縮緬遊戯堂 > レビューランド > PCエンジン > THE ATLAS

ジ・アトラス
THE ATLAS
メーカー:アートディンク
機種:PCエンジン(スーパーCD-ROM2)
発売年月日:1994年3月4日
価格:9800円
ジャンル:シミュレーション


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 7 7 9 6 8 7 76
プレイ時間…30〜40時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ホホゥ!コリャよかですバイ。
・基本的な流れは「提督を雇って船団を構成し、航海させてその報告を信じるか信じないか」の繰り返しで世界地図をジワジワと完成させて行くことになる。ユニークなのがランダム性の強さで、プレイヤーが提督の報告を却下する事で地形そのもの(陸地や海峡)の形がかなり変わって来る事。基本的には現実の世界地図に寄せた地形にはなるのだが、展開次第ではアフリカ大陸が真っ二つになったり、結構変わる所は変わったりする。その意味ではプレイの度に結構新鮮な気分で楽しめる、と言えるかも。後の『ネオアトラス』シリーズの元となる要素は本作の時点でしっかり固まってたのだな、と再認識。

・メインは世界地図作りだと思うが、地図をあちこちクリックして隠された宝物を探したり、脇に逸れた所で楽しめる要素が盛り込まれている遊び心が嬉しい。

・グラフィックもサウンドもジミで華やかさは無いのだが、ちまちましてながらも結構味わい深い作りではある。
お〜の!イカンぜよ。
・実際の所は慣れればそこまで複雑ではないと思うのだが、似たようなゲームが少ないために最初は何をしていいのか迷いがちであり、とっつきは悪い。画面全体が常時セピア色のちずっていう見た目のジミさと相まってソコんとこでかなり損はしていたと思う。

・シリーズ共通の難点と思うが、中盤辺りまで進むと展開が固まって単純な作業ゲーになりがちではある。また、点在する港がランダム生成の地形により内陸の湖に出現してしまう事が結構あり、ソレで拠点して使えなくなってしまう等はちょっと厄介だったりも(報告をキャンセルすれば良いのだが、地形の吟味で余計に時間とカネを消費してしまうのがダルい)。

・インタフェース部分はとか殆ど文字だけ構成されており、説明らしい説明も少なく、かなり難解に思えてしまう。後のシリーズ作と違い提督が経年で引退してしまうため(まぁ本来ならトシ取りゃそうなるが)、ちょくちょく若手の育成に追われる事になるのがダルいと言えばダルい。また、資金管理のバランスがかなりシビアであり、時間経過も早くて難易度自体もかなり高めに感じる(特にまとまった貿易航路を持たない序盤が特にキツく感じた)。
THE・感想。
 後にプレイステーションなどで展開される『ネオアトラス』の元になった、大航海時代を舞台にしたシミュレーションゲーム。

 わしはPS1の『ネオアトラス』を最初に遊んだ後に、「前のもあるの?遊んでみるべ!」と手に取ってみた次第である。提督に航海を任せてその報告を信じるか否かで地図を作り上げていく…という大まかな流れは本作の時点で既に完成している。
 一方、バランス部分は後継の作品と比べるとかなりシビアな感じであり、システムを理解できずにモタモタしていると資金難で破産してゲームオーバーになったりするなど、最初の方ほどしんどいって意味で必要以上にユーザをふるい落としとった印象も。その点では本作の時点ではまだ粗さもあったのかなァって印象である。キツい序盤さえ巧く乗り切る事ができれば、あとは割とユルく楽しめると思うんだけども。

掲載日:2022年11月1日


シリーズ別一覧:ネオアトラス

縮緬遊戯堂 > レビューランド > PCエンジン > THE ATLAS