斬撃のREGINLEIV
メーカー:任天堂
開発:サンドロット、任天堂 企画開発本部
機種:Wii
発売年月日:2010年2月11日
価格:6800円
ジャンル:アクション(3D)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 7 6 10 9 9 8 86
プレイ時間…70〜80時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良かですたい!
・なんと言っても外せないのは圧倒的な爽快感。巨大な敵をバッサバッサと斬り捨ててなぎ倒す感覚は他の作品ではなかなかマネできない個性的な部分と言えるのでは?出血しまくりで血の雨を見るハメになるのも区分「D」ならではか(苦笑)。「リモコンフリフリ」系ゲームの最高峰とも言える出来。小粒でミニゲーム的なノリの多かったフリフリ系ゲームの常識を打ち破る快作と言える。基本的には別物なんだけど、多数の敵を爽快感と言う観点ではコーエーの「無双」シリーズに通じるモノがあるかもしれない。

・敵自体の動きも非常に凝っている。部分部分にダメージを与えられるが、腕をもぎ取られれば足で踏みに来るし、下半身を失えば這ってでもプレイヤーを殺しに来る敵。凄く執念を感じられるこだわりの出来栄え。動きが妙に人間臭くていい。基本的に複数のモーションがあるのは大型の敵のみだけど、その大型の敵の種類自体も結構な物なので、パターンは膨大。難易度を高めて遊ぶとパターンと執念深さは更に増し、手強さが飛躍的に上昇する。うむ、凝った作りねえ。

・武器の種類が「これでもか!」とばかりに豊富に用意されており(剣や槍や斧といった他のRPGでお馴染みの物から火器とも言える魔法を放つ杖とかまでウン百種類とか!!)、しかもその各々にしっかり個性(射程・スキの大きさ・威力・連打性能・敵の動きへの影響などなど、細かい挙動の違いの違い)がある。ここまでの作り込みには敬服する。

・難易度を選択可能である上に、体力は事実上いくらでも上げられるので、アクションが苦手でも同じ面でコツコツ練習したり素材を集めたりして地道にキャラとか武器を成長させればいつかは報われる、と言う点ではユーザーに優しい。

・戦闘中、仲間やCOMが色々セリフを言うのでにぎやか。また、市民の逃げ惑う悲鳴が響き渡るのがなんとも残酷(苦笑)。やたらとにぎやかなのも個性的。って言うか、終始、悲鳴の連続。地獄入ってます。なんと素敵な阿鼻叫喚!!あぁ、褒め言葉ね…、これ。
ダメですばい。
・これはなんと醜い処理落ち!!確かに動くモノが多いし大きいから処理負担がデカイのは理解できなくもないが、頻繁に処理落ちするので動きが重くなり快適性が幾分犠牲になってる感は否めず。敵が密集する地帯や氷の杖等、マシンガンのように一度に多数の弾を発するモノを使用した時は特に酷い。酷い場面では秒間2〜3フレーム程度までカクつきが悪化、マトモに操作を受け付けてくれない場面すらあり、かなりストレスが溜まる。この点は自分がやったこれまでのWii作品の中では最悪級かも…。少なくともWiiの任天堂ブランドでは最悪レベル。

・グラフィックの質感もちょっと滲んだ感あり。演出の手法は大胆だけど、質自体はそれほど特出してない。遠距離のオブジェクトが近づくにつれてポンポン湧いて出てくること、斬った敵の死体が一定時間経つと急にパッと消えてしまうこと等もちょっと前時代的かな…。ま、これはハード面での性能の制約面に拠る部分が大きいと思うんだけどね…。キャラのモデリングもあんまり良くないかなぁ。デザイン的にも主要キャラのアゴが妙に尖ってるとかアクは強い。

・操作の方法について色々調整できるようになっているが、逆に言えば初期の状態ではしっくり来なくてストレスを感じる場面も少なくなかったり。任天堂にしては珍しい調整の甘さが惜しい。自分で色々試して微調整する必要があるのが楽しいとも言えるが同時にメンドクサイ…とも言える。ま、調整できないよりはよほどマシかもしれんが。

・回避移動(神速)が意図する方向とは別方向に暴発してしまうことが多いのが気になった。色々調節してみたが、ヌンチャクを立てるようにすることや連続で出さないようにすることくらいしかうまくいく手段が無い…。あと、普段の移動スピードが遅い。ダッシュボタンとかあれば良かったのだが。

・武器作りに必要な素材を集めるのが作業的になりがち(レアな結晶とかを集めるのは特に面倒)。
感想ですけん。
 究極の「リモコンフリフリ」ゲーム登場!!Wiiでリモコンを振る操作を使うものは陳腐なミニゲーム集とかが大半でしかも作り込みが甘いものばかりだったが、コイツは違う。圧倒的な爽快感と臨場感。Wiiならではの要素を持ち合わせた数少ない快作。良くも悪くも非常に尖った出来で個性的。ただ、優れた所が多い一方で、粗削りで気になる所も少なからずあるので、「面白い〜!最高!!」って感じるか「細かい部分が色々とちょっとなあ…。イマイチな気がする…。」と感じるかは結構遊ぶ人によって割れそうな印象はある。

 個人的には欠点込みでも充分楽しめてるから良いけど、誰もが満足する「万人向け」系の作品ではナイ!…とだけは言えるかもしんない。色々大味な部分が多いのが原因だと思うんだけど、その大胆さも個人的には味だと感じている。よって、とりあえず、細かい部分への突っ込みは我慢して数時間遊んでみてもらいたい系統の作品ではあるな。いいとこと悪いとこが両極端で細かい部分への不満点は非常に多いが、それを補って余りある魅力も持ち合わせた作品であるとも感じたので。

 あ、あと、試しにWiiモーションプラス、外して遊んでみました。ん〜、ちょっとイマイチですな。画面外に照準が出るといちいち警告メッセージが出て無粋だし、何よりその時点で操作を受け付けなくなるため操作性がガクッと落ちる。モーションプラスは意地でも着けといた方がいいです、まぢで。しかし、任天堂HPの「社長が訊く」インタビューだと、当初対応してたのはノーマルコンオンリーだったとのことだが…、こりゃ、無理してでも「プラス」に対応して正解だったと思うヨ。


 しかしまぁ最近になってまたハマっていたのだが、このゲームの処理落ち・カクつきは非常に惜しい。これが無きゃ快適性の項目は+2点、総合点は90にも乗ったと思うんだけどね。WiiUの性能でカクつきのない本作リメイクをちょっと遊んでみたいと思う今日このごろ。

掲載日:2010年12月12日
更新日:2015年3月9日


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