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グランディア エクストリーム
メーカー:エニックス
開発:ゲームアーツ
機種:プレイステーション2
発売年月日:2002年1月31日
価格:7800円
ジャンル:RPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
5 7 8 7 7 8 4 68
プレイ時間…70~80時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いのでやんす。
<システム・ゲームバランス部分>
・コマンド選択型のRPGながらリアルタイムに展開するアクション的な要素も組み合わさったグランディアシリーズの戦闘だが、今回は一層磨きがかかった印象。キャラクターの性能のカスタマイズが楽しく、強化を実感しやすいバランスであり、色々試すのが楽しくなる絶妙なゲームバランス・難易度設定が光る。

・キャラクターにはマグエッグ(魔法)やスキルブック(戦闘特性、ステータスの補強)をある程度自由にカスタマイズできるなど、育成面での自由度が高くなった。あれこれと要素は多めで全部フルに覚えるとなると大変だが、何となくの把握でも十分何とかなるバランスで間口は広く、各要素をしっかり把握して育成すれば、更に有利に戦闘を運べるって点でもやり込み甲斐がある。

<快適性部分>
・ロードはほぼ存在せず、セーブも全然待たされない。非常に快適。わしが遊んだプレイステーション2のRPGとしてはダントツトップ……と申すか、カセット時代のRPG作品と比較しても遜色の無い快適さ。ゲームの内容部分にしても、戦闘でCGムービーとか挿入されて演出過多気味だった前作『2』と比べると、過剰なムービー等の演出も無く、テンポ良くゲームが進行する。戦闘特化型のRPGとして、バトルの繰り返しの蓄積が苦にならない作りと言える。

<演出部分>
・BGMは過去作同様に重厚な作りで場面にも合ってるかと。
いやんいやん。
<演出部分>
・グラフィックはPS2世代の大作RPGとしては全体的にチープかな、と。キャラにしても地形にしてもポリゴン数が少なくゴツゴツしていて動きも固く、見栄えはあんまり良くない。まぁグラフィックを軽量化している事が読み込みの短縮に繋がってると思えば、この辺は一長一短ではあるが。

・漫画家の藤原カムイ氏がキャラクターデザインを担当しているが、過去作に比べるとデザインの魅力って点では見劣りするかなァと。どうもジミで華がない感じなのよね…。あと、年齢に比べてやたらと老け過ぎなキャラが多いのも微妙に気になる。

<シナリオ&設定部分>
・拠点が1箇所だけで後はひたすら地下に潜るダンジョンだらけであり、あちこち冒険する訳でも無く閉塞感が非常に強い。シナリオ展開に起伏が少ない事もあり、どうにもダレやすいのが難点。

・シナリオ部分はかなり端折った作りであり、感情移入もしにくい。ボリューム自体は無いわけではないのに、シナリオ重視で壮大だった『1』や『2』と比べると、どうしても小ぢんまりとしている印象。また、世界観の理解に必要な情報までまるで不十分なため、頻繁に置いてけぼりにされるのも作りとしては至らん部分だと思う。

<ゲームバランス・快適性部分>
・やり込み要素が豊富と言えば聞こえは良いのだが、ドロップアイテムの入手や魔法の使用に必要なマナエッグの合成など、運頼りの要素も多く、プレイ時間の水増しになっちゃってるように思えなくもナイ。

・ダンジョンは1つ1つが長いくせにセーブポイントが拠点にしか無いのが非常に不便だった(=長いダンジョンでも踏破まで通しで遊ぶしかない)。緊張感を増すって点ではプラスにも作用し得るが、隠しダンジョンとかクリア後に限っても良かったのでは。

・ランダム生成の機械的なデザインのダンジョンが多く、似た景色が頻発するせいで見た目でもマンネリ化しやすく、余計に戦闘だけの作業ゲーに感じやすいって点でも損してるよなァって思えたりも。
感想なのだ。
 『グランディア』シリーズながらナンバリングでなく派生作的な位置付けの作品。

 シナリオ重視型の作りだった『グランディア』シリーズとしてはかなり異端な作風であり、シナリオをバッサリと軽量化している一方、戦闘・育成・収集部分はやたらと充実しており、妙に尖った…と言うやら、やたらと割り切った作りになっているのが印象的ではあった。

 個人的には普段はシナリオとかよりシステム重視型の人間だとは思っているのだが、本シリーズはアニメ的な演出でシナリオ重視型のシリーズって認識だったが、本作はそれとは真逆のスタイルのゲームであった。出来が悪いってワケではないとは思うんだが、どっか違和感と言うやら「コレジャナイ」感が常時拭えず、「アレレ?グランディアってこんなんだっけ?」って戸惑いながら遊んでた印象が強い。コレはコレで良さもあったと思うが、壮大なシナリオ展開を期待するシリーズファンも置いてけぼりにしない配慮も必要だったんじゃないかな、とは思った。

掲載日:2004年8月2日
更新日:2024年10月29日


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