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ゼルダの伝説 知恵のかりもの
メーカー:任天堂
開発:任天堂企画制作本部、グレッゾ
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2024年9月26日
価格:7678円
ジャンル:アクションRPG
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![]() 通常版 |
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 9 | 7 | 9 | 8 | 7 | 8 | 83 |
最高でやんす。 |
<難易度・バランス> ・見下ろし型の2Dゼルダだが、操作キャラがリンクではなくゼルダって事で、武器でガンガン攻めるよりは何かを召喚して任せたりいなしたり…ってのがメインになるため、プレイ感覚はゼルダっぽさを残しつつもだいぶ別物になってるって点で新鮮である(一応リンクっぽい剣や弓矢で戦える機能もあるが、制限時間が非常に厳しいため常用はできない)。グラフィックだとか素材は同じグレッゾ開発の『夢をみる島』リメイクがベースになっているが、モノを使い分けて凌いでいくって点でタワーバトルシミュレーションっぽさも感じたり。 ・謎解きや戦闘の自由度が高く、結構力押しできたりするのも楽しいポイント。オクタロックを大量召喚して岩の雨を降らせたり、ゴツいタートナックを召喚して敵との戦闘を丸投げしてゼルダ自身は端ッコの方でベッドで寝てHPを回復とかできたり、結構なムチャも可能なのが面白い。↑で「ゼルダなんでガンガン戦えない」とは書いたのだけども、別な方法でゴリゴリの力押しも結構可能だったり。あくまでスマートに立ち回るのも、力押しでガンガンやるのも可能なバランスなのは懐が深くてよろしい点かと。 ・近年のゼルダはそこそこユル目のバランスである事が多かったが、本作はシナリオ上で必須と思われる箇所でもところどころ妙にハードなバランス取りになってるようにも思える。悪く言うと「見た目ほどシンプルじゃない」となるが、良く言えば「見た目に反してやたらと骨太な作りである」とも言えそう(笑)。 <快適性部分> ・割と頻繁にファストトラベルできる場所があるため、移動でストレスを感じにくい点は◎。 ・ゲーム再開時のロード時間は同じSwitchの2Dゼルダである『夢をみる島』リメイクより短くなってるかなァという印象。 <グラフィック・サウンド・演出部分> ・グラフィックやサウンドは超絶豪華~~って路線では無いが、ジオラマチックなデフォルメ具合が可愛かったり演奏の構成が少なめでメロディラインが明確で素朴な良さがあったり。コレ自体はリメイク版『夢島』の延長上なんで思った程は新鮮味は感じないが、仕上がりそのものは良好で良い雰囲気は出ている。 ・いつものゼルダ同様、やたらと濃いデザイン・どっか変なキャラが多くて愛着が持てる作りではある(←褒め言葉ね)。 |
ダメでありんす。 |
<操作性・快適性部分> ・『ティアーズオブザキングダム』でも感じた事だが、本作のモノの選択も1列に大量のモノがずらーーーっと並んで選択に時間が掛かり、あんまりスマートとは言い難いのは残念。敵とか家具とかジャンルごとに分けてくれた方が良かったなァ…とも。この辺はまだ改善の余地があるかねーと思った。この辺りの操作は複数のボタンの同時押しとか要求されるんで、ユル目の見た目ほどはシンプルな内容ではない(ゲーム慣れしてない人にはちょっとしんどいカモ…って意味で)。 ・家の中やダンジョン→外のフィールドへ移動時の読み込みは4~5秒程掛かり、ちょっと気になるレベルかなと。 <難易度・バランス> ・普段の『ゼルダの伝説』みたいに操作キャラ自身がガンガン剣とかで攻撃できるワケではなく、万事に渡って何かを召喚してソレに任せる…って感じでワンクッション挟むため、ゲームそのもののテンポはあんまり良くないし爽快感がある内容でもないため、普段の内容を期待してると人によっては「コレジャナイ」で拒否感が湧くカモ…(個人的にはリンクじゃなくゼルダが主人公で自身が戦えない時点でそーいうモンって思えてるからそこまで違和感は無いですけども)。