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大乱闘スマッシュブラザーズ
for WiiU

メーカー:任天堂
開発:ソラ、バンダイナムコゲームス
機種:WiiU
発売年月日:2014年12月6日
価格:7200円
ジャンル:アクション(2D・格闘)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 8 6 5 7 7 71
プレイ時間…25〜30時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良かですたい!
 →3DS版『スマブラ for 3DS』とほぼ同等ですんで、3DS版のレビューを見てネ!!ゲーム内容自体は一緒なんで、いい所も一緒です。

<以下はWiiU版で新た感じた点>
<全体のバランス面>
・細かいゲームモードの差異はあるがほぼ3DS版と同等のクオリティ。目新しさは皆無だが、まぁ出来自体はすこぶる良い。定番タイトルとしての安定感とスマブラ初のHD品質のグラフィックってのがまぁ妥当なウリなんでしょうね。競い合う仲間が身近にいれば年単位で長く楽しめる事請け合い。

<ゲームモード・ボリューム面>
・同時対戦できる人数がシリーズ最多の8人に!!…まぁ人数分のコントローラ、そして何より一緒に遊ぶ7人のお友達がいなきゃならんので、フル装備の環境で遊べるユーザさんはそんないるようには思えんですけども。

<演出面>
・グラフィックは際立って綺麗!!…って程でもないと思うが、まぁ順当に力は入ってはいるかと。大きい画面で遊べる事&解像度自体が二回り程高い事も相まって視認性の良さといった点では3DS版よりこちらの方が大きく上回る。

・サウンド面はX・for3DS同様、多数の作曲者が色々アレンジを加えるタイプの物。方向性は過去作と一緒だし、その過去作から全く同じ流用曲も少なくない。…が、結構な数の新曲もあり、アレンジ具合も『X』の時より原曲を尊重したアレンジが増えたように思えるのは好印象。

<操作性・快適性>
・「いつまでかかるの?」とか「何度ロードすりゃ気が済むの?」とかブチ切れ級だった『X』よりもロード時間は大幅に改善。まぁほぼゼロだった『DX』よりは長いけど、許容範囲内には収まっている。細かいロードは3DS版より多いが、電源投入時はこっちの方が早い。総じて、ロード時間にことさらうるさい筆者でも我慢できるくらいなんで、大抵の方ならノーストレスで遊べる範囲でしょう。

・3DS版では解像度の低さから小さいアイテムが潰れて見難かったりしたが、こちらではそのような心配は皆無。

・対応コントローラの多さは魅力。ゲームパッドでの操作性は正直良好とは言い難いが、代わりに好きな物から選んで自由に使えるのが据置機ならでは。
ダメですばい。
 →不満点も3DS版『スマブラ for 3DS』とほぼ同等ですんで、3DS版のレビューを見てネ!!3DS本体に起因する欠点以外はまんまWiiU版も一緒です。

<以下はWiiU版で新たに気になった点>
<キャラ・バランス面>
・ひと通り動かせるようになるまでに覚えるべき事柄が作品を重ねる毎にどんどん肥大化して確実に敷居は高くなっている。対人戦はおろかCOM戦でも的確な入力やガード、小ジャンプからの空中攻撃等が必須に近いレベル、かつゲーム内ではレクチャーらしいレクチャーもナシと、一般的な格闘ゲームが陥っていた新作が出る度にどんどん敷居が高くなりユーザをふるい落とす法則なるドツボにはまりつつあるなぁと。この欠点は3DS版と一緒だけど、結構な問題だと思うのでこっちにも載っけときますね。

・for3DSの時点でXの焼き直しバージョンって印象が強かったのに、同時開発なだけあってホント新作遊んでる…って実感に乏しい。まぁある意味ただの機種違いの同時発売相当だから同じで当然と言えば当然なんだが。とは言え、そう言った事情がわかってても、キャラの顔ぶれは3DS版と同一、挙動も完全に一緒なんで、新しいゲームを遊んでるワクワク感は起きない。まあ多少モードの違いはあれど、一言でいえば『for 3DS HDver.』って感じですかね。ほぼ同内容の3DS版から2000円高くなってるってのもネックと言えばネック。

