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イースVIII
ラクリモサ・オブ・ダーナ

メーカー:日本一ソフトウェア
原作:日本ファルコム
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2018年6月28日
価格:6980円
ジャンル:アクションRPG


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VITA版 PS4版

スイッチさん版

執筆: アルツ社長  (プチレビュー)

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
5 7 6 6 6 8 5 63
プレイ時間…15〜20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかでごわす。
《ゲームバランス・ボリューム》
・アクションRPGとしてキャラの挙動自体は素早く動けてストレスは少ない方だと思う。使うボタンは多いがシステム自体はかなりシンプルにまとまっており、実質シリーズ未経験って言っていい程間が空いたわしでも、それほど苦労せずに馴染めたのは◎(慣れが要らん程に直感的ってワケでもないが。遊んでりゃ慣れる、程度で)。

・難易度が幅広く用意されており、アクションが苦手な人から歴戦の猛者まで自分のウデに合わせて遊べるであろう配慮がなされている点は良し。

・プレイ時間が十数時間の範囲ではまだまだ序盤っぽい雰囲気。シナリオ本編だけで結構なボリュームはありそう。

《システム・快適性》
・セーブがどこでもできて掛かる時間も短いため、殆ど待たずに気軽にセーブできる点は良し。セーブデータ数も多いのも場面ごとにデータを残しやすくて便利。

・元となったVita版はロードが長かったようだが、移植の本作はそれほどストレスは感じない長さではあった。頻度は正直多いんで、快適そのものと言いたくはないが…(笑)。

《演出》
・BGMはそれほど重厚さは感じないものの、場面には合ってる感じではある。

・かなり前に出たゲームの移植って事でグラフィックのレベルは高くはないと思うが、「特定の箇所だけ良い出来」とか「目立って酷い所がチラホラある」みたいなムラは無く、中の下〜下の上レベルでまとまってるためか違和感は少なく、目は慣れやすい。言ってしまえば、フツーに数世代前のゲーム機で昔の作品を引っ張り出して遊んどる感覚に近い気はする、良くも悪くも(感覚としてはPS2辺りの作品辺りに)。
おーの、イカンぜよ〜。
《システム・快適性・バランス》
・特定の敵を捕捉するロックオン機能があるのだが、コレが変なクセがあって非常にイライラする。何故か勝手にロックオンが他の敵に移るため、攻撃したい対象が勝手に視点の外に出てしまったり。ボスを攻撃したいのに勝手に他の雑魚に切り替わったり、不便な事この上ない。この要素に起因するイライラに関しては、「勝手にZ注目が他の敵に移動しまくる3Dゼルダがあったら…」と考えていただくと分かりやすいかと思う。

・操作キャラの挙動自体はサクサク動く方だと思うが、爽快感があるかっていうと正直そうでもない。プレイヤーに対してのフィードバックが無いモンだから、攻撃が当たってるかどうかの手応えが無くてスカスカなのが原因じゃないかね?また、戦闘が単純な作業になりやすく、どんな敵が出ても立ち回りはそれほど変わらないため単調な印象。

・マップはあるにはあるが目的地や現在地が分かりづらい。似た地形だらけでメリハリが無い、そのクセやたらグルグルと入り組んだ地形が多く、頻繁に迷ってしまった。やたらマップのパーツが細切れで、頻繁にロードが挟まるのも×。

・UIのアイコン等の文字が小さ過ぎるのも前時代的。TVで遊んでもしんどいし、携帯モードだとアリンコ過ぎて絶望的に見えない。だからー、プレイヤーの多くはね、大画面のPCのモニタにかりじついて作業しとるであろう開発者とは違うんだってば…。言われなきゃワカランもんかなァ、コレ…(笑)。

《シナリオ・テキスト部分》
・シナリオは全体的に薄味&ご都合主義全開でムリが多く、その割には妙に回りくどくてテンポは良くない印象。イベントでは何故か主人公がやたらめったら持ち上げられるが、そこまでの信頼を得られるに至る説得力のある描写が皆無なまま色んな人物から「凄い凄い」と持ち上げられるため、プレイヤー視点では「え?なんで?」となりやすいよーな…。

