ンクエスVIII
空とと大地と呪し姫

メーカー:スクウェア・エニックス
開発:レベルファイブ
機種:プレイステーション2
発売年月日:2004年11月28日
価格:9240円
ジャンル:RPG


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3DS版 PS2版

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 9 7 9 8 9 8 90
プレイ時間…200〜250時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
よかですたい。
<バランス・ユーザインタフェース・快適性>
・簡単過ぎず難し過ぎもしない絶妙なバランスの練り込み具合は今回も抜群と言える。キャラクターを育てる楽しさも相変わらずで戦闘が作業にならず楽しい。この圧倒的な安心感・安定感はまさに横綱の風格。今回は演出面でも過去作よりも大幅に進化しているため、見た目でもゲームバランスでも進化幅が大。

・多少難はあるとは言え、錬金釜(アイテム合成)やテンションシステムなどの新システムもまぁ違和感無く馴染んでおり、やりこみ要素としての深みをもたらしてくれているとは思う。

・『VI』や『VII』で猛威を振るったMP消費ナシでの特技だが、こちらもバランスがかなり改善された印象。強力な特技はMPを消費したり特定武器の使用を求められたり、準備が必要になった点でバランスは良くなったと言えそう。

・ゲーム再開時に仲間コマンドで仲間が次にすべき事をある程度教えてくれるので、しばらく遊んでいなかった場合でも安心。

・見た目こそかなり変わったが、アクション性が皆無なのは過去作と同様。反射神経やら体力やらに不安のある年配の人にも優しいのは従来通り。

<演出面>
・3Dポリゴン描写になり、カメラ操作が加わったことで見た目が大きく変わった。最初はちょっと違和感があるが、親切な設計なので割合すぐに慣れることができるのは流石ドラクエ。視界一杯に広がる広大な景色も圧巻。

・BGMはこれまでの作品に比べるとかなり地味な印象を受けたが、個人的には素朴で落ち着いた感じの曲も多く割と好みではあった。ゲームの世界に馴染んでいるという意味では良かったと思う。視点が3Dでアドベンチャー的な色合いが濃くなったとも言えるので、演出の路線変更に伴い巧く音楽側も寄り添った感じとは言えるのかも。

<シナリオ>
・魅力的なキャラクターが多かった。これまではゲーム中であまり表に出なかった鳥山明氏の世界が3Dで違和感無く再現されているって点で過去のドラクエより一歩進んだと言えるかもしれない(従来の記号的な扱いの方が良いって声も当時はあった気がするからこの辺は好みの問題もあろうが)。同時期のRPGのでありがちだったイベントシーンでの不自然なキャラの表情、モーションもこのドラクエ8では皆無。その点では流石の貫禄。アニメーションのような自然さがあるのはスゴイ。

・最近の据置機の大作RPGではほぼ常識となっていたCGムービーは完全に廃し、演出と通常のゲームの進行とのギャップを無くしたという点でもドラクエらしさを感じる(前作では半端に欲を出してトホホな事になっていたんで、これでいいと思う)。

・ストーリーは意外性は皆無だが、ゲームを先に進めたくなるモチベーションを維持させる役割は必要十分程度に果たしているかと。ボリュームそのものは前作7よりかなり控えめだが起伏が無く鬱展開一辺倒だった『VII』に比べればメリハリは効いていて理解もし易い。
だめですばい。
<バランス・ユーザインタフェース・快適性>
・錬金釜のレシピはかなり複雑かつ組み合わせが限定されているので、ゲーム外の攻略情報に頼らないとやや辛いものがある。ここはクドいシステムを入れたがるレベルファイブの悪癖って感じか。

・恐らく、オンラインの『X』を除いてシリーズ中もっともお金が貯まりにくい。錬金釜で消費アイテムを作成してまとめて売ればそれなりの金額にはなるが、その方法を取ってもそもそも錬成に時間はかかる。もうちょっと金がたまりやすいバランスでも良かったと思うんだがなぁ。

・レベルアップ時に得られるスキルポイントがまちまちなので、計画的な育成が出来ない。特にレベルが50以上になると1〜3ポイントしかスキルポイントが得られず、殆ど成長させられないのは辛い。振り直しも一切不可能でスキル毎に使えるor使えないの格差が大きく、後で後悔する事も。

・戦闘のウインドウは改善の余地あり。特技の大半は決まった武器でしか発動できないのだから、武器毎に特技を分けて表示するなどの工夫があった方が良かったのでは。

<演出面>
・『3』のラーミアのテーマ等、昔の作品の曲が使われているところもある。懐かしさもあって心憎い演出だと思える反面、ナンバリングのドラクエでは初の流用であるだけに、手抜きしたのではないか、とも思えてしまう。

<シナリオ>
・中盤〜終盤前のシナリオの展開は完全に読めてしまったのだが、主人公一行は一切気付かず、ただひたすら敵の掌の上で踊り続ける。この辺はもうちょっとメリハリ付けても良かったかもしんない。ちょっと安直だったやもしれんね…(苦笑)
感想なり。
 ドラゴンクエストナンバリング作の第8弾。PS2世代で満を持して登場。

 開発元がレベルファイブに代わり若干システム面がクドくなった印象はあるし、演出の進化に伴う若干のロードの発生とか細かい部分で気になる点が無い訳ではないのだが、全体としてはグラフィック等の演出面を大幅に強化しつつ、ドラクエの良さであった快適さやバランスの良さもしっかり維持。総合的な完成度は非常に高い域にあるRPGに仕上がっていると思う。

掲載日:2004年12月18日
更新日:2018年8月21日


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