Splatoon
スプラトゥーン

メーカー:任天堂
開発:任天堂情報開発本部
機種:WiiU
発売年月日:2015年5月28日
価格:5700円
ジャンル:シューティング(TPS・アクション)


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WiiUディスク版/DL版
  
amiibo
ガール ボーイ イカ

サントラ

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
9 10 10 10 9 8 95
プレイ時間…800時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良いんじゃなイカ。
《ゲームデザイン》
・WiiUのゲームはあろう事か任天堂自身がゲームパッドに囚われ過ぎて操作性が犠牲になったりしてる物が多かったが、このゲームは一発で理解できる分かり易さ、直感的に来る面白さ・感動がある。長所は色々あるがどこがまず優れているかと問われたら、まずここに尽きると思う(通常の塗り合いモードの他に一定LVで開放される撃ち合い優先モードもあるぞ)。

・敵を倒すことよりも陣地を塗り潰して広げる事が最大の目的って部分がこれまでのFPS/TPS系のゲームとは異なる部分で、(上手い人同士ならそうはいかんだろうが)とりあえず中級者くらいまでなら殺し合いに参加しなくてもしっかり貢献できる。どうしても撃ち合いでの貢献度のみに左右されがちなこの手のジャンルにあって、下手なら下手なりに生き残る道が用意されている配慮が素晴らしい。

・非常に気軽に参加できるのが長所。チャットの類が無いので罵詈雑言が飛び交わずギスギスしない。3分一区切りなので気楽に戦える。もちろん明らかに足引っ張ってるとちょっと肩身は狭いが、相手が「コイツと組みたくない」って場合はサッサと離れてくれるからゲーム終了後に引きずる事は無い。オンラインへの参加における敷居の低さって部分も特筆に値する。近年のピクミンやニンテンドーランドのような引き算的な思想で作られてる印象で、かなり割り切った判断で贅肉を削いでる印象は強いが、不足を感じさせないだけの引きの強さがある。

・継続的にアップロードを続け、話題を途切れさせない配慮がなされている点は◎。発売当初のボリュームの無さは発売から数ヶ月後にはある程度改善されたとは感じる。ゲームモードが増えてるとかでもないし根本的に増量してる訳でも無いが、メインモードの中毒性の高さを思えば下手な大作RPGよりもずっと楽しめる内容であるのもまた確か。

・ゲームキューブのピクミン辺りから始まり近年の任天堂作品(特に内製のゲーム)で増えた感のある『引き算的デザイン』(≒ゴテゴテとボリューム・シナリオ・ムービーを盛り込んだ豪華な"足し算的デザイン"ゲーの対極にあるもの)のゲームとしては最高の出来だと思う。過去の引き算系デザインの任天堂ゲームとは異なり、割り切ったデザインでボリューム不足を感じにくいだけの圧倒的な引きの強さがあるのがナイス。

《操作周りについて》
・ゲームパッドの活かし方はこれまでの任天堂作品のような押し付け感でなく、制約が戦略性に変わり無理の無い直感操作でジャイロセンサーも巧く活かされている。ようやっと必然性のあるWiiUのゲームが出たという感じ。これぞWiiUの代表作と断言できる魅力はある。本来ならこういう分かり易い魅力がある存在がハードと同発で出てなきゃダメだったけど、まぁ今からでも良いものは良いよ、一応(笑)。

・無理のないジャイロでの視点・照準操作(どうしても嫌ならボタン操作にも切り替え可能)。普段からFPS・TPSに慣れてるプレイヤーには特別な事には感じられないとは思うが、苦手な人間・親しみが無かった人間にとっちゃ左右のスティックで移動と照準を別々にやるのって意外と敷居が高かっただけに、この点を綺麗に解消してくれてるのはありがたい。

・メイン画面で自分からの視点、サブ画面に全体マップ。下側にも敵の位置は表示されず、片方の画面ばかり見ていると全体を把握できなかったり敵の動きを読めなかったり、絶妙な戦略性が生まれているのがナイス。

《グラフィック・サウンド関係》
・キャラクターの造形が実に魅力的。機能と見た目を両立させたデザインがイカにも任天堂らしいぞ!コミカルなデザインながら従来の任天堂のシリーズよりは幅広い層にアピールできそうなデザインなのも好印象な部分と言えそうな(笑)。妙に日本をモチーフとしたデザインが多いのも『日本発』をアピールできて良いと思う。

