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FREEDOM WARS
フリーダムウォーズ
メーカー:ソニーコンピュータエンターテイメント
開発:ディンプス
機種:プレイステーションVITA
発売年月日:2014年6月26日
価格:6264円
ジャンル:アクション
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
6 | 7 | 3 | 7 | 1 | 6 | 4 | 38 |
ヨイノダ・マジデ大統領(注:よいとこである) |
・グラフィックやサウンドなど、(序盤の、だが)雰囲気作りは非常に巧い。まぁグラフィック自体は並レベルかそれ以下だと思うが、粗さに反して描かれ方自体は意外とそれを感じさせない巧さはある。荒廃した未来を描いた系のSF風味でよくあるといえばよくある手の作風だが、それっぽい雰囲気を演出する点については、とにかく良く出来てるとは思う。あと皮肉も一言添えれば、発売前に巧みに欠点を隠し、新規作ながら大作の扱いでゲーム誌に取り扱わせ、ユーザを多数取り込んだ広報が有能過ぎる。 ・移動から攻撃、他キャラのサポートまで色々こなせる茨アクション(ゼルダの伝説で言えばフックショットを更に多機能にしたようなモノ)がなかなか斬新で面白い手触り。時期的に恐らく参考にした物は漫画『進撃の巨人』の立体機動あたりだろーけどな(笑)。 ・キャラクタークリエイトの自由度は結構高く、意外と凝った物も作れる。パーツ数自体は実は多くないのだが、大きさの調整はかなり細かくできるお陰で、案外自由度は高い。 ・武器の種類やカテゴリが多彩で、それぞれが流用でなく割と大胆に異なる動きができるので、色々使ってみるのが楽しい作りではある。 ・序盤なら楽しい。ゲームバランスは破綻しておらず、そこそこ楽しい。 ・合成音声がプレイヤーの名前を割とそれっぽく自然に発音するところはちょっとビビった。 |
アイヤ・ダメナンデス副大統領(注:いかんとこ) |
・全体的にバランス調整が投げやりでいい加減。そのせいで、無駄に理不尽さを感じやすいストレスフルな作り。特に敵が強くなる中盤以降は酷い。味方CPUはまるでクソな動きしかしないのに、敵(ザコでも)は常時完璧にこちら側を認識しており、無駄なく最短距離で動き回り、恐ろしく追尾能力の高い遠距離攻撃とかブチこんで来る。一方の味方は棒立ち・もしくは付近をおろおろ動いて攻撃受ける一方とか、まるで自ら生きるのを放棄しとるとしか思えん無駄だらけの動き。攻撃被弾のモーションが必要以上に長く、ハメ殺しが頻繁に起きすぎるのも理不尽さに拍車をかけてる気はするんだな…。レベルデザインは完全に破綻、こんな大作ゲーム、どう考えても無いわー。 ・敵のモーションがおかしい。銃口がこちらに向いてないのにいきなりミサイルやらレーザーやらが攻撃モーションナシでいきなり湧いて頻繁に降ってくる。大昔のファミコンとかゲームならともかく、今のゲームでこういうのやられると物凄ーく興醒めすんのよねー。明らかに不自然で前時代的。少なくとも高性能な携帯ゲーム機でハード屋自らがこういう手抜きしちゃダメよな。 ・システムの説明をダーーっと一度にテキストで押し付けてくるのは勘弁して欲しい。わしみたいな学習能力が低い人間にゃ覚え切れんよ。 ・アクションゲームとして、一見斬新そうな作りに見えるが、実際のところはやたらとモッサリだったり取りうる選択肢の幅が極端に狭い、更に敵が固いせいでムダに戦闘が長引き易い。と言うか中盤辺りから敵も味方もハメ殺すのが基本。視界の外からの敵の射撃の精度があまりにも高く、それでハメ殺されるのすらザラ。結果、CPUに指示を出しながら自分は戦わずチョロチョロと後方をうろついて味方の回復だけ行うのが一番安定し、恐ろしく単調な作業ゲー化しやすい。アクションゲームなのに操作していて楽しいと思える点は思った程多くなかった…と言うか終始ストレスだらけでウンザリする事の方が多かった。 ・ロードが長い。ゲーム開始時、フィールド移動時にはもれなく10秒とか20秒とか級のロードが挟まる。しかも割と頻繁に起こる。 ・アイテムの強化は基本無料ゲーみたいなスタミナ制を導入。で、ストレス無くすなら課金せよ…ってオイ。基本無料ゲーはタダだからそこから収入得てるんだろ?これフルプライスのパッケージソフトよ?何考えてんの、アホか?同じ時期に出た同じSCEの『俺の屍を越えてゆけ2』でも感じた事だが、「従来できてた事をムリヤリにストレス組み込んで、ストレスを取り除くなら課金してね!」仕様があまりにもえげつなくて閉口。 ・世界観や雰囲気作りは非常に凝ってて巧みだなァ…と思ってたら、シナリオの描写は割と荒っぽく細かい点を頻繁に端折るせいでたまに話が意味不明になる。イベントは暗転多用で手抜きくさく、色んな謎は回収されずに風呂敷広げっ放しとかね…。結局シナリオ部分も色々手抜きで萎える。 |
スナワティ・コレ感想相(注:感想であーる) |
えーと、これ一応モンハン系の狩りゲーに分類されんのかな…。ストレスをゲーム性に盛り込んだもろにわしの嫌いなタイプの内容ゆえ、わしが「こりゃいいや、サイコー!」となる可能性は元から低かったと思うが、それ抜きでも色々と手抜きだったり杜撰な作りの部分が多く、色々と閉口させられた。…と申すか、狩りゲーとかTPSとか色々盛り込もうとして破綻した『二兎を追う者は一兎をも得ず』系のゲームと言えそうな。 このゲームとほぼ同時期に同じSCEから『俺屍2』が発売、「超大作が続けて登場ッ!!!」みたいな宣伝されとったと思うが、まさかそのどちらもが「ズコーッ!」な作りだとは思わんかった。SCEの国内スタジオの開発力低下、もしくはやる気の低下が悲しくなる自称・超大作、とは言えるか。思えばあの辺りからSCE自身、Vita投げる気マンマンだったな…。日本市場の重要性の低下がそのまま品質となって現れた作品とも言えそうな、なかなか切ないものがあるな…。でもな、このゲームや俺屍2みたいな売り逃げに近いレベルの背信行為(欠点を巧みに隠して期待の超大作と客の期待を煽って実際はズコーッ)の蓄積こそ、ユーザのゲーム離れの原因なんだと、わしは思うよ、ホント…。 |
掲載日:2016年6月20日
更新日:2021年2月9日
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