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星のカービィ3
メーカー:任天堂
開発:HAL研究所
機種:スーパーファミコン
発売年月日:1998年3月27日
価格:4800円
ジャンル:アクション(2D)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 8 7 8 7 8 79
プレイ時間…50〜60時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
いいカンジ。
・本作のすぐ前の『スーパーデラックス』ではなく、ゲームボーイ版『2』の延長上にある作品となっている。アクションを使い分けるのでなく、カービィのコピー能力と道中で待っている仲間との組み合わせによって謎解きしていくタイプ。操作もシンプルでユーザーに優しい。一方で謎解きとかも込みだと意外と手強くボリュームもあり、ヌルい一辺倒ではない作り(…と申すか、カービィ作品としてはかなり難しい部類に入り、手応えは相応にある)。

・水彩画風のグラフィックが素朴ながらも新鮮。アニメーションも独特の動きでイキイキしている。ゲームのグラフィックってのはどうしてもフォトリアル的な進化ばっかりが目立ちがちだけど、このゲームみたいなちょっと別方向を向いたユニークな進化のあり方はもっとあっても良い気はする。また、表現的な部分において妙にグロいとか変にシュールな表現がところどころで見受けられるのが意味深であり、また興味深いところではある…(笑)。

・前作同様、2人同時プレーが可能。2人用ではカービィの相棒「グーイ」を2P側が操作できる。ミスしてもその場で復活できるのでアクションが苦手な人でもそこそこ楽しめる。

・サムス・アラン(メトロイド)やどんべ(新・鬼ヶ島)など、任天堂の他シリーズのキャラがゲストのチョイ役として出演している。ファンにはちょっと嬉しい要素かも。

・スーファミの特殊チップ搭載のソフトは値段が高めに設定される事が多かったが、本作は5000円以下。値段が安いのは嬉しい。
ダメなカンジ。
・カービィシリーズとしてはかなりアクションの挙動が独特で、全体的に動きは遅めでモタつく感じではある。ダメージを受けた後の無敵時間も短く、連続でダメージを受けやすいのも、このシリーズとしては敷居が高い要素な印象。

・『スーパーデラックス』と違い、1つのコピー能力で出せるアクションは1つだけに戻ってしまった。アクションを使い分ける楽しさは薄い(本作の場合は仲間キャラとコピー能力の組み合わせで出せる攻撃が変わるため、技のバリエーション自体はそれほど減ってはいないけども)。

・同じスーファミの特殊チップを積んだゲームと同様に、セーブデータが妙に消えやすいのは困りもの。
感想ですけん。
 初期のカービィシリーズはシリーズ生みの親の桜井政博氏系の『桜井カービィ』(初代→夢の泉→スーパーDX)と、桜井氏が携わっていない『ノン桜井カービィ』(2→本作→64)とがあったが、本作は後者にあたる。
 絵本のような独特なグラフィック表現が目を引く作りで、「つやつやCG」かつ「技の出し分け」が印象的だった『スーパーデラックス』とは方向性をガラリと変えた内容になっており、ステージ構成も謎解きやミニゲームに比重が置かれた作りとなっている。

 既に次世代機にあたるニンテンドウ64が出て2年近く経ってからの登場であり、カービィシリーズとしては地味な存在だったと思うが、アクションゲームとしての作り自体はしっかりしており、ハード末期に相応しい骨太な内容に仕上がっているかと。

掲載日:2004年12月15日
更新日:2022年11月29日


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