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ファイナルファンタジーVIII
メーカー:スクウェア
機種:プレイステーション
発売年月日:1999年2月11日
価格:7800円
ジャンル:RPG
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PS1版 サウンドトラック |
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
9 | 8 | 5 | 6 | 5 | 9 | 4 | 58 |
最高やで、おやっさん。 |
《グラフィック・サウンド部分》 ・圧倒的な映像美とオーケストラ使用の壮大なBGM。キャラ造形の好き嫌いはあるにせよ、演出面では間違いなく当時の先端を走っていたと思う。グラフィックはキャラの3Dモデルとかは同じPS1で出たFF7(=ポリゴン黎明期でレゴブロックみたいな無骨さがあった)と比べてもかなりクオリティが上がっているのが見て取れる。 ・敵のバリエーションが単純な色違いで水増しされてないのは芸が細かい。 ・町やフィールドの風景も千差万別であり、ちょっとした観光気分が味わえる程。この部分は「同じタイルを流用したフィールド」な同時期のドラクエシリーズや他のRPGのとも比べてかなり力が入ってると思う。 《システム・バランス部分》 ・見た目が同じ敵でもレベルによって攻撃方法が変わってくるなど、油断のならないシステムになってるのは新しい試みだったように感じる。 ・ランダム要素の少なさって点は裏を返せばシステムを理解していけば戦局を思いのままにしやすいって意味で、シミュレーションゲーム的な味わいも楽しめるのかも。 |
うわっち、イカンぜよ。 |
《システム・バランス部分》 ・戦闘システムが複雑かつ奇異。斬新な物を頭ごなしに否定する気も無いが、取っ付きの悪い・アクの強いシステムを導入したいんなら、もっと説明を増やして客に歩み寄って欲しい。 ・レベルを上げるとそれ以上のスピードで猛烈に敵が強くなるのが個人的には好みではない。これならレベル制自体導入してる意味を感じないんだがなぁ。 ・装備の種類が大幅に減ってしまったのでキャラクターを強くすると言う面白みに欠けていると思う。あとはシステムそのものが「常時"ぬすむ"を強制されている」感じのバランスで、作業感が異様に強いのが気になる。 《シナリオ》 ・舞台がやたらと殺伐としているのに妙に軽いノリの面々。なんか非常にアンバランスでカオス…。キャラがリアルタッチで描写されてるだけにシナリオの歪みが物凄く不自然に思える。傭兵が云々と深刻なシーンの直後に恋愛色の濃い学園ドラマが繰り広げられるのはどう考えてもおかしい。そんなこんなで頻繁に「えー!そりゃねーわ」ってシーンが出てくるのだが、これは狙っているのか?終始スカスカで表面だけカッコつけてる感じがどうも受け入れ難い。どうもね、こうも寒いとゲームへの没入感が阻害されっぱなしである。どーにかならんか、このノリ…(苦笑)。 ・物語を理解する上で必要な情報を変に出し惜しんでくるせいで、「え?なんでそーなんの?」って置いてけぼりにされるシーンが多い。あと、用語の説明を辞典みたいなテキスト部分に押し込んでいるのも、正直あんまりスマートとは言い難い(なんも無いよりはマシだが)。 《グラフィック・サウンド部分》 ・グラフィックはキレイなことはキレイなのだが、ムービーと通常グラフィックの落差は大きい。あと、キャラと背景が馴染んでしまってることが多いせいか視認性が悪い。ムービーの頻度も高く、この頃のスクウェアゲーらしいムービーゲー全開っぷりではあった。また、ポリゴンの3Dモデル自体は綺麗だと思うが、カメラがかなり離れているので表情は読み取れない事が多い。 |
THE 感想。 |
同じPS1での発売ながら、前作の『ファイナルファンタジーVII』と比べてもグラフィック等の演出面は更にパワーアップしている。グラフィックやサウンドの出来は当時としては間違いなく圧倒的。一方、ムービーゲー的な色合いは一層濃くなり、シナリオ面でプレイヤーを置いてけぼりにするような妙なノリはこの頃から強まった感もある。システムもやたらとアクが強い割に説明らしい説明も無く、「上級者は楽できる一方、ヘタクソさんにはとことん厳しい」って感じの歪さがある。 世間様でも非常に売れてた一方で賛否も割れた内容だったと思うが、わしとしてはかなり『否』寄り。ゲームとして遊んでて楽しいって感じる部分があまり無かったのは、はやり痛い。「雑食系だけど根っこはニンテンダー」のシステム重視派のわしとしては「映画みたいなゲーム」(しかも変に難解で回りくどい上にやたらとテンポが悪い)はやはり根本的には合わん…ってことだろーか。思えばこの『VIII』の辺りから増えた気がする。「あー、わしには合わねえや!」って感じるFFがね…(かなりサビシイ)。 |
掲載日:2011年7月11日