敵を倒してもそんなに良いアイテムが手に入るワケでもなく、何か欲しいドロップアイテムがある時以外は逃げ一択になりがちではある。 <グラフィック・サウンド部分> ・遠景がぼやける処理が強めで、視認性が犠牲になってる感も。オシャレな写真とかじゃないワケだし、変に見栄え重視にされるよりは、ここは視認性第一で良かったのでは(スクエニの2D-HD作品でも感じたけど、ゲーム開発者ってこの手の表現、好きなのかねー…)。 <ボリューム> ・ダンジョン数は過去の2Dゼルダと比べても少なめで、ボリューム面は正直それほどでもなかったかなーという印象ではある。 |
感想でござる。 |
見下ろし視点型の2Dゼルダの新作で、同じ開発元(グレッゾ)が手掛けた『夢をみる島』のシステムを流用しての新作って位置付けの作品。ゼルダが主人公なのは多分なにげにシリーズ初。 リンクではなくゼルダ姫が主人公・プレイヤーキャラであり、武器やアイテムを駆使してガンガン戦うと言うよりは、モノ(敵なり物質なり)を生み出して戦闘を任せたり巧くいなしたりして進んでいく点がなかなか新鮮なプレイ感覚。 難点は操作性が今ひとつである点。「カリモノ」の数がずらーーーっと多数になってしまい、何種類かソートの方法はあるが、どれを使っても結局モノ選びのテンポは正直良くない。利用頻度が極端に低いモノは一覧からOFFにできるとか、家具・置物か敵キャラかで別枠にするとか、お気に入り登録である程度厳選できるとか、もうちょっと選択肢を狭める方向で工夫は欲しかった。 全体としては、2Dゼルダらしくコンパクトにまとまりつつも、ところどころに3Dオープンワールドゼルダの『ブレスオブザワイルド』や『ティアーズオブザキングダム』っぽい要素や壮大さも感じられたりするって意味でなかなかの意欲作って印象。見た目はコンパクトでちんまさもあるが、しっかりした作り込みは流石のゼルダシリーズって感じである。 |
掲載日:2024年10月1日
更新日:2024年10月22日
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 8 | 7 | 9 | 7 | 7 | 7 | 78 |
んだ。こりゃあ最高ダ?! |
・グラフィックがゲームの世界観とマッチしている。同じ開発社のグレッゾから出たSwitch版ゼルダの伝説夢をみる島と同じ系統のグラフィックデザインで大きな変化は無いものの、プラスチック樹脂のミニフィギュアのようなグラフィックはカリモノを扱う本作のゲームの趣旨とよく合っていると感じた。 ・本作の主な攻略方法であるカリモノは、背景や地形に属するもの以外のオブジェクトならほぼなんでも覚えてカリモノを作る事が可能。攻撃手段としても重要で、予め覚えておいた敵をカリモノで作って代わりに戦ってもらうという一風変わった戦闘方法が主になる。時間経過でエネルを消費するが剣やアイテムを駆使して強敵と短期決戦を決める方法も用意されていて、カリモノで敵を味方につけて戦う通常時のゼルダと戦い方が差別化されており、戦闘だけでも本作は柔軟な発想が活かせる。 ・新アクション『シンク』とカリモノを使って進む謎解きの構成が面白い。従来作のリンクの動きと比べるとゼルダは総じて機動力が低めなのでカリモノやオブジェクトの動きを頼りに進む事が多く、謎解き一つ考えるだけでもカリモノの性質に合わせて適材適所な使い方を考えさせられる。謎解きもゼルダ主人公ならではの新しい攻略方法が多くて面白かった。 ・本作もブレワイやティアキンと同じようにメインストーリーやサブイベントの進行度をメニュー画面から確認する事がいつでも可能なUIになっており、時間をあけてから再開し始めた時などには中々に便利。 ・ゼルダシリーズ特有の若干キモいオッサンや、任天堂ゲームの小ネタなども用意されていて面白い。本来の世界観とは明らかに少し変わった存在が自然と馴染んでいるのもゼルダシリーズの魅力の一つかと。 |
な なんダ?!おっかねえダ… |
