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トルネコの大冒険
不思議のダンジョン
メーカー:エニックス
開発:チュンソフト
機種:スーパーファミコン
発売年月日:1993年9月19日
価格:9600円
ジャンル:RPG(ローグライク)
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 8 | 9 | 9 | 8 | 7 | 8 | 86 |
よかですたい。 |
・「詰め将棋的な戦略」、「毎回形が変わるダンジョン」など、これまでにないRPGを生み出している(厳密には、元となったゲームはPCの「ローグ」というゲームであるが、大幅にアレンジしてPCゲーマー以外にも親しみ易いカタチに進化させた事がスゴイ、と言った方が適切かもしれん)。 ・『ドラゴンクエストIV』で目立たなかった武器商人トルネコを主人公にしているが、違和感はナシ。むしろ、コミカルな演出はトルネコの親しみやすい容貌に合っているって意味で良いチョイスだったとは思う。 ・ゲーム自体がプレイ毎に毎回LV1からのスタートとなり、やや淡白に感じがちな部分を「店を大きく育てていく」という目的を明確にしてやり込み要素や目標を見失いがちなローグ系のRPGに於ける弱点をカバーしてある点もまた、巧みな手法であるかと。 ・グラフィックは突き抜けてキレイだとかいう感じのゲームでは無いが、従来のドラクエ本編では戦闘中でも一枚絵で動かなかったモンスターがイキイキと動くのはなかなか新鮮に思えた。 |
だめですばい。 |
・満腹度(※行動するたびに減少。0%になると動くたびに1ずつHPが減る)を回復するアイテムであるパンがあまり落ちていないため、シリーズの後の作品に比べると空腹でゲームオーバーになりやすいのがキツい。 ・「どこまで降りてもパンが落ちてない」とか「手持ちのアイテムが無い時にモンスターハウス」とか、理不尽な時はとことん理不尽ゆえ、そういうものだと納得できないと受け入れにくいゲームではあるかも。 |
感想。 |
わしの好きなシリーズである『不思議のダンジョン』第一弾。後の作品に比べるとかなり素朴な作りではあるが、基本システムは大まかには完成しとる印象。オマケ要素は少なめだけども、シンプルにまとまってて遊びやすい、とも言えるかもしれんですな。 アイテムや敵の種類も少なめで覚える事が少なくて済むって意味ではシリーズ未経験者には本作品の方が馴染みやすいかも知れませぬ。 |
掲載日:2007年8月4日
更新日:2024年5月28日
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
8 | 8 | 7 | 9 | 8 | 9 | 7 | 84 |
良いですぢゃ! |
・これまではコアなPCゲーマーの間でしか流行っていなかったローグライクというゲームジャンルを、不思議のダンジョンシリーズとして遊びやすく制作した点。RogueやNetHackといった、これまでの有名所のローグライクゲームではUIの悪さや難易度の高さなどからコアなPCゲーマーでもなければ取っ付きにくい物が多かったが、それらの難点をドラクエの世界に落とし込みつつ便利に遊べるようにしている。今では当たり前と言えるけど、コンシューマーゲームでローグライクゲームがまともに出てなかったこの時代に、ここまで『遊びやすいローグライクゲーム』の基礎を築いたのは流石としか言いようがない。 ・ドラクエシリーズに登場するモンスター達を、ローグライクゲームに登場する敵として上手く落とし込めている点。ドラクエ本篇の時にモンスター達が使っていた攻撃方法や特殊能力を、ローグライクゲームならではの攻撃方法や特殊能力として上手く変換出来ていて、ドラクエをプレイした事がある人なら敵の強さや特殊能力、アイテムなども一目で大まかな性能が分かると思う。 ・不思議のダンジョンに何度も潜っては帰還するのを繰り返して、集めたアイテムや資金で店を少しずつ大きくするというシステムがあり、店を大きくするごとに町の人々がダンジョンでのアドバイスを教えてくれるのも参考になる。後の風来のシレンシリーズでもそうなんだけど、そういった登場人物達のセリフも独特の味があって面白い。 ・ドラクエ4に登場したブクブク太ったヒゲオヤジが主人公というのもかなりの変わり種ではあるんだけども、運次第では緊迫した状況や悲惨な状況になるローグライクにおいては、こういうコミカルなキャラの方が適度に気が抜けるのである意味バランスが取れてるというか。自分もかなりの数のローグライクゲームをプレイしてきたものの、トルネコのようなコミカルなキャラや、デザインがリアル寄りよりもデフォルメした見た目のキャラの方が、過酷な状況に遭っても精神的には楽な気はする。これも全て計算の上なんだろうけども、プレイしていると本当にデブのヒゲオヤジに癒やされる…(笑)。 |
ダメですぢゃ! |
・最初に作られた『不思議のダンジョン』な事もあり、これでもまだ細かい点で操作性が悪く痒いところに手が届かない感じはある。仲間システムや合成システムといった、いわゆる『NetHack』でお馴染みのシステムは次作の風来のシレンから使われ始めてるものの、NetHackや最近のローグライクゲームに慣れ親しんでる人からすれば、システム面での物足りなさも結構感じるかも。アイテムの枠数が20と少なかったり、合成や稼ぎ手段なども乏しいので、他のローグライクゲームと比べるとわりとシンプルな面白さを楽しむ作りになっている。 ・本作の店を大きくしていくシステムは、ダンジョンから帰還するか敵に倒されて帰ってくる事が前提のバランスになってる事もあって、ある程度ローグライクゲームに精通してる人なら数回プレイすれば店を大きくする過程をすっ飛ばしてクリアまで辿り着いてしまう。なんの過程もなくいきなり店や街が大きくなるのはやや違和感があった。 |
感想ですぢゃ! |
まさに元祖『不思議のダンジョン』。一般的にはまだ馴染んでなかったローグライクというゲームジャンルを、不思議のダンジョンという名目で幅広く楽しめるよう作られた秀逸な作品。後のトルネコシリーズや風来のシレン等と比べるとシンプルかつやや小ぶりな作りになってるものの、始祖の始祖といえる『Rogue』に内容をかなり寄せているので、原点回帰さが今のプレイヤーからすれば魅力と言えそうな。 ローグライクとしての基礎はしっかりと作られているので、いまだに遊んでも中毒性の高い面白さが体感できる。他の作品とは違って、移植やリメイクなどはされてないのでスーパーファミコンとソフトを用意する手間があるのは手間だけども、元祖『不思議のダンジョン』の面白さを味わいたい人は是非とも。 |
掲載日:2020年8月11日
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