・写実的な方向性のグラフィックでは無いが、相応に高いレベルの美しさ。それでいて秒間60フレームでストレスのない挙動。まぁあとはべちゃべちゃと塗りたくる爽快感とかインクの質感とかバツグンの出来で、やっぱ任天堂は液体関係作らせると強いなぁ、と。同じ任天堂のゲームで言えばGC『スーパーマリオサンシャイン』を更に進化させたような味わいか。

・テケテケ&ニュオ~ンな響き全開のBGMが独特、かつ秀逸。こういうゲームBGMって他メーカ含めてもかなり珍しく、それでいてしっかり雰囲気が合ってるのも素晴らしい(それだけにサウンドテストモードとか無いのが惜しかったりするが)。
ヤバイのではなイカ。
《モード周り》
・絶対的なボリューム不足な感がある。無料のバージョンアップを継続してちまちまと新要素が加わってはるが、WiiUのスカスカなスケジュールのせい(=「早く出したい」&「弾切れでどうしても間隔が空くから細切れで話題を投入し続けたい」なる意図)で未完成で発売したんじゃないかと思えるような部分も。

・発売前のスタッフインタビューでは「1人もメインモード並」という発言もあったが、実際にはちょっとオマケ臭い位置づけに留まっている気も。これで1人用がマリオギャラクシー並のボリュームがあったら、『超・神ゲー』だったんだが。

・多人数で盛り上がる内容だけに、オフ4人対戦に対応していないのは惜しまれる(2人まで)。COMを混ぜてのオフでの練習モード等も無いのもちょっと残念な部分かな。秒間30フレーム・オブジェクト大幅減少でもいいから、オフライン4人対戦モードも付けてくれればよかったとは思う。いつも過剰なまでにオフライン型パーティゲームにこだわり過ぎる任天堂にしては、こういうの、珍しいよーな。ステルスがゲームの肝だから皆一緒の画面だと魅力は確かに落ちると思うが、多少の劣化はあってもオフラインでも楽しめるゲーム性はあると思う。こういうのの多人数対戦が面白いのはロクヨンのゴールデンアイで実証済みなわけで。

・COMプレイヤー相手のオフライン1人用の練習モードでもあれば良かったな。チャージャーなどは動く相手に当てる練習がまず出来んのよね。まぁとにかく割り切った作りで「ブッツケで慣れろ!」って事なんだろうが、その辺の配慮は多少あっても良かったとは思うが。

《バランス面》
・敵から倒されるとスペシャルゲージが大きく減ってしまう。敵チームとの腕前に差があり過ぎると、死んでは倒され、死んでは倒されでスペシャルゲージが殆ど貯まらない…。こうなると一方的に押し込まれるばかりなんで、あんまり一方的になってる場合はランダムで復活時にスペシャルゲージが満タンで復活する等の救済措置はあってもいい気がする。

《UI関連》
・対戦の合間に装備を変えられないってのは、ちょっと痒い所に手が届いてない感も。

・ブキの選択が使った順にずら~っと何十個も並ぶスタイルで、目的のブキを探しにくい。最近使った順の他にカテゴリ別に探せるソートも欲しかった。

《オンライン部分》
・とにかくオンライン対戦の部分に依存してる分、オンライン環境が無いユーザさんには1/10も楽しめないような内容になってる部分は否めないかな。

・マッチングがちょっと不公平と言うか…どうも勝者の上位と敗者の下位、敗者の上位と勝者の下位が次バトルで一緒になる事が多いように思われ、結果、敗者の上位はいつまで経っても勝ちにくいよーな気がしないでもない(※ただ、アップデート直後など、マッチング条件がリセットされてると思われるタイミングでは壮絶に強過ぎる相手、ウロウロと無駄な行動ばかりで何もできない相手とか混ざる事が多いので、平常時はそれ相応にマッチング機能は働いてる様子)。あと、片側にランク50の人だらけ、もう片側には一桁前半が複数とかいう泣きそうなマッチングも勘弁して欲しい。

・途中で切断して逃げる人に対するペナルティが無さすぎるのも問題かと。4vs4で1人抜けるのは致命的で、余程腕の差が無いと一方的な蹂躙試合になってしまうのだが、その辺に対する配慮がほぼ無いのは、もうちょい何とかして欲しかったところ。

《その他、スコアには反映してない細かい点》
・「当初の予定より長く更新を続けた」との事だが、人気や話題性の大きさと比べると随分早期にバッサリと更新を終えた印象は否めず。amiibo以外は任天堂にカネが入らん仕組みゆえ続ける旨味が無いのかもしれんが、WiiUのアクティブユーザ確保においては存在感は大きかっただけに、WiiUなるハード自体の早期打ち切り+次回作買ってね!…の意図が透けて見えるのが残念。《追記》案の定、次世代ハードのスイッチさんで次回作が登場確定。

