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ピクミン4
メーカー:任天堂
開発:任天堂企画制作本部、エイティング
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2023年7月21日
価格:6578円
ジャンル:シミュレーション


広告(良かったら買ってくれぃ)

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
8 9 7 7 9 8 83
プレイ時間…20〜30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いですね。凄いです(コリー隊員風に)
・近年になって『ダンドリの効率化を突き詰めるゲーム』って感じで宣伝されるようにもなったが、別の言い方をすれば『作業が楽しいタイプの作業ゲー』とも言えるカモ。ちまちまジワジワと道を作ったりジャマな物をどけたりアイテムを集めるのが楽しい作りなのは従来通り。

・発売前の任天堂HPのインタビューにも載っていたが、スコアアタック優先の『1』路線とボリューム満載の『2』路線のハイブリット的な作りで間口も広いように思える。個人的には制限が多くて要素もギュッと絞った精進料理的な作りだった『1』や『3』よりも、チヤホヤとゲーム側から接待してくれて単純な物量も多くて比較的ユルめだった『2』の方が断然好きだったのだが、ちゃんと『2』が好みのユーザでも楽しめるバランスになっていると感じる。

・プレイヤーのカスタマイズ・育成要素とかも増え、単純な物量部分もかなり底上げされている。過去作(特に要素を意図的に絞ったと思われる1と3)に比べると、ボリュームもしっかり確保されている印象。『2』のような収集要素が復活したのも良し(味のある収集物の説明テキストも込みでな)。

・巻き戻し機能が搭載され、操作ミスで大事故が起こった時とか気軽にやり直せるのはありがたい。
ダメではないか!(シェパード隊長風に)
・ロードの頻度が高い&1回あたりの時間も長い。ゲーム開始時・1日の終わり・マップの切り替えの度に結構な時間待たされる。1回あたりの待ち時間も数秒じゃなくかなり長いのがジミにストレスに感じる。とりあえずピクミンシリーズではワーストクラス。内製エンジンじゃなくてヨソのミドルエンジン(Unreal Engine)使ってんのが影響してんのかなァ?いずれにせよロード周りでは快適な作りの事が多い任天堂内製ゲーとしてはかなりストレスを覚える部分ではある。もうちょい頑張って欲しかった。

・色々と追加要素もあるにはあるが、全体としてはバージョンアップ版的な色合いも強く、久しぶりの完全新作の割にはそんな新鮮味は無いかな、と。

・一度に連れて行ける色が3色限定だったり、初期の連れ歩ける数が少なめだったり、過去作よりも制限がキツくて自由な運用がしにくいのは少々気になる。
フフフ…感想なのだよ(科学者ラッセル風に)
 間に派生作とか移植とか出てたので実際はそんなに間隔が開いた印象もナイのだが、完全新作としては『ピクミン』シリーズの約10年ぶりの新作で4作目。

 ナンバリングが付いてるので「コレ続編モノ?」と思えたりするかもしれんが、実際にはストーリーとかは続き物ではないし(=いっつもピーチ姫がクッパにさらわれる『マリオ』みたいなモン)色々便利な機能も備えており、未経験者でもしっかり楽しめる内容とは思いますぞ。事前のスタッフの宣伝通り、要素を絞ってスコアアタック的色合いの濃い『1』・『3』、豪華で物量のあった『2』のハイブリットな作りになってるんで、シリーズ過去作のどれかでお気に入りがあれば恐らく楽しめるハズ。
 一方で気になるのは過去作よりかなり悪化してしまったロードの多さ&長さ。結構頻繁に待たされるんで、スコアアタックで繰り返し遊ぶ色合いが濃い本作ではかなりストレスを感じるのは残念。んー、『ゼルダ ブレスオブザワイルド』みたいに更新でもうちょい短くなんねえかなァ?

掲載日:2023年7月25日
更新日:2024年7月16日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 7 7 8 8 8 7 80
プレイ時間…40時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ワンッ!(良いところ)
・基本的なゲームの流れは歴代ピクミンシリーズと同じで、無印&3と違って日数制限もないのでゲーム的な縛りが設けられていないのはポイント。ゲーム全体を通して拠点となる場所では救助したNPCとの交流やスキル開発などの育成要素もあり、時間に追われる事なくマイペースに攻略していける懐の深さが特徴的。

・新しい原生生物やキャラクターも増えているが、その中でも主人公の頼れる相棒、宇宙犬オッチンの存在感は特に凄い。オッチン操作時はオッチンの背中に全てのピクミンが乗るため(※100匹乗っても大丈夫!)、過去作のように大量のピクミンを連れていても隊列がバラけず一纏まりになるのが非常に優秀。低めのジャンプも可能でオッチンのアクションを前提としたステージも多く、見た目の可愛らしさと新しいゲーム性を両立させた良い新キャラクターだと感じた。

・ストーリーモードでは普段のお宝収集や地下洞窟探索などに加えて、夜の探索やダンドリバトル&ダンドリチャレンジなどが用意されている。ダンドリチャレンジは従来作のチャレンジモードに近いゲームモードで、単純なクリアそのもののハードルはそこまで高くないものの、ゴールドランクやプラチナランクといった高評価を狙おうとすると途端に難しくなる丁度良いバランス。

