縮緬遊戯堂　レビューランド　ゲームレビュー　《VB　ジャック・ブラザースの迷路でヒーホー》

ジャック・ブラザースの迷路でヒーホー
メーカー：アトラス
機種：バーチャルボーイ
発売年月日：1995年9月29日
価格：4900円
ジャンル：アクション（2D）

映像	音楽	快適性＆操作感	独自性	難易度・バランス	ボリューム	総合評価
5	6	5	6	5	7	58

プレイ時間…5～6時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点

良ひ！良ひぞっ！！

・内容や見た目的にはまぁゲームボーイ中期頃（≒このソフトが出たのと同時期程度）のソフトと同等レベルなんだが、ちょっと違うのが右側十字キーによる攻撃。移動する向きに関係なく入力した方向に攻撃を出せるのがユニークな点。左に移動しながら右に弾を撃つ、とか出来たりするし、それが必要なレベルデザインになってるのが、まぁ“バーチャルボーイで出す意義”の部分にはなってるとは思う。

・パスワードで中断・再開できる仕組みは良し。4桁の数字だけなので「何十文字も入力でウンザリ～…」とかいう事態には陥らないのは良し。

・自機は3種類でそれぞれ性能が異なる。飛び道具型と近接限定型に別れ、ゲーム内容からして『飛び道具万能すぎですやん！』と思いきや、近接型は攻撃判定が非常に強く、道中の雑魚はほぼ一撃で倒せる。一方ボス戦では飛び道具型の方が間合いを維持し易く、得意と苦手分野が適度に割り振られており、思いの外キャラ間のバランスは取れているように思う。

・ハードメーカーでもある任天堂のソフトですら『ファミコンやゲームボーイの、しかも初期のホント初期の原始的なゲームをそのまま立体視対応してみました～』程度の芸の無いゲームが多いバーチャルボーイの中で独自性を出そうとしているのが感じられる心意気だけは買いたい。

イカンぞな。

・自機、敵、背景が同じくらいの明るさなんで、判別が付きづらく目が疲れる。『何か敵がいる』ってのは判るんだが、どの種類の敵なのか判別が付かず、結果対応を間違ってミス、時間切れ…とか頻発するのがしんどい。

・キャラが大きく表示されているのは良いが、視点が近いので遠景が見渡せず視界外から攻撃もしくは敵自体のいきなりの突貫とかが多い点は『ストレスへ直行』要素。もっと引いた視点で全体を把握できたら良かったんだが。

・ステージ最後で待ち受けるボスで死んでもボスからでなく、ステージ最初に戻されるのがキツい。

・上の欄にて「心意気は買う」とは申し上げたし難易度自体も高いから「ヌルくて退屈」って訳ではないはずなのだが、遊んでて淡々としている…というか、ストイック過ぎて壁に当たると超えられる見込みが無いように思われ、前述のコンテニュー仕様のえげつなさもあり、冷めるのは早い。

・バーチャルボーイはセーブ機能が無いから仕方ないが、毎回ステージ開始毎に説明が強制的に入るので、テンポが阻害されてるのは気になった。ゲーム開始時に「初めてですか？」って聞いてきてYESの時のみ説明が入るようにしてくれればよかったんじゃないかな…？

感想ぉぉう。

　立体視ではなく操作の部分にバーチャルボーイならではの必然性を持たせているのがユニークな点。十字キーと1ボタンだけで済んでしまうゲームが大半のバーチャルボーイの中では数少ない『2つの十字キーを活かした』系のソフト。
　まぁ内容としては謎解き要素をほぼゼロにし戦闘の比率をグッと高めた『ドルアーガの塔』とでも例えるのが近いかな。シンプルながらも手応えもあるのだが、遠景が見えず視界外から頻繁に攻撃が入る点だとか、難易度上昇のスピードが早く救済措置も無い。そのため、壁にぶつかると超えられる気がしないバランスだとか、プレイヤーを萎えさせる方向で難易度が高まってる点が残念。

掲載日：2015年2月9日

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