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カービィのエアライダー
メーカー:任天堂
開発:ソラ、バンダイナムコスタジオ
機種:ニンテンドースイッチ2
発売年月日:2025年11月20日
価格:8980円(パッケ版)/7980円(DL版)
ジャンル:レース


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執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 8 7 6 6 7 70
プレイ時間…15〜20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
最高であるぞ!
<全体の作り>
・プレイヤーキャラは前作の「色違いのカービィOnly」でなく、カービィシリーズでお馴染みのキャラクター(デデデ大王・メタナイト・ワドルディ)、更には1作品のみ登場のラスボスやスターマン(シリーズ初期作品で出てたザコ敵)とかもいたりしてなかなか賑やかで楽しい。性能もキャラ毎にかなり大胆に変わって来るため、ソレも含めて色々使ってみるのが楽しいと言える。

・下記の通りあんま新鮮味は感じないのだが、良く言えば「正統進化」「順当な新作」って感じですかね。前作同様に今回も妙にトゲ多めの作風には感じるが、ゲームのベース部分の作りはしっかりしてて適当に触って適当に遊んでても間違いなく楽しい事は楽しい。前作『エアライド』は開発が頓挫しそうになったのを無理矢理完成に導いたがゆえの粗さ、本作の場合は客層を前作ファン・上級者・オン対戦好きのプレイヤー優先でデザインしたがゆえの粗さ、って感じではある。

・しっかりチュートリアルが動画付きで用意されてるので、本作から入る人でも安心して遊べるかと。実際はそこまでシンプルでもないのだが、使用するボタン自体は少なめのデザインでフルに使わなくてもそれなりに何とかなるバランスでもあるため、その点では引き続き間口は広めかと。

・前作同様、どのモードでも1プレイの時間が短いため、コンパクトに遊べる作りになっていると言える。物量(ゲームモード・やり込み要素・隠し要素)自体はそれなりにあるため、あくまで「短時間を何度も繰り返して遊べる」を優先してデザインされた作り、と申すかね。

・新マシンもかなり追加されたが、使用感がしっかり差別化できてるのは良かったと思う。

<モード毎の長所>
・前作『エアライド』は対戦重視ってかほぼ特化の作りで1人で遊ぶと味気ない内容だったのだが、本作はオンラインでの対戦が可能になっており、(カービィシリーズって事でプレイ人数もそこそこ多いと思われるため)「対戦相手がいなくて殆ど楽しめない」って欠点がだいぶ薄まったとは思う(まぁ他人とオンライン経由で遊ぶよか、気心知れた友達・身内と遊んだ方がやっぱ楽しいとは思うけどな)。

<モード毎の長所:シティトライアル>
・1プレイが短く「ん〜もう1回!」って何度でも際限無く遊べてしまうって意味では前作『エアライド』譲りの時間ホイホイっぷりは健在と言えそう。

<モード毎の長所:エアライド>
・ランダム要素が強めでパーティゲー寄りのシティトライアルに対して、こちらのモードは運が介入する余地が少なめで順当に上手い人が勝つガチンコレースって様相。純粋にレースゲームを楽しむにはこちらが適しているかと。

・本作で追加された新コースは特にグラフィックが非常にキレイになっててコースごとにガラリと風景も変わり、観光地の川下りとかディズニーランドのアトラクションでも乗ってるが如き心地に近いかも。

<モード毎の長所:ウエライド>
・1画面で全員の状況が分かる&密度が高いから差がついても(極端な話、周回遅れで)他プレイヤーと接触機会が多いため、他のモードよりも実はレース感は強いかもしんない。

