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不思議のダンジョン
風来のシレン3
からくり屋敷の眠り姫
メーカー:セガ
開発:チュンソフト
機種:Wii
発売年月日:2008年6月5日
価格:7140円
ジャンル:RPG(ローグライク)
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
7 | 6 | 5 | 5 | 4 | 8 | 4 | 51 |
最高じゃ! |
《全体的な印象・バランス面》 ・シレン(万能型)、センセー(二刀流専門)、アスカ(両手持ち武器可能)と、異なる性能の操作キャラが用意されているって点は面白い(バランスが取れてるかは微妙だが)。感覚としては『ポケモン不思議のダンジョン』の発展形と言えるかも。仲間と一緒に行動するダンジョンがメインだが、細かく指示できたり行動パターンを設定できたりする点はある程度配慮されとると言えるか。 ・お札などの新アイテムやアイテムを強化したり増やしたりする竜脈、剣を2本装備して2回攻撃を行える二刀流など、マンネリを打開する新要素の追加は歓迎したい。“祝福”や“肉”など、過去の作品で評価の高い要素が採用されているのもいい。フィールドでは杖や巻物が使えなくなる“封印床”の追加がプラス・マイナス両面を持ったいい追加要素だと思った。 ・Wi-Fiで救助のやり取りがやりやすくなったのは面白い試み(従来型のパスワードでのやりとりができるのも良い)。オンライン配信されるダンジョンなどの細かい追加要素もいい。 《快適性部分》 ・足踏み回復時に時計マークが表示されるようになり、近くに敵がいるかどうか判別しやすくなったのは◎。 《グラフィック&サウンド》 ・グラフィックの見栄えはそれなりに良い。イベントシーンも迫力はある。 《ボリューム》 ・シナリオ本編だけでもかなりの物量があるし、シリーズ恒例のクリア後等の追加ダンジョンも豊富に用意されており、ボリューム面は豪華な作り。 |
イッカーーーン! |
《全体的な印象・バランス面》 ・ってかそもそも何で『ローグライク』を否定する方向性に進んだ?レベル&持ち物維持などの救済措置が導入されたのはいいが、ゲームのシステムに関してチュートリアルらしい要素も少なく、初心者向けが楽しむには依然として敷居が高い。それら初心者対策要素の導入の弊害として、1回の行動の持つ意味の重さやシリーズ特有の極限の緊張感が薄らいでしまったのがある意味致命的な欠点。 ・各ダンジョンのボスには大抵、巻物や杖などのアイテムが効かないので、“回復しつつ殴りあう”という力押し戦法しか取れないのがツマラン。すなわち、装備品の性能や回復アイテムの数のみに大きく依存し、“装備が弱くとも様々なアイテムを駆使して活路を開く”といった戦略が取れないのが不満。作業感が強い。 ・敵の属性はややこしさばっかり増して面白さを感じない。シレンのゲーム性と言えば一見デメリットしか無いのに使い方によってはメリットになったりするのが面白かったものだが、これら要素は純粋に嫌がらせ要素でしかなくてユーザ側で活用できないのも邪魔。これは無くてもよかったと思う。 ・前作『2』であったモンスターを集めるもののけ王国や武器コレクションなどのやり込み・コレクション要素が軒並み無くなったのは×。 ・同行する味方キャラが1人でも死ぬと即アウトである。にも関わらずCOM任せだと妙に動きがアホでイライラする。全部プレイヤーが動かすモードもあるが、テンポが恐ろしく悪くなるため常用はキツい。この辺の調整もかなりイビツな印象。 ・ゲーム開始時にノーマルかイージーから難易度を選択するのだが、ミスした時にリセットでやり直せるかの違いしか無く(ノーマルだと強制的にセーブされるためやり直し不可)、しかも後から変更できないのが不親切。