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ゼノブレイド3
メーカー:任天堂
開発:モノリスソフト
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2022年7月29日
価格:8778円
ジャンル:RPG
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映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 9 | 6 | 7 | 7 | 10 | 5 | 73 |
良いも。最高だも!(ノポン族風に) |
《ボリューム》 ・ゼノブレイドと言えばボリューム感。このシリーズの伝統通りと言えるが、物量面は今回も非常に充実している印象で、どっぷり遊ぶ事ができるであろう圧倒的なボリュームは健在と言った感じ。本筋のストーリーだけ追っていくのも勿体ないんで、時間が許すならばあちこち寄り道してみるのを推奨したい。 《システム・バランス面》 ・RPGと言うと「イベント画面では全員いるのに実際に戦闘に参加するのは3〜4人だけで残りの人はどこいった?」ってなりがちだったのだが、本作はメインキャラ6名がしっかり全員参加する。↓で挙げた通り異様にゴチャゴチャして状況を把握しづらいのがキツいのだが、コレはコレで味はある。 ・前作2は戦闘システムを中心に難解であり、説明が絶望的なまでに不足していたが、今回はその辺のチュートリアルはしっかりしている。ゴチャゴチャしていて難解な所はなんら変わらず理解しにくいのだが、まぁその辺はもはや「こういう作風なんで仕方なくて難解さを楽しむ」って捉えた方が吉かも(笑)。 ・デフォルトで戦闘の難易度設定ができるようになったので、腕前や好みに合わせて調整できるようになったのは良いと思う。任意のタイミングで変えられるので、普段はノーマルで遊び、何度も突っかかって進めない場面のみユルくする…等も可能。 《快適性》 ・マップが広い割にはロード時間は短く、それほどストレスを感じない作りなのは、イベントなどで結構あちこち移動する事もあり、有り難い作りと言える。エリアが変わる部分では多少待たされるが、同一のエリアでのワープ移動なら4〜5秒以下で済むのでまぁ快適な部類か。 ・やたらめったらフィールドが広くて迷いやすいとも言えるが、ソレを考慮してかナビゲート関連の機能が充実しており、ストレスに感じる場合はONにして遊べば方向オンチのプレイヤーさんでも安心。デフォルトだとOFFになっているが、あえてあっちこっちをウロついて広いフィールドを堪能するのもこのシリーズの面白さかな、と。 《グラフィック・サウンド・演出部分》 ・BGMは相変わらず良い出来。今回は和風のテイスト強め。 ・広さを感じるフィールドが多く、探索の楽しみがあるのは◎。 《シナリオ》 ・↓で書く通り、ブッ飛んでる基本設定・世界観は想像も共感もしづらいものの、ファンタジー・SFとしてはユニーク・奇抜であり、先が読めないって点でワクワク感は相応にあるかな、と。共感はしにくいがワクワク感そのものはあるって意味で。 ・シナリオのテイストは前作2は海外のレビューで「日本のオタクアニメくさくて正直サムい」とか色々叩かれていてわしも大体同じように感じたものだが、今回は幾分軽減されたかな…と言う印象ではある(前作『2』はギャグシーンを中心に世界観を崩すような蛇足な描写が非常に多くて個人的には好みでなかった)。アニメに興味の無いわしとしてはあんまり味付けがアニメアニメしとるとゲンナリするんで、本作程度に留めてもらった方が有り難い。 |
駄目なんだも!(ノポン族風に) |
《システム・バランス面(戦闘部分)》 ・直感的から程遠くてやたらと難解な戦闘システムは今回も同じ。説明が充実している分だけ前作よりはマシだが、その分だけ必然的に説明を読む時間は長くなる欠点も(戦闘を理解する過程はもはや、「全く専門外の何に使うかワカラン機器の取扱説明書と睨めっこしている感覚」に近い)。システムとして「深い」事はゲームとしては面白さに繋がる要素とは思える一方、「分かりにくい」に関しては改善の余地は相当あるだろうな、とも。 ・前作2(=実質3人パーティだが2人が1セットで味方だけで6人)の時点で敵味方がごっちゃ混ぜで大変だったのだが、今作はメイン6人+おまけ1人パーティで入り乱れ、バフ/デバフの効果範囲を示すサークルだの技自体のエフェクトも相まってシリーズ中ワーストクラスに状況とか把握しづらいのが難点。敵との向きで効果が変わる技が多いが、このカオスな戦闘のお陰で視認して発動するのは結構困難(開発側も認識しているのか、敵の向きを示すアイコンはあるがソレ以前に根本的に見辛くない方向でデザインして欲しかったな、と)。 ・クラスの概念があってキャラの特性が人物固有のものではなく、皆同じとなりがちで武器も使用感も頻繁にコロコロ変わるため個性を感じづらい作り。メンバーの没個性的な性能・育てば皆大体同じ性能って欠点は『ドラゴンクエスト』(6・7)に近いかなと思う。 ・序盤の戦闘はパーティ人数の少なさや攻撃力の低さからなかなか敵を減らせず、見ているだけの時間が長くもっさり気味で損をしている印象(他RPGにおける「戦う」コマンドに相当するオートアタックは自動であり、敵の硬さは6人前提のまま設定しとるっぽい感じ故)。要素が揃った後でも変身とかチェインとかありきでメータが貯まるまではチマチマ殴り続ける必要があり、正直な所、敵の硬さばっかり目立ってテンポの悪さが気になってしまう。 