・本作は難易度的にもそこそこ難しい部類だと思うが、それ以上に初心者向けの救済措置が充実している印象。夜の探索やダンドリチャレンジなどがクリア出来なくてもスキップできる機能が存在するほか、少し前の時間までゲームを巻き戻せる巻き戻し機能システムも中々に便利。本作も敵の種類によっては初見殺しな特徴を持つものもいるので、うっかり大量にピクミンを失った時などには役立つかも。強引な救済措置だと感じる部分もあるが、ゲームに慣れていない人向けの救済措置としてはまあいいのかもしれない。
クゥン…(悪いところ)
・ロード時間の長さや、会話の中で選択肢を選ぶ際のレスポンスの悪さなど、細かい部分の快適性が少し悪い。ゲームプレイの多数時間を占めるというほどではないが、過去作が快適だっただけに相対的に気になったところ。

・お宝&生物図鑑、ストーリー展開、BGM、ダンジョンの構造、ボス戦の攻略方法など、過去作からリメイクされたり流用されているものが幾つかある。ファンサービス的な面もあると思うが、従来作のプレイヤーからすれば先が予測可能なせいで斬新さが物足りなく感じることも。入手出来るお宝も全く同一の品が別のエリアでまた出現する事もあり、新発見の喜びがピクミン2の頃よりも薄い。

・ゲーム開始時ではピクミンを上限の100匹までフィールド上に出す事が出来ず、ガーリップを集めないと上限数が増えない仕様。この制約で前半はピクミンの効率的なやりくりが必要になるので面白さに繋がってる点もあるものの、前作までは最初から100匹以上、フィールド上でも4種類以上のピクミンを連れて歩けたので、窮屈さも感じた。

・行えるアクションの種類が増えたのは良い一方で、アクションの実行までの操作が一手間かかるものが増えたのはやや面倒。十字キーにショートカットが割り振れるので『キリカエ』『ゲキカラスプレー』『全カイサン』『ヒマジン笛』辺りを割り振れば最低限の便利さは確保できるのですが…。

・過去作から登場したボスの対戦は面白い一方で、4からの新ボスは弱めであまり面白くない。過去作のボスは一瞬で大量のピクミンを絶命させる攻撃が多いのに対して、新ボスは予め幾つかのプロセスを踏まえてからピクミンを倒しに来るので、あまり危険性を感じにくい。

・ピクミンを投げる場所がフリーエイムではなく、敵やオブジェクトの何かしらの位置を参照してロックオンされるせいでピクミンを狙ったところに投げ辛い事がある。敵の移動場所を先読みして投げるといったテクニックがやり辛く、後半の一部の敵相手には妙に苦戦する。

・オッチンが優秀すぎて主人公とピクミンに幅を利かせすぎていると感じるところも。オッチンは序盤はそこそこ強い程度の犬だが、ゲームが進むにつれて基本性能が凄まじく高くなり強化次第ではオッチンも属性耐性が得られるので、後半になるほど赤ピクミンや白ピクミンなど一部のピクミンの立場が薄くなってくる。

・主人公を操作している際はピクミン3で無くなっていたスティック操作による隊列操作が可能になっているが、このアクションが使えるのはゲーム後半からなので最序盤から使えても良かったのではと思うところも。移動速度もそこまで機敏でもないので、主人公操作で隊列操作をするよりもオッチンにピクミンを背負わせておくほうが安牌になるのも残念。回避技として優秀だったピクミン3のヨケ笛が無くなっているのも向かい風に。ヨケ笛はアクロバティックな動きが出来て結構好きだったんですが…。

・ピクミン2の時は回収出来るお宝として実在する工業製品が幾つも登場していたが、本作では任天堂関係の製品が幾つかある程度で他社製品のお宝は存在しない。ピクミン2のスタッフロールでは企業名がズラーッと並んでいて印象的だったが、本作ではそれらしき表示も無いので、他社製品コラボは完全に無くなった模様。これはピクミン2をSwitchに移植する際にも変更があったようなので、近年の権利関係の問題だと思われるが……。独自の世界観の掘り下げにも繋がっていたので、あれば嬉しかったかなと。
ワンワンッ!(コメントです)
 過去作をプレイしていると見覚えのある仕様がかなり多いものの、堅実ないつも通りの面白さを感じられた。タワーディフェンスゲームのような面白さがある夜の探索や高ランクを目指すと難易度が高まるダンドリチャレンジなど、通常の本編とは色合いの異なるゲームモードがオマケだけでなく本編に幾つか取り入れられているのも面白い点。

 ピクミン4の新要素といえばオッチンの存在感や優秀さが語られがちだが、オッチンだけでなく新ピクミンである氷ピクミンとヒカリピクミンもかなり優秀。氷ピクミンは攻撃力が低い点が短所なものの敵や水辺を凍らせる性能が優秀で、ヒカリピクミンは特定の状況下でしか使えないが全ての属性耐性が備わった対応力の高さが便利。もちろん雑に扱いすぎれば敵に負ける事もあるので、プレイヤーに新しい攻略性を楽しませてくれる良い存在だったと思う。

 覚えることや行える行動の手段はシリーズ中でも多い方で、まさにダンドリ力が試されるシーンも多い。それでいて初心者向けの救済措置もあり、ピクミンシリーズを一度もプレイした事がない人にもオススメしやすい部類。

掲載日:2023年8月1日


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