本作の場合にノーマルモードでミスした場面に再挑戦となると、その階層に合う装備を鍛え直す所からやり直す羽目になり、恐ろしく面倒臭い(=ひたすら面倒なだけであり、蓄積型のゲームバランスと絶望的に相性が悪い)。 《快適性部分》 ・ロードなどの待ち時間はWiiのゲームとしては長め。特に気になったのは町での建物の出入り(3〜4秒程度)とゲーム開始直後のロゴ表示(15秒程度)。また、前作『2』であった、地形に沿って自動でダッシュしてくれるiダッシュ機能が無くなったのは不便。敵が弱い階層では便利だったんだがなー。 ・Wiiリモコンははボタン数が足りず不向き(ボタン配置の関係上、下手するとゲームボーイとかより遊びづらい)。従って、ボタン数の多いクラシックコントローラでのプレイがある意味必須。不満なのはゲームキューブコントローラに対応してない点。 《グラフィック&サウンド》 ・BGMの多くはすぎやまの大将作曲のモノから変わってかなり劣化した感は否めず。今回の曲も悪いとまでは言わないが、名曲揃いのこれまでのシリーズと比べると明らかに落ちる(印象に残らない曲が多い気がする品)。ヘタに変えるくらいなら前の曲をそのまま使ってもらった方がまだマシだった。まぁ著作権の鬼・すぎやまの大将はギャラが高くて、あんま売れんシレンじゃやってられんのかもしれんが。 ・シレンシリーズでは初めて3Dポリゴン化されているのだが、先にPS2でポリゴンになった『トルネコの大冒険3』での欠点「モーションがトロくさくてテンポが悪い」点や「視認性が良くない」部分」までそのまま踏襲してしまった感があるのが残念。 《シナリオ部分》 ・シナリオ重視なのはソレ自体は別に悪いと言わないし、話自体の出来も否定する気はないが、終盤の展開はちょっとぶっ飛び過ぎな気がした。過去の設定とか置き去りにしたぶっとび展開はどうも受け入れかねる。個人的には若干置いてけぼりを食ってしまった。 |
感想である。 |
ナンバリングとしては実に8年ぶりに出た『風来のシレン』シリーズ本編の待望の新作。 遊んだ感覚はこれまでのシリーズとはかなり異なる感じに仕上がっている。最大の変更点で遊ぶ前は最も懸念していた、ミスしてもレベルが1に戻らないレベル継続制の導入だが、遊んてみるとソレ前提で調整されているお陰か、物語を楽しむ重視の作りと思えばこれはこれでアリと言えなくもない。これまでとはかなりかけ離れたものになっているので、シリーズ経験者でも新鮮な気分で遊べそうだし、イージーモード等の導入によりこれまで不思議のダンジョンを敬遠していた人でも楽しめる部分はあるかもしんない。 …とムリヤリにポジティブに解釈すりゃそう言えるかもしれんが、全体的に言えば『傑作だった過去作からゲーム性を変えたせいで劣化した部分が多すぎる』、コレが痛い。ローグライクを否定する味付けになっており、一手一手の重みは無い。かと言って途中で装備を失えば鍛え直すのはめんどくさい。どうもシステム刷新したのは良いが、まるで練り込みが足りんのよね。そしてこのシリーズに求められてるのは別にシナリオの壮大さでもグラフィックの豪華さでもない。どうも力の入れどころはチグハグだわ、良かった点は全てぶち壊しになるわで作る側の意図がワカラン、シリーズ屈指の迷作と言えそうな。 思えば風来のシレンの迷走ってこの時期あたりから始まってるよなァ。求められてるのは安直なイメチェンや見た目の良さじゃなくて、地味でも楽しい突き抜けたバランスの良さ・深さだったと思うのよね。最近はコラボ物ばっかで本編のシレンは出ない。コラボ物の方も売れてるとは言い難いし、今からでも目ェ覚ましてやる気出してシリーズの原点に回帰した地味でも面白いシレンをまた出してくんないかなー。無理かなー…。 |
掲載日:2008年6月13日
更新日:2021年10月26日
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