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スターフォックスゼロ
メーカー:任天堂
開発:プラチナゲームズ
機種:WiiU
発売年月日:2016年4月21日
価格:5700円
ジャンル:シューティング(3D)


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執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 7 5 7 3 6 5 53
プレイ時間…10時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
良かですたい!
・発売前はネット上で「ゲームキューブ以下のショボグラ」とかネガキャンされてたが、別にそんな事は無い。まぁ「腰が抜けるほど綺麗!」とか言うわけでもないのだが、順当にパワーアップしてるし見栄えは良い。フォトリアル路線では無いけど、こういうデフォルメ的な方向でのグラフィックの進化もあって良いとは思う。

・音の響き方が凝っている。ゲームパッドのスピーカーから無線音声が流れるとか、オモチャ的な使われ方はいかにも任天堂らしい。

・とにかく鬼のようにムズいんで、クリアできれば達成感は凄いかもしんない。
ダメですばい。
・何よりも、あまりに奇抜すぎ&直感的とは程遠い操作システムがキツい。常時ストレスを抱えながらのプレイを強要される。『新しい体験』って部分にこだわったが故の作りだとは思うんだけど、クセのあるゲームパッドのジャイロでの照準操作、右側スティックに必要以上に機能を集約し過ぎて暴発するボタン配置、直感的でないが故にこれまでのシリーズでは無かった敵に攻撃を当てる事自体の難しさ、いずれもが理不尽な方向で難易度釣り上げに作用している感があり、遊んでて苦行でもしてる感覚しか無い。あまりにも操作性が複雑で常時混乱してしまう辺り、まるで『川島教授の脳を鍛える大人の鬼スターフォックス』でも遊んでるが如きパニックっぷり…。ちょっとこれは…あまりにも作り手の独善的・独りよがり的な作りに偏り過ぎてやしませんかね…?どうもこの手の「ギミックを活用したユニークなゲームを狙ってたのに実際はハード側のギミックに振り回されてるだけで分かりづらく必然性も無い」ってゲーム、好かんのだよなァ…。混乱するだけで面白くないんだもん…。

・ここまで奇抜な操作システムなのに一切キーコンフィグの類が無い。任天堂のゲームは得てして「オレの考えた操作方法が絶対ベストだ!」って感じで押し付けがましい部分があり、多くのゲームは実際その通りで不満点は少ないんだが、そうでないものも少なからずあり、その場合は途端に高圧的に感じられてしまって印象はよろしくない。

・ゲームの難易度自体も恐らくスターフォックスとしては過去一番の難しさ。変則的過ぎる操作性と相まってストレスMAXの方向へ一直線。同じWiiUのプラチナ製のワンダフル101でも感じた事だが、いやー…難易度を必要以上に釣り上げ過ぎじゃないですかね?「慣れる過程が楽しい」とか言うレベルではなく、あまりに複雑過ぎて常時混乱しっぱなしで「楽しい」と思える場面が無い。テンポも全体的に悪く、一言で申すと『めんどくさい』。

・この作品の直前に出たのが3DSでの64版のリメイクだったのに、まさかの2作続けて『スターフォックス64の焼き直し』。いや、フォックス64が傑作だったってのは間違いないと思うけど、何も2作続けてリメイク的な位置付けにしなくても…って感じではある。あと、話が64の焼き直しって事で嫌でも傑作64と色々比較してしまう。ここまで内容が別物になるんなら、シナリオも完全新作で良かったのでは?どうもDSのコマンド、更に遡ればゲームキューブのアドベンチャーの時からそうだが、随分と長く色々と迷走している印象も受ける。WiiUで言えばゼノブレイドクロスなんかでも感じたが、傑作を連想させる作り、傑作の系譜に連なる印象を与えるやり方ってのはその作品の出来が良ければ相乗効果でプラスに作用するだろうが、イマイチな場合は比較されてガッカリされるだけの『虎の威を借る狐』状態にしかならん気がするんだよなー。
感想ですけん。
 リメイク作を除くと久しぶりのスターフォックスで公式サイトなんかの動画を見てる分には普通のスターフォックスに見えるんだが、操作感覚はまるで別物。いや、極端な話、まったく過去の物と別物でも面白いと思えれば別に良いと思うんだけど、新しさを追求した挙句、直感的と程遠くなり遊び手を混乱させるばかりの物になっちゃうってどうなんでしょ?

 遊んでてホント思ったんだけど、ゲームパッドを活かす事に囚われ過ぎた結果、面白いゲームを作るっていう本来の目的が何かすり替わっちゃってる印象。ハードのギミックに振り回されて手段と目的がグチャグチャになってるんじゃないのかな、これ…。何だか色々と本末転倒な気がしてな。

 個人的にはこの手のギミックの為のギミックと化したゲーム、ギミックに振り回されて直感的から程遠くなった奇形ゲームって一番ニガテな類の存在であり、遊ぶ前から「わしは難儀するタイプのゲームだろうなァ」とかイヤな予感しておったのだが、遊んでみて案の定「やっぱそうだった…」って感じであり。遊ぶ前から殆ど確信してたから事前の期待度も低かったが、それにしてももうちょっと楽しませて欲しかった。

掲載日:2017年1月3日
更新日:2019年10月29日


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