・対人戦でも十分卑怯レベルなカウンターだが、高レベルCOMプレイヤーのそれはもはやインチキレベル。COMの強さ・賢さは3DS版より上に感じるんだが、このWiiU版の動きを瞬間で見極めた上での超反応でカウンター決めてくんの、なんとかなりませんかねー…。アレ、反則でしょ?3DS版ではさほど感じなかったけど、こっち側の強い方のCOMだと恐ろしい程の超反応で的確にカウンター決めてくる。投げとか飛び道具で対向するしかないけど、スマブラは投げではほぼ勝負は決められないし、飛び道具は無いキャラではどうしようもない。カウンター系の技って作品を重ねる毎に何故か強化されてるんだけど、リスク&リターンのバランスが取れてないと思うんだけどなぁ…。ほぼ確実にカウンターできるならばカウンター失敗後の硬直はリスクに入らんし、精々投げられるしかリスク無いわけだし。X以降、投げからのコンボとか決められない方向でバランス取りされてるから、投げ→相手ダウン中にスマッシュ当てる…とかすらできんし、攻め手が無いっすよ。巧い人なら別かもしれんが、少なくとも筆者の腕前では八方ふさがり。この点も上記の敷居の高さに絡んでる欠点と言えそうな。

・クリアゲッター(Xbox等で言う実績みたいなの)の上の方が相変わらず鬼仕様。個人的にはイラつくだけだからそういう類の物って最初からついてく気ゼロなんだけど、そこでしか手に入らんオマケ(BGMとかまである)を用意するのって上級者のみを優遇してるって分からんものかなー…。何故かご丁寧に強制解除アイテムもそこだけ使えないようになってるが、そもそも実績システムなんてプレイヤーの自己満足目的な訳で、その部分でプレイヤーを露骨に差別するような真似されると、一気に萎えてしまう(オンラインで他者に公開するでもない本作なら尚更)。個人的には桜井氏のゲームは好きなんだけど、ここの要素だけは好きになれない。氏のゲームは作品重ねる度にこの部分は酷くなってると思う。

<各モードについて>
・スマブラ版ボードゲームと言える新モード、『ワールドスマッシュ』が妙にゴチャゴチャしてて遊びづらい、そして何よりもあんまり面白いと思えない。しっかり覚えようとするとルールの多さ・細かさが鬱陶しく感じる。まぁそんなの意識せずにアバウトに遊べるようにもできているけど、バランスはかなりカオスな感じで大味である事は否めず。また、ランダムで全てのキャラから使用キャラを指定されるので、特定のキャラしか使わんって方には辛い内容だと思う。

・ステージの半分くらいが過去作品からの流用ってのはどうかと思うが…。ただでさえ過去作と似た部分が多いのにねぇ。

・Wii『X』に続いて登場キャラの出典作品が数分だけ遊べる『名作トライアル』モードが搭載。…ただ、結局数分しか遊べないのも一緒で原作の良さを知るには全然至らんと思う。とりあえず一言、『たかが数分遊んだ所で面白いと感じるものか!?何が分かると言うのだ!?』。アクションは良くて最初の数面、RPGだと最初の戦闘にすらたどり着けない。これのために桜井氏は相当に関係各方面に骨折りしてると思うけど、想像される苦労の割に良さが無い。…のでここに力入れる位なら、こんなの撤廃して他に注力してもらった方が余程嬉しい。

・amiibo(データ保存機能のついたフィギュア)試してみました。…うん、まぁ、オマケ要素って感じで。ようはAI育成モードなんだが、LVが上がって何となく強くなってくのはわかるが、一部の目立つ特殊能力以外はパラメータが反映されてる実感に乏しく、遊んでいて刺激が少ない。

<操作性・快適性>
・コントローラのカスタマイズは名前毎に登録されるのだが、モードをまたぐ度に名前が『プレイヤー1』(デフォルト)に戻されるので、名前を選び直すのが面倒。電源切るまでくらいは保持してくれんもんかね…?

<以下はスコアには反映してない気になった点>
・ゲームパッドでの操作性はあんまりよろしくない(桜井氏がわざわざゲームキューブコントローラを引っ張り出してくる理由が分かった気がした…)。L/R方面の入力しづらさと言ったら…。正直3DS版の方が配置的にマシなんじゃないかと思うくらい(さすがにアナログスティックがある分だけスマッシュ攻撃はゲームパッドの方がやりやすいケド)。ゲームと言うよりはハードその物への不満点だが、正確で素早い入力が必要なゲームとWiiUゲームパッドの相性はお世辞にも良いとは言い難い。任天堂のゲームは大半がアクション寄りのゲーム。3DSで右側アナログを搭載せずケチったり、画面乗っけるために他を犠牲にした「WiiUゲームパッドといいどうも最近の任天堂は奇抜さ重視で基本的な操作性を犠牲にする事がチラホラ見られるようになってきたのが残念。ロクヨンやキューブ時代には執念深い程に快適性・操作性の良さにこだわっていたのだから、その当時の志を忘れず、次のハードではあくまで『ゲームが遊び易い事』を最優先に設計して欲しい。