・amiiboとの連動で開放される要素があるが、amiibo売ってんの見たことないぞ!!(苦笑)ほんっと前々から思ってるんだが、慢性的・重度な品薄で定価以上の価格が当たり前、転売屋が潤うって売り方は断じて正常なあり方ではない。任天堂の製造&流通部門は正直ずっとショボイまま。儲かってて何十年も何もせずに会社が持つ程の金を貯めこんでないで、少しはここに投資して欲しい。この点はとにかく早急な改善を望む。
ゲソっと感想。
 ゲームパッドに振り回されてた任天堂がようやく出した、『無理の無いWiiUならではの必然性のある作品』。遊ぶ前からインパクトが強く、実際遊んでみてもすぐに馴染む事ができる分かり易さ、気軽に参加できる敷居の低さこそが最大の長所か。最近の任天堂作品でいやに増えてきた感のある、『あれこれ肉付けするのでなく、極限まで無駄を削ぎ落した系のゲーム』とは言えそうそれでいて物足りなさを感じない辺りがこのゲームの根幹となるシステムの完成度の高さを示しているようにも思える。制作したチームも宮本茂氏、手塚卓志氏、先日亡くなった岩田聡氏ら、任天堂のレジェンド世代がほぼノータッチの若い体制で作られてる所もポイントか。長い目で見ての、これからの任天堂にも期待が持てるって内容なのが、ニンテンダーとしては嬉しい。

 本来であれば、こういう必然性のある新しさを持つ作品がハードと同発で出るくらいじゃなきゃいけなかったんだろうし、これがWiiUの同発タイトルでその後も継続的にゲームが出続けてればWiiUも今の数倍は売れて『完全なる任天堂専用機』なんて事態にはなってなかったと思うんだが…。まぁかなり遅れたけども、漸くWiiUというハードを代表できる傑作が生まれてくれた事に対しては感謝はしたい。
 まぁE3で主力チームが軒並み沈黙して来年のNX発表に備えてるっぽい事、ドラクエ11がWiiUハブいてNXでの発売が明らかになった点からして2015年いっぱいで店じまいモード、2016年に入って終了確定してしまった現在、逆に言えば、WiiUってハードを振り返ってみて、このスプラトゥーンが無かったらWiiUはホント価値の無いハードだったなァ…と言わざるを得ない状態ではあった(苦笑)。


 で、わしの腕前ですが「このアルツとか言うタコ…じゃなくてイカ野郎、ロクに働きやしねえ、足ばっか引っ張りやがって!」とか思ってた人いたら…、えーと、ゴメンネゴメンネー!ま、下手っぴと同チームになってハンディを抱えて遊ぶ事もこのゲームの楽しさって事で許してくれい!

掲載日:2015年6月22日
更新日:2016年12月19日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
10 9 10 10 8 9 92
プレイ時間…500時間以上
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
マンメンミ!(ナイス!なところ)
・WiiUゲームパッドはこれまでのゲームでは有効活用できていないゲームが多かった中、スプラトゥーンは極めてゲームパッドとの相性がよい。ゲームパッドのジャイロセンサーを使用して相手を狙うというのが非常に直感的な操作であり、これまで敷居の高かったFPSやTPSの敷居を下げたシステムである。

・シューティングといえば、血と泥にまみれた銃を使うのが当たり前のR-18のゲーム等がほとんどであったが、スプラトゥーンでは銃からインク飛び出て、尚且つインクで地面を広く塗り広げるというのが主な目的となったので、子供や血生臭い表現が嫌いな人に対してもプレイしやすくなった。

・写実的なグラフィックではないが、独特の世界観であるスプラトゥーンにとてもマッチしているグラフィックで、インクやステージの描写もかなり綺麗に仕上がっている。特にインクの表現は変に主張しすぎることはなく、それでいてとても綺麗に出来ている。

・普通のシューティングでは相手を倒す以外で貢献することは難しかったがスプラトゥーンは敵を一切倒さなくても床を塗り塗りしてるだけでも貢献する事は十分できる。ここも初心者に対する敷居の低さの一つだともいえそう。

・扱うブキも実在する銃とは違い、どっからどう見ても水鉄砲だったり、コロコロローラーだったり、バケツだったり、絵筆だったり、洗濯機だったり?!する。見た目や名前は世界観に合うようにはなってあるが、それでもバケツ片手に敵陣に突っ込む様は中々シュール。