・ティアキンの弓矢スクラビルド、素材投げと同じ問題点として、本作もカリモノの表示方法が横一列にズラーッとどこまでも並んで表示されるので、種類が増えるにつれ目的のものを選ぶのに一苦労する。本作ではメニュー画面の図鑑から選ぶ方法が用意されているが、素早く切り替えがしたい時には対応し辛い。最近使った順で並べるのが一番マシだと個人的には感じたが、それでも快適と呼べるには至らない。ゲームが進むにつれてほとんど使わなくなるカリモノも多いので、お気に入り登録などの仕様があればもう少し快適だったのではないかと思う。 ・シンクを使った謎解きで、幾つか分かりづらいものがある。取っ手が付いているなど視覚的に分かりやすい物が大半だが、シンクの受付判定が小さいなど攻略する上で気付き辛いものが幾つかあるのは気になった。これに中々気付かず謎解きが詰まるケースがあったため、プレイヤーが干渉可能なオブジェクトに対してはもう少し視覚的に分かりやすければ尚の事良かったかと。 ・カリモノの種類によってはダンジョン攻略が楽になりすぎる借り物が幾つかある。本作のダンジョン攻略は従来作のように部屋の中で右往左往し謎解きを達成して扉が開くパズル形式のものよりも、借り物を使ってゼルダ自身が特定の場所まで進むアクション形式のものが多く、地形等に関係なく一定の距離を移動出来る借り物はかなり有用性が高い。わりと早い段階から手に入るので、意図的に縛らないと幾つか謎解きを飛ばしてしまう可能性がある。 ・戦闘難易度は序盤はカリモノがあまり強くなくゼルダ自身の攻撃・防御手段も制限が大きいので戦闘難易度が高めだが、ゲーム後半に向けて強い戦闘手段が揃ってくるため難易度が低くなるバランス。個人的には、カリモノを発動するとそのカリモノが必ず体力満タンで登場する仕様はやり過ぎだと感じた。雑魚戦でもボス戦でも相手は攻撃を仕掛けるカリモノを主に積極的に狙ってくるので、攻略方法さえ分かればカリモノ任せで勝てる事が多い。カラクリは壊れるリスクが存在していたので、カリモノも使う上でのリスクがもう少しあれば、後半もやり応えのある戦闘になったのかなと。 ・エンディングまでにクリアするダンジョン数が従来作より少し少なめで、ボリュームがやや足りないように感じた。 |
感想ダ。たのんだゾ。 |
ゼルダシリーズの中でも、発売前からかなり独自性の高い内容になりそうだという予想は的中していた。シンクにしろカリモノにしろ、ゼルダ自身が自主的に行使するのではなく他のオブジェクトの働きを借りてゲームを進めるのが本作の見どころ。良くも悪くもゼルダはリンクとは違うので全ての敵を剣でサクサク倒して行くことは出来ないが、カリモノのおかげで物量作戦が強いため姫様らしく一歩下がった形で戦う事が出来る。ただまあゼルダ自身も最初から普通サイズの石や爆弾程度なら持ち上げて投げる腕力もあれば、最初から水中を潜って泳ぐ潜水力もあるし、地中に埋まった宝箱を引っ張り出す能力も備わるなど、予想よりは遥かにパワフルな動きが出来る姫様だったなあとクリア後は感じた…(笑)。 ボリューム的に少し物足りない部分もあったが、ゼルダ主人公という新しい視点やカリモノ世界の解釈など見どころも多かった。最近のゼルダシリーズにしては珍しく年齢制限が全年齢対象になっており、グラフィックや世界観などに鑑みると普段より低年齢層を意識して作られたのかも…?マリオシリーズでもピーチ主人公の作品はさらに低年齢層向けな傾向にあるので、ゼルダが主人公に位置づけられたゼルダの伝説シリーズもこれを機に低年齢層向けの派生シリーズになるのではないかと考えたり。 本作は"任天堂発売"のゼルダシリーズとしては、初めてゼルダが主人公となった作品である。ここで任天堂発売という前置きが必要なのは、実はかつて任天堂ではないフィリップスという会社が任天堂の許諾を得て発売したタイトルの中に、なんとゼルダが主人公の作品が2つも存在するため。詳細は『ゼルダの伝説 CD-i』で検索すると出てくるが、ゼルダシリーズは疎か一つのゲーム作品としても問題点が多いとの話。囚われたリンクを助けに行くという点のみ本作と共通しているがそれ以外は似ても似つかない内容であり、本作が発売された事によって、任天堂発売のゼルダ主人公のゲームが正式に登場したのは実に良かった。 |
掲載日:2024年10月8日
シリーズ別一覧:ゼルダの伝説
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