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ニュートピア
メーカー:ハドソン
機種:PCエンジン
発売年月日:1989年11月17日
価格:5800円
ジャンル:アクションRPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 6 8 4 7 7 6 69
プレイ時間…10~15時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
イインダヨ。
・難易度が高めだった本家『ゼルダの伝説』よりマイルドなバランス調整で遊びやすい。自キャラの性能が比較的高めに設定されているだとか、店買いで強力な消費アイテムを買って戦闘をラクにできるだとか、難しめだった事の多い80年代のRPG系作品としてはとっつきが良かったな、と。住民キャラとの会話で得られるヒントの類も多めで、しっかり配慮されてる作りかと。

・BGMは割とクラシックだとか民族音楽チックな曲の多いゼルダシリーズとは別路線で、ロック調で熱い曲調の物が多い印象で独自性は感じる(ファンタジーチックな内容に合ってるかっていうとビミョーくさくもあるが)。

・やや殺風景だったファミコンのゼルダと比べると、フィールドもしっかりカラフルに描かれており、PCエンジンのグラフィック性能を活かせていたと思う。ダンジョンでない屋外フィールドも進む毎に風景が変わったりするって点でもなかなか凝っていた。
ダメナンヨ。
・全体的にはマイルドなバランスに調整されているのだが、全体的に敵の耐久力が高めでサクサク戦闘が進まない点は気になる所。また、一部の敵は無敵の時間が長くて変に攻撃の機会が限られるなど、ひたすら攻撃をかわしてるだけのダルい時間が続くなど、嫌がらせ的な仕様の敵も見受けられたり。

・剣での攻撃は攻撃範囲が極端に狭く、あんまり使えない印象。『ゼルダ 神トラ』以降の広範囲をカバーする横切りや回転斬りでなく、あくまで『ゼルダ1』の正面に繰り出すリーチの短い剣の突きオンリーなのでね…。

・1から10まで既視感のカタマリであり、遊んでて刺激は足りない。細かい部分での練り込み・バランスはやっぱり本家の任天堂側より見劣りする印象で、「それなりに良く出来てる」けども所詮はソコ止まりであり、名作って感じにまでは思えないのよね。

<「独自性」以外のスコアに反映させてないけど気にはなる点>
・ゲームとしてのシステムそのものから、進め方だの個々の敵の動き・アイテムの性能・アクションもろもろあまりに『ゼルダの伝説』そのまんま過ぎて、「プロのゲーム開発者としてプライドは無いんか?」とかツッコみたくなる内容ではある(笑)。
別にミンナニナイショデモナイ感想ヨ。
 ハドソンからリリースされたあまりに『ゼルダの伝説』そのまんまなアクションRPG。ただし、よくある陳腐な「見た目だけのパクリ作品」とは異なり、しっかり研究された上での模倣って感じであり、品質自体は良好。

 「フィールド上に隠された8つのダンジョンで謎解きして最後の部屋でボスを倒してライフが1UP!!」とか、大メーカとしてのプライドは無いんか!?…と思ったモンだが、なんでも「新人研修でゼルダをPCエンジン上で目コピで作って良さを学ぶ」のをそのまんま製品化したものらしい…てェ事は、開発者ってよかエライ人の方が問題か?ソレ製品化すんなYO、節操ねえなハドソン上層部!!(苦笑)
 1986年のファミコンディスク版『ゼルダ』1作目と1991年発売のスーファミ版『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の中間…と申すかちょっと初代寄り的な内容。任天堂とは全く関係ないヨソの会社が作ってる割には丁寧にゼルダっぽさは再現されている。よくある表面上の見た目だけ真似て肝心の手触り・バランスがショボいパクリ作品じゃなく、しっかり骨太な所・難易度が適切な範囲に収まってる所もゼルダっぽいため、それこそ「ジェネリックゼルダ」って名乗っても良さそうな感じではある。「少々不親切でとっつきが悪かったゼルダ1を上手く改善し遊びやすくなった二番煎じ作品」って感じで楽しめるゲームかな、と。

 なお、こんけゼルダそのまんまだと任天堂に睨まれそうなモンだが、後年になってWii等の任天堂ハードのバーチャルコンソールでフツーに発売されている辺り、特に問題視はされてなかったっぽい。おうおう、太っ腹だな!任天堂!(笑)

掲載日:2024年12月24日


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