ドラゴンクエストVI
幻の大地

メーカー:エニックス
機種:スーパーファミコン
発売年月日:1995年12月9日
価格:11400円
ジャンル:RPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
10 9 9 7 5 9 6 75
プレイ時間…200〜250時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
いいわねェッ、サイコーヨ!
・グラフィック、サウンドが前作「V」から大幅に進化している。細部まで描き込まれたグラフィック、戦闘で滑らかに動く敵キャラのアニメに感動。カラフルで生活感のある街、細かいディテールにまでこだわったフィールド画面、ドット絵の1つの頂とも言える完成度な気はする。ドラクエは基本、『グラフィックはショボめ』って事が多いゆえ、綺麗なドラクエって意味では貴重かも。

・過去作よりも街中での移動が速くなったり、台詞を覚える機能があってイベントをこなすのが楽になったり、色々配慮されてる点は嬉しい。長時間のプレイも全然気にならない操作性の快適さもドラクエの良さですな。この辺はさすが、王者の風格。

・III以来、久しぶりの登場となる『転職システム』の存在によって、キャラを育てるのが面白くなった。Vから引き続き、魔物を仲間にできるのも楽しい。シリーズの良いとこ取りといった感じか。チクチク敵を倒して職を極めていくのは作業的になりがちなのだが作業そのものは案外楽しい。下地が良くできているドラクエならではなのかもね。

・2つの大陸を行き来するという、ちょっと『ゼルダの伝説』シリーズを連想させるシステムによってシリーズ特有の冒険感、壮大なスケールが一層パワーアップしているように思う。ボリューム感・スケール感だけなら、ドラクエシリーズでもトップクラスの出来とは思う。

・キャラデザの鳥山先生のドラゴンボールが佳境に入っとった頃の作品ゆえ、モンスターのデザインも丸っこい画風だった過去作、更にはドラゴンボール終了後に更に丸っこくなったデザインと異なり、かなりシャープで『カッチョイイ』雰囲気が前面に出た画風。今となってはドラクエ全体で見てみても逆に新鮮に思えるかもしれない。
だめナノ!
・戦闘のバランスがかなり大味。MPを消費しない特技の中には非常に強力なものも少なからず存在し、威力固定で使用回数が限定されている魔法のありがた味が薄らいでしまったのが残念。それによって、戦闘のバランスも大味になってしまったような気がする。非力なキャラクターはそれだけで損してる印象あり。

・時間をかけて転職を繰り返せばほぼすべての技を習得できてしまうので、キャラごとの個性が無くなってしまいがち。キャラクターのイメージとか特性によってある程度職業ごとに習得可能な技を分類するなどの工夫は欲しかった。

・物語の展開に今ひとつメリハリが無くダラダラと展開し、記憶に残りにくい感じがする。序盤の見せ方は巧いのだが特に中盤以降、展開的にグダグダになりがちで、モチベーションを維持しづらい。ドラクエの他作品でも同じような感覚はあるが、本作だと特にその傾向が強い気がする。
感想ヨー、シャチョサーン
 スーパーファミコン後期にリリースされただけあって、グラフィックの綺麗さには脱帽。音質もアップしてもはや言うこと無し。…と思いきや、肝心の中身はドラゴンクエストシリーズとしてはやや不満に思えることが多かった。質的な拡大より量的な拡大が優先されたイメージで、中だるみしがちなストーリー展開と大味なゲームバランスでどうも物足りなさが残ってしまった印象。いや、よくできたゲームであるのは確かだし、楽しい事は楽しいんだけどね。ドラクエに求める水準に届いてない所が多かったんかな…。

 DS等でリメイク版も出てるけど、仲間モンスターをバッサリシステムごと消し去ったり、結構な劣化移植だったりするんで、遊ぶならこちらスーパーファミコン版の方が良いかもしれない。まぁバーチャルコンソール等で配信はされとらんし、今から遊ぶとほぼ確実にカセットの電池が飛んでセーブできないだろうけど。いやー、出してくれんかね、移植版。ベタ移植で。

掲載日:2004年11月5日
更新日:2016年6月20日


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