・前作と違い今回はウエライドモードでもマシン選択が可能になり、色々使い分ける楽しさが生まれたのは進化点と言える。

<モード毎の長所:ロードトリップ>
・前作で欠けていた1人用の専用のシナリオモードって位置付け。エアライド×ウエライド×シティトライアルを組み合わせて1人用にアレンジした感じ。対戦メインの本シリーズだとやっぱオマケに近いとは思うが、あるに越したことは無いかと。
イカンのじゃ。
<全体>
・前作に比べてゲームスピードが明らかに早過ぎるし、間口もパッと見ほどは広くない。ただでさえ同時参加人数が大幅に増えてて攻撃のエフェクトとかもハデになってるせいで、やたらとギュウギュウで密度が高くて「何が起きてるか分かんないウチにボコ殴りにされてマシンを壊される」とか「スピードが速すぎてロクに制御できずミスが連発する」とか「細い道が多すぎて制御しきれずやたらとゴツゴツぶつかる」のが多過ぎな印象。初心者に向けた間口の広さを重視してゲームを作る桜井氏にしては「ハテ?どーなってんだ?」「グチャグチャ過ぎてワケわかんね、視認性悪すぎじゃね?」って感じでチグハグ感を感じる調整ではある。

・一応完全新作って位置付けにはなってはいるのだが、ゲームの全体的な作りはほぼ『エアライド』を踏襲していて手触りもそれほど変わらない。そのため、20年以上間隔が開いての新作の割にはそれほど新鮮味が無く、もうちょっと「キレイになった」以外の肉付けがあっても良かったのでは?

・キャラ毎に性能が異なる対戦モノではどうしても陥りがちだが、本作の場合も性能の強弱は割と出ちゃってるようで、有利不利とか効率とか考え出すとと選択肢は一気に狭まってしまうのが欠点(個人的には性能には執着せずに何となくで選んで遊んでるからまぁ構わんのだが、気にする手のプレイヤーだとかなり窮屈に感じるとは思う)。マシンとキャラの組み合わせでトータルの性能が決まるが、キャラ側の性能も結構な比率を占めるため気軽にお好みでキャラを使えないのが勿体ない気も。『マリオカート』みたいにもうちょっとキャラ側の比率が低めでも良かったかと。

・カメラが前作よりもやたらとハデに動くせいか、前作では全然酔わなかったわしでも体調によっては微妙にヤバい感じになる。「酔い対策機能」とかあって色々設定して調整できるが、そもそも前作はそんなモン無くたって全然酔わなかった(最近も遊んでたから間違いナイ!)。なんだって20年以上前のゲームから大幅に退化しとるんですか…。見栄え重視でカメラをとんがらせるとか、「らしくない」作風だなと。

・高難度化・高速化とか、全体的な仕様の変化が前作をやり込んで極めたプレイヤーに向け過ぎに思えて「なんでそんなにターゲット層を絞って作ってるんかな?」「声のデカい特定の客に媚び過ぎじゃね?」って微妙に理解しかねるバランス構築でどうにもモヤモヤ(苦笑)。

・メニュー画面でロード時間が発生するのはずーっとキビキビ動いてた前作よりも退化したなーと(モード毎のメニューから全体の目次に戻る時とか数秒待たされるのは気になる)。

・そこそこ人口のいるオン対戦のお陰で対戦相手には困らないとは思うが、猛者ともフツーに当たるためボコボコのギタギタにされる頻度が高くて、基本的には腕試し目的で入らんとストレスばっか溜まると思った。

<モード毎の短所:シティトライアル>
・シティトライアルモードだと、「マシン乗り換え」と「スペシャル」が同じボタンに割り振られてて暴発が頻発するのがジミにストレスに感じたり。前作の時点でそうだが(→ブレーキとコピー能力が同じボタン)、開発者が必要以上に「使用ボタンを減らす事」に固執してるあまりに「実際の操作性」が犠牲になっとるのがどーも理解しかねる作りだったり。

・多少広くはなってるものの、ステージは1コしか無いのは前作と変わらず。同時参加プレイヤーが大幅に増えてキャラの密度が上がってるのを思えばそこまで広くなった感じもしない。エアライドモードみたいにテーマ別に3〜4コくらいステージがあっても良かったと思う。