・RPGでは割と多いが、キャラのやり取りが変にアニメチックでサムいシーンとか露骨なエロシーンで釣る場面が妙に多め(個人的にはどーもニガテで受け入れ難いテイストではある…)。会話シーンとかはそこそこ多いと思うが、別に重要でもないネタをダラダラと水増しして話すためダレやすい。

・何十年も続くシリーズなんで、どうしても途中からは入りにくい。プレイヤーが作中で説明されない諸々の設定を把握しているのが前提っぽい描写もあり、ところどころ(特に根幹部分の設定等)で「ハァ?」と置いてけぼりになるのが難点。まぁシナリオが薄味であり、理解できなくてもそれほど支障が無いのは助かるが。

《グラフィック・サウンド》
・数年前のゲームの移植って事で、スイッチさんのゲームとしてはやはりグラフィックのレベルはショボい。わしゃグラフィックをそれほど重視しないニンテンダーなんで、そんなに神経質に感じる方でも無いとは思うが、キャラのモデリングだとかモーションの安っぽさだとかはどうしても気になってしまう(もっとも、古い機種からの移植モノでも気にならん物は全く気にならんタチなんで、単に作る側の力量・見せ方の問題な気もする)。水などの自然の表現だとかも明らかにショボい印象。イベントにおけるキャラの表情のエフェクトとかも、変にアニメアニメしてて浮いとる感じ。イベントにしても暗転で場面を繋ぐケースが大半で、低予算っぷりが浮き出ている印象ではある。もうちょっと巧く誤魔化して欲しかった。フィールドにしても、「低い段差なのになぜか通れない透明な壁」的な作りの部分が多いのはやや興醒め。

・キャラが新登場する度にキャラ名の脇に「CV:〜〜〜」って声優の名前がでかでかと載るんだが、ソレって果たして必要ですか?「声優の○○さんが演じている」なんてのは、別にゲームのシナリオを楽しむのに要る情報とも思わんが…。ってか、逆にシナリオへの没入感を返って阻害するんでやめて欲しいと思った。エンディングのスタッフロールの所で一括でキャストを紹介すれば、それで良くないスか?
感想なりよ。
 スイッチさんのタダ飯キャンペーンで遊べたので、遊んでみた次第。個人的にはPCエンジンとかスーファミのイース以来、25年以上を経てのイースシリーズとの再会である。なお、タダ飯キャンペーンで遊んだだけであり、クリアまでは行けなかったんでプチレビュー枠で。

 …のだが、わしゃニンテンダーであり、元から任天堂と縁の皆無な&対極的な位置付けにありそーな日本ファルコムのゲームってのは相性が良くないようで、どーも遊んでて純粋に「古臭さ」・「薄さ」・「こじんまり感」ばっかり感じてしまい、面白いって思える場面が少なかった印象。操作回りの細かいストレス要素の多さもソレに拍車を掛けている。
 世間様の評価をアレコレ眺めてた感じ、割合「アクションRPGの神ゲー!傑作!」的な声が多いとは思えたのだが、実際に遊んで見た感じだとわしとしては精々凡作レベルに思えた。別に駄作・クソゲーとも思わんし、そこそこレベルで巧くまとまってる感はあるものの、全体としては「ん〜〜、この程度か?」って印象だったり。

 とりあえず、レビューサイト等でよく言及され比較されてるように感じられる『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』や『ゼノブレイド』みたいな超傑作と肩を並べるレベルにゃ程遠いように感じられた。要素の取捨選択がヘタで、まとまりが悪いのが痛い。「とりあえず流行った要素は放り込んでみました!」止まりで「じっくり煮詰めてないモンだから水っぽくて妙に薄い」…でしかないように感じられる、と申すか。数年前の作品の移植でフルプライスってのも割が悪いように思う(わしゃタダ飯キャンペーンで遊んだんで値段に関しては文句言えないケド)。

 んー。ちょっと世間様の評価に乗せられたかなァ。「へぇ、名作なのねー、ワクワク!」って遊ぶ前にハードルを上げ過ぎたかもしれんね。わしの悪いクセだな…(苦笑)。

掲載日:2021年5月25日


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