更新日:2021年5月4日
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
9 | 9 | 6 | 7 | 5 | 8 | 4 | 67 |
ほーら、良い感じになったもんよ |
・映像面は本当によく出来ている。前作では戦闘時くらいしかリアル等身の3Dグラフィックを維持してなかったが、本作では常にリアル等身で描写されていてプレイステーションのゲームの中でも上位に入るくらい緻密な作り。プリレンダムービーも一部のキャラの動きはモーションキャプチャーを使用しているらしくかなりリアルな動きになっていて、映像面では技術力の進歩を強く感じ取れた。 ・BGMは流石の植松伸夫氏クオリティ、戦闘曲を初めにゲーム中の雰囲気としっかり合わせた良曲が勢揃い。全体的にオーケストラ色のある重厚な曲も多めで、音源も生音源に近い感じで音楽面でも技術の進歩を感じた。個人的には、テクノ調を主体としたラグナ編戦闘曲『The Man with the Machine Gun』が特にお気に入り。 ・悪いところでこき下ろしている通りシナリオ面は全体的に良くないものの、オッサンばかりのラグナ編などはシチュエーションも相まってFF5の時のような若干間の抜けたギャグシナリオとして楽しめなくもなかったり。ストーリー終盤になると登場人物達の多くは人間的にも成長してきてるので、終盤だけ見れば、普通にヒューマンドラマとして見応えが感じられる部分も多少はある(序盤でのヘタレな行動が、後半になってからかなり深い理由があったと解るアーヴァインとか)。 ・ゲーム中に登場する大半の相手と対戦が可能な独自のカードゲーム『トリプルトライアド』が中々にハマる。ワンゲームが1分もかからないながらも攻防を常に考えた戦略性のあるカードゲームで、強いカードを手に入れると普段の戦闘で活かす事も可能なので、ゲーム内ゲームとしてはいい塩梅のミニゲームだと思う。 ・メインのメンバー達は何も装備していないという事を前提にすればシリーズ中でも間違いなく最弱レベルに能力が低く何も出来ない普通の人間である分、プレイヤーがかなり自由に能力やアビリティを付け替えていけるというゲームシステムの発想そのものは良かったと思う。レベルを上げれば技や魔法を覚えていき、ステータスもどんどん上がっていく一般的な"RPGの主人公"とは違って、FF8では単純にレベルを上げるだけでは逆に難しくなるというのも、一般的なRPGの型とは異なる作りに仕上げたかったんだろうと思うので、こういう発想そのものは一応評価したいところ。 |
ぎにゃぁぁぁぁ!!(悪いところ) |
《シナリオ面について》 ・シナリオの全体的な流れだけ見ればわりと普通のRPGらしい展開を作り出してはいるんだけど、要所要所で悪い意味で学園モノらしい、中二病チックなサムい展開が繰り広げられるのが見ていてかなりキツい。1990年代の学園モノ漫画やアニメのノリを変な形で取り入れた感じで、物語全体の流れとは明らかに合っておらず場違い感がかなり漂う。 ・登場人物達による行動の稚拙さがかなり目立つ。『力が及ばず悪い結果になった』とかならともかく、『明らかに軽率な行動をとったせいで悪い結果になった』という物がいくつかあり、そういう物に出くわすとやる気がかなり削がれる。そういった問題的な行動も後の方で『実は○○という理由があったのでは』とか、『反省を活かして後に人間的に成長した』といった感じでフォローされる事もあるものの、そこに到るまでにストーリーを楽しむのがキツいので、最終的に物語全体を俯瞰して見るのならともかく、プレイしている最中に物語へ引き込こもうとする力の弱さはどちらにしろ逃れられないような。 ・後半になるにつれ、戦闘やダンジョン探索よりもイベントを主軸にした展開が増えてくるので、通常のバトルはあまり楽しめなくなってくる。DISC3は軽くムービーゲーと言えるほどで、個人的にはもっとイベントシーンが続き過ぎない方が良かったかなと。 《ゲームシステムについて》 ・バトルでの強い行動が限られていて、戦闘の自由度はあまり高くない。魔法や召喚、コマンドアビリティを駆使してプレイヤー次第で自由にバトルを繰り広げてもらうのが本来のゲームデザインだったのではないかと思うけど、ゲームを極めてくるとピンチ度を上げて『特殊技』を使うのが圧倒的に強すぎる。序盤はゼルの力を上げて『デュエル』、中盤からはアーヴァインが『徹甲弾』や『速射弾』を使うようにするとラスボスまで難無くクリア出来るほど。 ・これらの壊れ技に気付かずに使わなかったとしても、必ず戦う必要のあるボス格の敵がわりと単調な攻撃方法を用いる者が多いせいで、力押しで勝てる物が多い。最終的には戦闘そのものはあまり面白くない。 ・プレイヤーがこれらの事に気付けなかったり、ジャンクション等の仕組みが分からずひたすらレベルを上げ続けてしまうと、今度はこちらのレベルに応じて通常の敵がどんどん強くなる仕様のせいでゲーム初心者に対しては高い難易度が襲いかかってくる。