・下が断崖絶壁でなく柵も無くて飛び降りられそうなのに「見えない壁」で越えられない箇所が結構あるのがイライラ。フツーに移動できる所もあるんで、基準がイマイチ分かりづらいのが駄目なんだと思う。

・このモードは特に根っこの作りがギスギスしやすいバランスなんで(バトルロイヤルで他プレイヤーをブッ壊してナンボ故)『桃太郎電鉄』とかもそうだが、オン対戦で猛者にギタギタにリンチされるのがかなりストレスに感じる。正直あんまオンで遊ぶモンでもないな〜と(苦笑)。身近な友人と顔突き合わせて遊ぶ方が多分ずっと楽しいです。

<モード毎の短所:エアライド>
・腕前の差がハッキリ出る作りで下剋上がほぼ起きないって点であんまパーティゲー向きでは無い感じではある。

<モード毎の短所:ウエライド>
・前作とは大して変わってない上に小粒なんで、どうしてもすぐ飽きる。よってあくまで他モードの箸休めで遊ぶが吉。体験版では遊べなかったと思うが、まぁ体験版で遊べたらすぐ満足されるから入れんかったのなコレ…と。
感想でござ〜る。
 ゲームキューブで発売され中古がプレミア価格になるほどの人気ながら長らく続編が出なかった『カービィのエアライド』の20年以上経ってのまさかの新作。長く間隔が開いた続編だと作ってる人・メーカがガラリと変わって「名前だけの別物」になってるケースが多々あったりするが、本作の場合は前作と同じく桜井政博氏がディレクターを担当って事でしっかり続編を名乗れる内容になっている(桜井氏以外のスタッフはHAL研究所じゃなく桜井氏監修の下で近年のスマブラの開発を担当するバンダイナムコスタジオに変わってるけども)。

 ハード数世代を挟んでホントに久しぶりに出た新作なのだが、その割にはキレイに『エアライド』をなぞってソレをキレイに・豪華にした方向に進化させている関係上か、新鮮味は殆ど感じず、個人的には新作ってよりはリメイクに近い内容かなァとは感じた。
 また、ゲームスピードが上がり過ぎ&難化する方向性でバランスがいじられてる関係上、ゲーム慣れしていないプレイヤーや初心者さんには相当キツい内容になった気も。「なんか特定の声の大きい客層(=前作を極めた層)にばっかり媚びたバランス調整っぽくて、間口の広さも優先する事の多い桜井師範っぽくねー作風だなァ」って印象は拭えず。

 ソレに加えて純粋に劣化部分もチラホラあって、「ハード性能に合わせて順当に進化したリメイク寄りの内容」とは素直に言い難い内容になってる気も、個人的には期待した程じゃなかったかなァ…と。楽しい事は楽しいんだが、今ゲームキューブを引っ張り出して『エアライド』を遊んでるのと大して変わんない(…と申すかバランス的には昔の方が好き)って意味でどうしても感動だとかインパクトだとかと無縁だったのは惜しい。
 まぁ体験版の時点で「アリャ?思ったより全然代わり映えしねーな…しかも前作と違って妙にカメラで酔うし。発売日買いはやめとこ」って直感に従って発売日買いをパスして中古で半額になるまで寝かせてたのは正解だったかもなーと思ったり。定価で買ってたら更に文句ぶーぶーだったと思われる(ケチでゴメンネー)。

 思えばハードと同発の『マリオカートワールド』もオープンワールド化が大してメリットになってなくて微妙なクオリティだったし、やー任天堂サン、ハード序盤の目玉作品はもうちょっと気合い入れて「誰が遊んでも文句ナシの傑作!」って言えるクオリティで出して欲しかったがなァ…(ハードル上げ過ぎとは思うが、そんけ期待してたって事で)。

掲載日:2026年5月5日


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