べても圧倒的に少ない。5種類のピクミンが揃って、さあこれから使い分けて攻略していくぞー…という所でストーリー上でのラスボスとの戦いになりエンディングに到達してしまうので、ストーリークリアだけではかなり拍子抜けした。果物を集めたりする等のやり込み要素や、サイドストーリー等もプレイすれば総合的なプレイ時間は増すとは思うが、水増し感が強くイマイチ白熱出来ない。

・収集する物が宇宙船のパーツやお宝ではなく、地球上に実在する果物に変わった事もあり、物を集める上でのコレクター欲だとかではかなり劣ったように感じた。ピクミン2の時は実在する企業製品とのコラボが登場したり、お宝や敵の解説も種類が多くて面白かったが、ピクミン3では本当にただの果物なので、集めていても果物なのに新鮮味がナイ。

・スティックで隊列全体を動かす操作が無くなったり、笛でピクミンを呼ぶ際は一瞬呼ぶだけでは反応してくれないだとか、細かな部分での操作変更は前作までをプレイしてる身としては気になった。ピクミン2まではピクミン操作のレスポンスが良すぎて、慣れないと細かな調整が難しいという難点もあったが、慣れると機敏なピクミンの操作が出来るのが魅力だったのでピクミン3でピクミンの操作がややモッサリ気味に変化したのは気になった。

・ピクミンの魅力の一つでもあった、ブラックな要素が薄まったのは残念。というか全体的に敵が弱く、そこそこ強い敵でも耐久力が無駄に高いばかりでトラウマ級の敵が減ったように思う。

《Switch版ならではの点について》
・対戦モードもネット対戦可能にしてくれれば良かったと思うんだけど、そういった追加要素もなく。オンライン上でランキングを見る事は出来るが、それくらいしかオンライン要素はないので張り合いが無い。

・新しく追加されたサイドストーリーの多くではメインストーリーで使われているマップを流用しており、敵の配置やクリア目的が異なる程度でこれまた新鮮味が薄い。

・敵図鑑に載っている前作に登場した敵のオリマーとルーイの説明文は前作と全く同じ文章になっており、これもただ使い回してるだけなのも如何なものかと。せめて一言だけでも補足を足すとか…。
感想を振り返りましょう。
 前作にあたるピクミン2が傑作と言える内容で、自分にとっても思い入れが深い内容だったので比べてしまう点が多くなってしまいましたが予めご了承を…。初心者の方への配慮は行き届いている内容で、ピクミンらしく集団を操作して攻略していくのは据え置きなので、根本的な部分だけで言えば前作までと大して変わってないと思う。

 ピクミン3から目立ち始めた押し付け感の強い操作性やブラック要素が薄くなった部分等は好みの別れる部分かとは思うが、ストーリーの短さに関しては率直にいただけないところ。5色揃ってさあここからが本番になりそう…という所でストーリーは終わり、後はやり込み要素やチャレンジモードを基本にプレイしてね!となってしまうのはかなり肩透かしを喰らうかと。やり込み要素も含めればボリュームはそこそこあるんだけども、全体的な敵&収集物の物量の少なさが辛く、無理に物量だけ増やされても目新しさに欠ける物ばかりで、やり込みプレイをしようという意欲も湧きにくくなるのではと思った。新規追加要素も使い回しが多く、水増し感がこれまた強いせいで正直言ってDELUXEの名を冠すほど豪華な内容ではないように感じた。

 他のゲームとは違ってピクミンの世界観なら続編のストーリーを作るのは容易だと思うので(なんなら、ピクミン2の時のようにオリマーの社長がまた借金作ってしまったからもう一度お宝を集めてこいとか、ほぼ同じ展開になってもピクミンの世界観ならそこまでおかしくない気もするし)、ピクミン2と同じく自動生成される洞穴に潜るとか、色んな敵と戦う&お宝を集めるとか、そういった意味でバリエーション豊かな内容のピクミン4が次は遊びたいなァと思うところ。

掲載日:2020年11月17日


WiiU版のレビューはこちら


縮緬遊戯堂 > レビューランド > ニンテンドースイッチ > ピクミン3デラックス