・使用している弾は、あくまでインクなので射程がブキごとに決まっている。実際の銃を使うシューティングでは射程がほとんど無限に近い物が多く、自分が見える範囲で敵がいればお互いに弾が当たって死ぬ可能性なんかもあったが、スプラトゥーンではある程度離れていればお互いに攻撃が当たりはしないので、周りの警戒さえ怠らなければ突然死ぬという事が無くなった。

・シューティングといえばスナイパーライフルが強い作品が多かったが、今作のスナイパーライフルにあたるブキは狙っている場所が表示されるようになったので、気づかない場所から突然狙撃されて死ぬ!という事も大分少なくなっている。

・普通のガチマッチでランダムで流れる音楽もノリがよく、スプラトゥーン内におけるアイドルであるシオカラーズが歌う数曲も耳に残る良曲となっている。歌詞自体はもはや全然脈略のない平仮名を集めただけではあるが、それでも歌詞がきちんと用意されているので、この曲が収録されているリアルのカラオケ屋なんかでは本当に歌う事が出来る。

・そのシオカラーズを初めとして、変に媚びてはいないが妙な可愛らしさがあるプレイヤーのガールや、ふてぶてしい顔のデブ猫のジャッジくん、翻訳サイトで再翻訳したような謎の日本語を話すクラゲのエチゼン、ブキ屋の店主でブキについての話が少し長いブキチ等、数は多くはないが、どれも魅力的なキャラとなっている。
ウワワワワ…(バッド!なところ)
・完全にオンラインありきのゲームであり、ネットに繋げる環境がない場合、このゲームの魅力を10分の1くらいしか楽しめないと思われる。オフラインでもヒーローモードという短いストーリーモードがあるものの、10時間くらいすれば全クリアができるくらいなので、このゲームは完全にオンラインありきのゲームである。オフラインしかできないプレイヤーに対する配慮があまり無いも同然なので、これは注意してほしいところ。

・自分はゲームや乗り物で酔った事がないので体感しなかったのだが、このゲーム、非常に酔うらしい。原因は大きな長所でもあるゲームパットであり、ゲームパットを使ってプレイする場合、僅かな手振れでも画面が細かく揺れる。スティックのみでプレイするように設定することも出来るが、ジャイロセンサーでの操作が魅力のゲームでもあるので、仕方がなく出来てしまったマイナス点ではあるが。

・どのブキ、どのギアもバランスはとれている方だが、サブウェポンの一つである『トラップ』が弱すぎる。
仕掛けた近くを敵が通るか、敵がインクをある程度かけると光って、一秒程経ってから爆発するというものなのだが、スプラトゥーンはインクの上を進むのが基本なので、まずインクをかけられて先に爆発するのがほとんど。特に初心者相手では引っ掛かる事は多いものの、上級者相手ではとてもではないが引っ掛からない。発売から半年もの間、ずっと弱い弱い言われているのに、しょっちゅう行われるアップデートでも全く改善されない。

・で、そのアップデート。発売当初はステージやブキが少なく、半年くらい経ってからやっと他のゲームを越えるくらいのボリュームになった。5月に発売された時はまだまだ少く、アップデートする事前提ではあったものの、発売当初は若干未完成の状態で見切りで発売されたように感じる。

・ガチマッチにおいて試合開始の時点で、チームの仲間の一人が回線落ちしたりして、不利な状態で試合に負けた時はウデマエ減少量が少なくなっているのだが、試合中に仲間が回線落ちした場合はウデマエ減少量も普通に試合に負けた時と同じだけ減るようになっている。こちらが悪い訳ではなかったりするだけに、なんとも理不尽な要素である。この点に関しては、発売から9ヶ月ほど経ってある程度、修正されたものの、発売当初からけっこう言われていたのにしょっちゅう行われるアップデートでも中々、改善されずにいた。
感想です。それはとてもヨイ。
 WiiUのゲームパッドという物の存在価値を一気に高めたスプラトゥーン。様々な要素を追加して、これまで敷居の高かったTPSの敷居をバッサリ削るようにして、万人にウケるようになっている。それでいて自分のようなガチやり込みをする人間においても奥が深いように出来上がっている。

 発売当初は若干、未完成気味の状態ではあったが、しょっちゅう行われる無料アップデートによりさらに洗練されていっている。しかもそのアップデートも発売から当面は続けると公式が言ってるし…任天堂が力をずいぶんと入れ込んでいるのが目に見えてとれる。

 オンライン環境がないとロクにゲームができないという欠点があるが、こいつはオススメです。WiiUを持ってる人はもちろん、持ってない人も任天堂の2015年における傑作である本作を触ってみるのも良いと思われる。

掲載日:2016年3月28日


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