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聖剣伝説4
メーカー:スクウェア・エニックス
機種:プレイステーション2
発売年月日:2006年12月21日
価格:7140円
ジャンル:アクションRPG
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PS2版 サントラ 設定資料集 聖剣4と言えばMONO! (消しゴムじゃねーか! …てか投げないでね) |
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 6 | 4 | 3 | 2 | 6 | 4 | 36 |
まぁいいんでない? |
・グラフィックは(まぁ3Dポリゴン特有の微妙な固さはあったりするが)総じてイメージを崩さず3D化できている印象で、見栄えは良い。聖剣伝説特有の柔らかく絵画的な感じの表現は実現できていると思う。 ・ムービーも出来は良いと思うが、ゲーム本編から独立した見てるだけのムービーって個人的にはあんま重要視してない要素なんで印象に残らんかった感じではあるが。 ・イトケン(伊藤賢治氏)節全開のBGMの出来は良い。 |
アイヤー、イカンぞね! |
《システム・ゲームバランス》 ・落ちている物を敵にぶつけてのプレイを強要されるため、非常に窮屈なプレイ感覚である。…というのも、物をぶつけて敵を倒さんと、パラメータの成長に必要なアイテムが出ないから。つまり、落ちてる物を無視して手当たり次第に敵を殴り殺しているだけでロクに成長できずにどんどんジリ貧になるバランスである。「Havokの物理エンジンによるオブジェクト(作中でMONOなるダジャレで表現)の滑らかな挙動を実現!」とかしきりに宣伝されておったのだが、ミドルエンジンなんてのはあくまで開発側が効率化で楽するために存在する物であって、遊ぶ側には何ら関係ナイ。そんなモノを前面にアピールされてプレイスタイルまで強要されても面白くも何とも無く、遊ぶ側としてはそんな自己満足で終わられても困る、としか言い様がナイ…。 ・RPG的な色合いはほぼ無くなり、純粋なステージクリア型のアクションゲームっぽくなっている。まぁ極端な話、面白いならソレはソレでアリな気もするが、なんせアクションとして面白いって思える部分が皆無だからなァ…。まぁ元からスクエニってアクション作りが致命的にヘタで向いてないのに、なんだって歴史のあるシリーズ物でそんな無謀な挑戦をしたのやら。 ・章ごとにプレイヤーの強さは容赦無くリセットされるのに、敵側はガンガン強くなる。よって先に進める程にしんどくなる鬼バランスである。 ・前作までに比べると妙にアクション部分のみが強調され、RPG的な要素が希薄になっており、その作風の変化にも戸惑ったり。面白いなら思い切った刷新だってアリだったのかもしれんが、なんせこの有様ですんで…(苦笑)。 《快適性・操作性部分》 ・3Dのアクションゲームが定着してかなり経っている時期なハズだが、本作のカメラは出来が酷く、揺れが激しかったりめり込んだりで酔いやすいのが難点。ロックオン機能も大雑把で、壁や穴の向こうなどプレイヤーが到達できない場所にいる敵も平気でロックするのがトホホ。 ・挙動自体も超モッサリであり、前述の物をぶつけるのを強要されるバランスと相まって、アクションゲームとしての爽快感は皆無なのがキツい。 《シナリオ》 ・所々に挿入されるムービーに描写を集中させており、ゲーム本編での説明が総じて足りない。必要な描写が欠如しているが為に作中の人物への共感もヘッタクレも無く、頻繁に置いてけぼりになり「エッなんで?」ってなったりする。 ・で、何か展開があるとすれば住民の虐殺シーンとか胸クソ悪いシーンばかり続いて、それでいてその後の描写まで救いのない展開で余計にモヤモヤしたり、かと思えば前述の通りロクな描写も無いままいきなり好転して「ハァ?」となったり。どうもシナリオの存在自体がプラスになってない印象ではある。 ・PS1後半〜PS2期のスクエニらしく、かなりのCGムービー偏重な作りになってしまったのが残念(ついでに言えばムービー込みでも結局シナリオの描写・説明は足りてるとは到底言い難い)。カネ掛ける部分を間違ってると思うが。キレイなCGムービーを見るならそれこそ映画で良い。ゲームならもうちょっとゲーム本編で楽しませて欲しい、と申すか。 《演出面》 ・攻撃した時の効果音が何故か「ポコッ」とか「ポンッ」とかピコピコハンマーで叩いたような軽い音・弾けるような音なのには激しく違和感があったり。コミカルで魔物も殺さないRPGみたいなのなら兎も角、聖剣伝説って別にそういう路線でも無かったよーな…。 ・ムービー以外のシナリオパートはあさっと一枚絵で済ますだけである。説明は上述の通りまるで足りていない。手抜きもイイトコである。 |
感想なのじゃ。 |
13年くらい前に遊んでレビューも書いたての、載せるのをすっかり忘れてのを今更発掘したんで、記念に掲載…。 ちょっと外伝チックな物が続いた聖剣伝説としては久しぶりだったナンバリングの作品。前作からかなり経ってのリリースで、満を持してフル3D化して登場!!…だったのだが、何がどう狂ってこうなってしまったのやら、どこを切っても酷い内容であり、グラフィック以外は総じて「どうしてこうなった…」って酷さであった。 本作『4』とその前後のビミョーな内容の作品群で聖剣伝説ってIP自体が完全に廃れてしまったのが惜しまれる。 たまに強烈なコレジャナイな内容で総スカンとなるシリーズ物の新作とかあったりするが、ソレらと異なり本作が凄まじいのは「外注の下請けメーカにテキトーにブン投げて予算も監修も出さずに放置した結果ヒドイ物が出来てしまった」のではなく本作は「石井浩一氏ら、シリーズを長く手掛けて来た熟練の開発者が直々に手掛けてこの惨状」って所である。それだけに余計に救いが無かったと申すやら。 旧スクウェアから長く続く有力シリーズにトドメが刺されたって意味で、残念の一言であった。……のだが、わしが買ったのは世間様に広く出来がウンコであると知られた後、ワゴンセールの常連になって新品で980円とかで投げ売りされてるトコを捕獲したんで、わし個人で言えば別に被害は被ってなかったりはする。 どっちかって言うとクソゲーハンターとしての怖い物見たさと申すやら、その意味では見事に突き抜けたウンコっぷりで遊んでて「うわぁ…これは酷い…フフッ」って笑いすらこみ上げてしまうような内容なんだが、発売日に定価でコレ買っちゃったシリーズの熱心なファンは……んー、ご愁傷様としか言い様がナイ。 ホント、スクエニも何だってこの出来でGOサイン出しちゃうかなァ…(苦笑)。あ〜あ、『聖剣伝説4』、出ねえかなァ…(←オイ)。 |
掲載日:2021年12月14日
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