<グラフィック・サウンド>
・細かい点だが、ロードの際によく音が飛ぶ・一瞬音が止まる。細かいノイズが入る事もあり、やや耳障りだったりも。
感想ですけん。
 うん、まぁ、順当に楽しいですねWiiU版。超絶綺麗!!…とまでは言わんですけどグラフィックも良いし大画面で遊べる分だけ視認性が良い。サウンド面でも収録曲はこちらの方が数倍あるし、音質自体もいいからね!ただ、据置機だから携帯機より綺麗なのは当たり前であって、値段が2000円高い分だけの+α分がこのWiiU版にあるかって問われると正直「微妙」。グラフィックやサウンドは綺麗だけどゲーム部分が一緒なんでね…。生粋のニンテンダーは演出部分だけじゃ驚かんのですよ(※切実)。
 1人用のモードでまぁ多少の違いはあるけれど、基本的には3DS版のHD版+ちょっとアレンジ、って程度かなぁ。3DS版はほぼ実質同一作品とは言え、X→for3DSよりも更に変化が少ないって点ではマンネリの域にあり、刺激は少なかったりする。あと、やたら力を入れて宣伝されてたワールドスマッシュはハッキリ申し上げて面白くない。とは言え、基本の大乱闘・システム自体の出来は良いからダラダラとしっかり遊べるのは◎。遊んでて刺激が無いのは3DS版を既に100時間遊んでる事や大体が事前の予想通りの出来で驚きが少ない事が関係してるのかな?
 まぁあれやこれやと文句は言ってますけどもアクションゲームとしての出来はやっぱり一級品ゆえ、WiiUユーザなら『とりあえず持っておきたいソフト』には入ると思う(実際、WiiでのWiiスポやWii Fitみたいな新規のバケモンが出ない限りはこのスマブラがWiiU最後の国内50万〜100万本クラス狙えるソフトだろうし…→とか言ってたら2015年にスプラトゥーンなる新規のバケモンは出て来たけどな、一応)。

 ガチンコでネットで対戦するユーザの方なんかだと、好きなコントローラを使えてネットに有線で繋げるこちらWiiU版の方が俄然環境面では優れてるとは言えそうだけど。ボッチ系かつネット対戦に思い入れのない方ならば手軽に遊べると言う点で3DS版の方がオススメかな。グラフィック表現において差はあれど、ゲーム内容やシステム自体はほぼ3DS版と一緒。アルツ個人としてはスリープでいちいち電源ON/OFFしないでいい3DS版の方が手に取り易い。グラ重視の方だとWiiU一択ってなるかもしれんですけど、ゲーム内容自体には差が無いんで、グラで選ばん自分には3DS版の方が手軽でいい。
 出来自体は3DS版同様に良好ゆえ、3DS版持ってない方は是非どうぞ。3DS版を持ってるけどそんなにこのジャンルに思い入れない or 一緒に遊ぶ人居ない or オンラインに興味無いって方はまぁそんな慌てて買う必要は無いかもしれませぬ。3DS版の時点で滑らかな秒間60フレームは実現してるんで、基本的にファンアイテム、あくまで大画面で遊びたい&3DSでは操作しにくいプレイヤーさん向けでしょう。

 基本3DS版と同内容なんですけども、そちらより2000円高いのにグラフィック以外は大差ナシで新鮮味に乏しいゆえに、“満足感”の部分においてどうしても物足りなさが出てきてしまう。ガチでネットで勝敗競う格闘ゲーム好きの人なんかだと3DSとWiiUじゃ全然印象違うんでしょうけども、格ゲー下手の自分みたいなユーザに対して『こちらならでは』と訴求する力がかなり欠けてるかな、と。それと、純粋に3DS版のフィールドスマッシュの方がWiiU版のワールドスマッシュより面白い。それら要素を鑑みて、3DS版より総合点落としてます。とにかくガチで特上・最高級の環境揃えたいって場合でも無い限り、しっかり3DS版で楽しめるんで、筆者的にはそちらがオススメですな。

掲載日:2014年12月15日
更新日:2018年7月10日


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