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スーパーマリオメーカー
メーカー:任天堂
開発:任天堂情報開発本部
機種:WiiU
発売年月日:2015年9月10日
価格:5800円
ジャンル:ツール(アクション)


執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム 総合評価
7 9 8 6 6 5 72
プレイ時間…15〜20時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
ヒーヤッフゥ!ハハー!(※良いと思われます)
・この手のクリエイトツール系にありがちな『敷居の高さ』や『面倒臭さ』が丁寧に取り払われており、とにかく手軽に作れるのが最大の長所と言えるとは思う。直感的な操作でメニューの階層も分かりやすく、この手のツール系ゲームに慣れていないユーザでも(根気さえあれば)しっかり遊べる内容ではあると思う。

・ちょっと前に出たスプラトゥーン同様、こちらもWiiUのゲームパッドならではのゲームと言えそう。直接タッチパネルで操作できるって部分は現行の他機種では絶対マネできない要素であり、それでいて押し付けがましいデザインでもない。WiiUならではの必然性って点ではスプラトゥーン以上にこちらの方が光る物はある。スプラトゥーンの時も言った記憶はあるが、これがもっと早い時期、WiiUの発売から間をおかずに出ていれば、WiiUの運命もだいぶ変わっていたとは思う。

・過去作品の内、マリオ1、3、ワールド、NEWUの4作品を切り替えてそれぞれのテイストでステージを作れる仕様で、各作品で無い要素に関しても逆輸入されて足されてる物(敵やギミックなど)も結構あったりして、太っ腹だなぁと思える要素は多い。

・取扱説明書の遊び心満載さ&シュールさが良い。紙媒体をやめてからの取説ってのがあまりにも味気なくて面白みゼロだったんだが一転、本作の説明書はデザインも凝っていて女性事務員「ましこ」さんの存在もシュールさに拍車をかけてる印象(個人的にはこういうアホくさいの好きだけど…このテイストって海外に通じるのかね?)。その他、メニュー部分を中心に懐かしのSFC『マリオペイント』からの脱力テイストを感じさせる物が多いのもナイス。

・継続的に更新され、新要素を加えてくれてるのは嬉しい。まぁ、最初から入ってて欲しい物が漸く実装されたって側面の方が大きい気もするが。
マンマミーア!(※駄目ですばい)
・適当に触ってるだけでも楽しい事は楽しいんだが、操作やコース製作の面倒さの点での敷居の低さ以外に革命的な何かがあるかって言うと、残念ながら別にそうでもない。個人的には良い所で挙げた『敷居の低さ』の他にも『適当に作った物がちゃんと面白くなってる』とか言う別次元の楽しさとか期待したんだけど、残念ながら別にそんな事はない。その点はまぁ他のツクール系のソフトとなんら変わらん欠点を持つとは言えそうな。面白いモノを作ろうと思えば相応に根気も要るし、センスだって必要。その点では『メンドクサイ』が改善したのは敷居の低さの側だけであり、半分しか改善されてないんだな。

・それと加え、ネットに公開されてダウンロードできるコースの大半は昔のエミュレータやらで横行した理不尽要素満載の極悪マリオそのものや一切動かす必要の無い『全自動マリオ』≒本来のマリオの面白さから逸脱した代物(ただ、これは見た目には面白いし手は込んでいるとは思うが)ばかりで、作った人間以外が楽しく遊べる物の割合はごく少数に留まってるように感じる。そういう意味では間接的に、任天堂の製作陣・熟練のスタッフの偉大さ(≒爽快感がありつつも単純でなく、難しさを感じる部分でも理不尽ではなく、自己満足的ではなくて常にユーザ目線で細部に渡るまで配慮が行き渡ってる凄さと、素人との圧倒的な力量差)ってのは痛いほどよく分かる作り、とは言えそうだけども…(苦笑)。それと、こうなる事は当然製作側にも予想できた筈で、それに対する無策さと言う点ではゲンナリする。

・「作る」なり「遊ぶ」なりプレイヤーが能動的に何か常に目標を持っていないとすぐ飽きてしまう類のソフトだとは思う。「作る」部分はパーツの配置→試遊→修正→…の単純作業とそれに伴う根気は必須だし、その辺に対するフォローも少ない。

・徐々にやれる事を増やしてくれる配慮は嬉しいが、機能のアンロックの速度があまりにも遅く、最初の内が退屈過ぎて嫌になる。プレイヤーが慣れたと思ったら次の段階に手動で進めるようにしてくれても良かったのでは?任天堂の作品は『我々がベストと思ったやり方がベストだ!!』的な操作方法やバランス調整の物が結構あり、オプションやキーコンフィグの類は充実していない事が多いが、本作に関しては見事に外したな…という印象。
イーッツミー、マーリオ!(※感想のようだ)
 『とにかく敷居の高さを丁寧に取っ払ったマリオツクール』、とりあえずはこの一言で説明はつくと思う。細部に渡るまでの遊び心も嬉しいし、作品全体を覆うシュールさも個人的には非常に好き。

 一方でこの手のツクール系ソフトの宿命である、『面白いものを作るにはひたすら根気が必要で、センスも無ければどうしようもない』って部分に関してはなんらメスが入ってない点は『なんだかなァ』要素。どっちかって言うとこの点での革命こそ期待してた部分なんだけど。わざわざ今になってこういう『マリオツクール』的なモノを任天堂自身が出すからには、こっちの点においても何か革新的要素があるのかな…とか期待してたんだが、別にそうでも無かった点が至極残念。最初に公開された時から『敷居の低いツクール』以上の何かは感じられず、実際に遊んでみてもその第一印象に勝る部分が無かったって点ではガッカリ。

 となると必然的に、どっぷりハマれるユーザってのは選ぶかなあ…という印象。確かに敷居は低いんだけど、『面白いものを作れる』には誰でも到達できる訳では無いし、ネットから拾える他プレイヤーの作品のレベルから言っても、『適当につまみ食いして無限に湧いてくる神ステージでひたすら楽しめる』にも程遠い。となると、とにかくコツコツと地道にバランス調整するのが苦でない求道者系ユーザさん以外は『とにかく寝るのも忘れる程にハマれる』域まで行けない人も結構多いんじゃないかなぁ。その辺に対するフォローや配慮はかなり物足りないよーな気はする。

掲載日:2015年10月19日
更新日:2015年11月30日


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