こうなると『仕様を理解しきれない初心者には強敵』を、『仕様を理解しきった上級者にはヌルい敵』をゲーム側が提供する形になり、プレイヤーの腕前とは異なるバランスになってしまう。全てのプレイヤーに対して、適正な難易度調整を行うという事柄に関しては大きく配慮を欠かしているかと。 《その他について》 ・カードゲームでは世界各地でいくつかローカルルールが存在するという設定ではあるんだけど、困った事にこのローカルルールはその地域で一度広まってしまうと他のルールで戦う事がやや難しくなる。カードクイーンというキャラを上手く利用すればルールを変更させられるものの、このルール変更も少し工夫がいるので自由度が低い。ローカルルールが世界各地へ広まっていくという設定は珍しくて良かったとは思うものの、実際のところはこの自由にルール変更が出来ない仕様のせいで、終盤になるほど面倒なルールが広まりがちなカードゲームはプレイする意欲が薄れてくる。 ・DISC4になるとラストダンジョン以外の町にはほとんど入れなくなるのが残念。DISC3の終盤の時点で別データを用意しておかないといくつかのやり込み要素が楽しめなくなってしまうのは要注意。 ・FF7やFF9の時に比べるとゲーム中でのミニゲームやイベントシーン限定のミニゲームが少なくなっているのが寂しい。 |
感想也。 |
シナリオからゲームシステムに至るまで、これまでのファイナルファンタジーシリーズとは明らかに一線を画す内容。 映像面では技術力が大きく進歩したのは良いとしても、世界観も大きく変化したFF8との相性はすこぶる悪かった印象。FF8では物語の舞台となる学園がそもそも20歳までの人間しか入れないという事もあり、登場人物達は十代後半のティーンエイジャーのはずなんだけど、リアル等身で美形キャラが多い事あって実年齢よりも見た目が老けて見える。それでいてこれまでのFFシリーズのキャラよりも軽いノリの会話が繰り広げられるせいで、高いクオリティのグラフィックが却って見るに耐えない。主人公のスコール等はビジュアルロック系の格好をしている若者として見ればまだギリギリ10代の若者に見えなくもないんだけど、中には見た目が明らかに20代だったり、下手すれば30代に見えるキャラもいたりと見た目と設定のギャップが凄まじく、技術が向上したのが却って逆効果になっている。 ゲームバランスが悪いゲームとしてよく分類されるのが『簡単すぎる』とか『難しすぎる』といった物かと思うんだけど、本作はそのどちらでもなく、『上級者は簡単に、初心者はさらに難しくなるゲームシステム』と言えそうな。というのも、 ・初心者は魔法やアビリティがあまり揃えられず積極的にレベル上げをする→高難易度に ・上級者は魔法やアビリティをしっかり揃えて低レベルを意識して進む→低難易度に と、初心者の方がさらにドツボにハマりやすい要素がゲームシステムとして取り入れられてるのが主な要因。せめてレベルを上げても敵がそれに合わせて過剰に強くならないのであれば、まだ力押しでレベルを上げて進める事も出来ただろうにと思うとなんとも残念無念。 ちなみに、自分のクリアデータを振り返って諸々の情報を確認してみたところ、バトル回数は150回、レベルは最も高いスコールが17、プレイ時間は30時間でクリアを達成。中盤以降は強制戦闘を除いてほとんどエンカウント無しでプレイしてた事もあって、恐らくはプレイ時間の1〜2割くらいしか通常バトルをしていなかった模様。しかもこれは縛りプレイをしていたとかではなく、強い魔法やアイテムは揃えたので下手にレベルは上げない方がいいなと低難易度で進めるようにした結果なので、通常プレイとは異なるもののそこまで変なプレイスタイルをした結果でもなく。 自分はそこそこ楽しめなくもなかったし、もっと工夫があれば実は面白いゲームになった可能性がある、惜しくも並程度の面白さで終わってしまったゲームとして評価しているんだけども、これはあくまで映像面・音楽面での良さに加えて自分がどういうゲームであっても柔軟性を持って楽しめるタイプの人間であるが故にまだ楽しめたという話であって、映像や音楽面に興味が無い人や、異質なゲームシステムやズレたシナリオが苦手だという人がプレイするとFF8への評価はさらに下がる事になると思う。シリーズ中でもオススメし辛いファイナルファンタジーかなあと。 余談ではあるけど、FF7が完成して以降のこの頃のスクウェア社(&制作陣の坂口博信氏)は何かと迷走していたような気がしなくもない。推定130億円ほどの負債をスクウェアが背負う事になった、極めて悪名高い(個人的にはそこまで悪い映画だとは思わなかったンですが)映画版ファイナルファンタジーを作り始めたのもFF8の開発を始めた時期と近く、この時代のFF開発陣達は何かに呪われていたんじゃないかと個人的には思っていたり…(苦笑)。 |
掲載日:2021年5月4日
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