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ファイアーエムブレム 紋章の謎
メーカー:任天堂
開発:インテリジェントシステムズ、任天堂開発第一部
機種:スーパーファミコン
発売年月日:1994年1月21日
価格:9800円
ジャンル:シミュレーションRPG


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 9 8 9 7 10 9 93
プレイ時間…500〜600時間以上
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
陛下!最高ですぞ!(良いとこ)
・ファイアーエムブレムシリーズ第3弾。ファミコン版第1作『暗黒竜と光の剣』のリメイクである第一部「暗黒戦争編」(一部にカットされた面とユニットはいるけど)と新シナリオである第二部「英雄戦争編」を収録している。第一部、第二部を合わせるとマップの総数は40以上にもなり、ボリューム面は圧倒的。難易度面でもメリハリが効いており、一部は割とオーソドックスに、二部は最初からかなりハードな内容になっている。

・壮大な物語がプレイを盛り上げてくれる。敵味方共に魅力的・個性的な人物が多いのも良い。

<快適性・バランス部分>
・ファミコン版ではやや重かった操作感が改善されており快適に遊べる。

・幸運値で敵の必殺率を相殺できるようになったり、闘技場でやられる前にキャンセルして抜けられるようになったり、プレイヤーに有利な方向でシステムが変更されたため、ファミコン版に比べると難易度は幾分マイルドになって遊びやすい。

・アーマーナイトやハンター等、ファミコン版ではクラスチェンジできなかった職業に上級職が用意され、活躍の幅が広まったのは嬉しい。

<演出部分>
・グラフィックはファミコン版に比べ見やすく進化している。戦闘アニメも大きくパワーアップし、動きもキビキビしているのが◎。地形や建造物が背景として表示されるので臨場感も向上。自軍キャラの顔グラフィックで使い回しが無くなったのは地味ながら嬉しい進化点と言える(ボス敵はまだ結構同じ顔の色違いはいるけどもね)。

・サウンドは音数はそれほど使われていないと思うが、重厚さがアップして漢臭さも増して(作曲者は女性ですけども)非常に聴き応えあり。
敵襲!そんなんじゃ死にますぞ!(イカンとこ)
<快適性・バランス部分>
・まだシリーズの初期の頃の作品なんで、全体的に作りに粗さはある。ゲームの進行に影響するようなタチの悪いものは少ないとは言え、細かいバグの多さが目立つ。

・後のシリーズ作品と比べると、ユニット間で強さの格差があり過ぎる。オグマ、ナバールやペガサス3姉妹等の強過ぎるユニットがいる反面、ビラクやマジ、ミシェラン等のハズレユニットがチラホラいる。勿論、弱いユニットをあえて連れていくなどの遊びが出来るのも本作の良さだが、未経験者に対しては初見殺し要素でしかない。情報がないままハズレキャラを使ってゲームを進めると詰まってしまうかも…。また、相変わらず主人公マルスや戦士がクラスチェンジできない。盗賊や踊り子などの非戦闘系要員ではないのに上級職が無いのは気の毒。

・序盤は易しめで徐々に難しくなっていく第1部と比べると、完全新作にあたる第2部は序盤から飛ばした難易度であり、初見殺し的で陰険な要素も多い。2作後の『トラキア776』に通ずる陰険さはあるカモ…(苦笑)。また、第2部は中盤辺りの展開がやや雑でその辺も惜しまれる。

<演出部分>
・発売延期を繰り返してようやくの登場となったせいか(=2年近く延期してたしね…)、同じ時期のスーパーファミコンの大作ソフトの中ではグラフィックがやや貧弱には感じる(全体的にスーファミ初期レベルの作りではある)。
THE 感想。
 ファイアーエムブレムの第3作で、初代『暗黒竜』のリメイク・ダイジェスト版と完全新作を収録した、初期FEの完全版的な位置付け。

 シリーズ未経験者にはとっつきづらい難しい部類のゲームだし、バランス調整も後続の作品に比べるとまだ荒さがある一方、自由度の高さやボリューム部分、シナリオそ壮大さやシミュレーションRPGとしての完成度の高さは今遊んでも健在と言える内容であり、確かな魅力はある。初期ファイアーエムブレムの完成形とも言える作品であり、戦略性の高さや重厚なシナリオ・圧倒的な物量などなど、後のS-RPGに与えた影響は大きいかと。

掲載日:2004年8月28日
更新日:2024年9月10日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 8 8 10 7 10 8 90
プレイ時間…200時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
報告!良いところでございます!
・ファミコン版のファイアーエムブレムの時は分かりにくかったステータス情報が分かりやすくなったり、ボタンの数が増えたのもあり細かく操作できるようになったりとプレイの快適さが増した。

・初代をプレイしていない人でもプレイ済みの人でも楽しめる初代ファイアーエムブレムのリメイクと、そのシナリオの続きの物語もあるので1本のゲームとしてのボリュームはとても多い。

・王道的なストーリーだった初代とは一味違い、二部は複雑な人間関係や国家関係が主になっている。一筋縄では行かない複雑なストーリーが後にファイアーエムブレムの基本になってきており、個人的にはこちらの方が好みである。

・ドット絵のみで表現されていた前二作から変わって美形揃いの顔グラフィックばかりになったのはとても良かった。これにより、ファイアーエムブレムシリーズ独特のキャラユニットを動かす魅力という要素にさらにプラスになったのが良かった。

・杖使いは杖を使うだけでレベルが上がるようになる、闘技場は途中でキャンセルが可能といった本作のゲームシステムの改良はありがたい。
報告!悪いところでございます!
・キャラの大きな優遇、不遇やゲーム初心者に対する配慮の無さ等がファミリーコンピュータ版の時とあまり変わっていなかったりする。

・二部では星のオーブを全て集めていないと最後まで進められない。どちらかと言うと理不尽な要素に近い気がするのであまりよろしくない。

・戦闘アニメOFFだとキャラがレベルアップした時にどれだけステータスアップしたのか一目で分からない。自分は戦闘アニメOFFで比較的プレイしているので、これは気になる。
なるほど、ならば感想だ。
 ファイアーエムブレムシリーズの中でも大きな売り上げを叩き出したSFCの『紋章』。初代を基準に改良点を加えて、ファイアーエムブレムの基本をさらに作り上げた名作。本作からファイアーエムブレムシリーズに触りだしたという人も多かったそうな。自分も一応、初めてのファイアーエムブレムは本作だった。

 本作以降もナンバリングを重ねるごとにファイアーエムブレムとしてのゲーム性がドンドン進化していっており、やはり後続のファイアーエムブレムの方が出来は良いところも多いが『紋章』はファイアーエムブレムの基礎を大きく進めてくれたと思う。

 個人的には初めて初代の暗黒竜の物語を楽しみたい人は操作性が今からやるとキツいFCの初代や、色々と問題点が見られるDSの新暗黒竜よりもSFCの本作の方が良いのではないかと思う。

掲載日:2016年10月31日


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