《快適性》 ・同一エリア内のロードは至って速いのだが、他エリアへ飛ぶと10〜20秒クラスの読み込みが入る。クエストとかでちょくちょくモノ探しで動き回る事になるんで、もうちょっと快適なら嬉しかったのだが。 《グラフィック・サウンド・演出部分》 ・全身の防具があって見た目にも反映された『1』ではなく、アクセサリー数点のみの『2』と同様だったのは残念。好きだったんだがなー、「シリアスな場面で変な格好しとる」的なの(←オイ)。 《シナリオ》 ・↑で露骨なアニメくさいノリは減った…と書いたが、独自の用語が多めとか回りくどい中2的なセリフが依然多めとか、相応に残ってる感じでもある。『1』に回帰ってよりはあくまで『露骨なアニメ的表現は減らした2』って感じ、とも(シナリオ書いてるのがアニメ畑の人だから抑えようとしても自然にそうなっちまうのかな、とは思うが)。露骨さは減ったが相応にアニメ・ラノベくさい薄っぺらさはある。あと、ネタバレに繋がりそうなんで書くのは控えるが、ベースとなる世界観・設定がブットビ過ぎてて登場人物への共感とか背景の想像とかがしづらく、置いてけぼり感は強め。それでいて根っこの設定が奇抜な割には、個々の要素は昔流行った物の切り貼り的な薄っぺらさがあり、どっか色々既視感がある(進撃の巨人っぽいとかエヴァンゲリオンっぽいとか)。新鮮さ・意外性を味わえるかって言うと正直そうでもナイ。 ・かなりムービーが多かった過去作(特に直接の前作である『2』)と比べてもムービーの頻度がやたらと高い。ちょっと進む→数分のムービー→ちょっと進む→またムービー…ってなりがちでコントローラを置いて見てるだけの時間が長過ぎる。ある意味では昔のスクウェアのゲーム(本作の監督である高橋哲哉氏が所属していた頃の末期の作風)とかゼノサーガ(高橋氏がスクウェアから独立した直後のゲーム)に近い感じではあるが、正直テンポはよろしくない。サブイベントの類もわざわざムービーが挟まる事が多いが、移動中のセリフだけの掛け合いでも十分なケースも目立つ気がする。まさか2022年にもなってPS1〜2時代のスクウェアのムービーゲー的作風に回帰するとは思わんかったが…。もうちょっと「ムービー垂れ流し」に依存せず、ゲーム部分でシナリオを自然に見せる工夫って今どき出来んモンですか…?回想シーンもちゃんと操作できる、とかさ…(苦笑) ・敵方の幹部が思いっきり小物だらけで「敵側にも相応の戦う理由がある」的な深みは皆無なのが残念。勧善懲悪に振り切った作りで、さながら「SF風味の水戸黄門」とでも言える感じになっちまってる気も。その分シンプルな作りではあるのだが、表現そのものは必要以上に回りくどくて理解しにくいゆえ、水戸黄門チックなスッキリ感とは程遠い気も。言うなれば「分かりにくくて共感しづらいSF風味の水戸黄門」ですね!(←なんちゅー例えだ) ・昔のJ-RPGでよくあったご都合主義的展開が散見される。「戦闘で圧勝したのにイベントが始まるとボコボコにした筈のボスに逆圧倒される」とか遊んでて白けて仕方ナイんで、できればそんな安っぽい悪しき伝統とか踏襲しないで欲しかった所だが。 ・過去作から一部の登場人物とか用語とか続投させているのだが、なんでそのキャラだけ生き残ってるかとか説明不足感・ムリヤリなツギハギ感が強い。ファンサービス狙いで半端な内容になるくらいだったら、素直に世界観とか一新しても良かったと思うが。 |
感想だも(ノポン族風に) |
ゼノブレイド本編の3作目(若干毛色の違うクロス込みだと4作目)。 前作『2』はシステム部分における不親切さが際立っていたが、今回の『3』はその部分は多少軽減されたかな、と。このシリーズで不足しがちだった説明だとかアシスト機能が付いたのは良かったと思う。また、キャラデザインやシナリオだとかもアニメ・少年マンガ的だった『2』寄りとは思うが(実際イラストレーターが続投しているし)、エロとかメタ的なギャグとか世界観を壊すような露骨なサムい描写は減ったのは個人的には良かった(まぁ良かったってよか、最初からそんな事すんなって話ですがネ)。 ムービーゲー的なデザインだとかシステムのごちゃごちゃカオス感は据え置きかむしろ悪化しとるようにも思える点は正直微妙だが、まぁムービー過多な部分は置いといて、ごちゃごちゃカオスシステムは前作よりはだいぶフォロー要素も増えてフレンドリーになった感じなんで、欠点と捉えるよりは割り切って「ここのチームはこういう作風なんだな」って難解さをマイペースに少しづつ噛み締めて楽しむが吉だと思う。 とは言え、結局の所は今回も「1作目はマグレ当たりだったかなァ…?」って思えるような作りであり、物足りなさも強い。全体としては2作目の『クロス』みたいに開発元のモノリスソフトが好き勝手に作ったって内容に感じるが、個人的にはもうちょっと『1』のように任天堂側でブレーキ役・バランサーの編集者的な位置付けのディレクター(1作目で言えば任天堂の山上氏・服部氏みたいな総監督のモノリス高橋氏にブレーキ掛けられる人ね)を配置してガンガン口出しして欲しいなァ…って感じるな。モノリスってどうしてもロボットアニメとかオタク御用達のアニメ作品風な味付けの描写に暴走したり、遊ぶ側への配慮が足らんシステム作ったりしがちなんで、そこんとこを任天堂がちゃんとフォローした方が完成度の向上が見込めると思うのだが。 |
掲載日:2022年8月2日
更新日:2022年11月8日
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