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スーパーマリオRPG
メーカー:任天堂
開発:アルテピアッツァ
機種:ニンテンドースイッチ
発売年月日:2023年11月17日
価格:6578円
ジャンル:RPG


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パッケ版   サントラ

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
8 9 7 8 8 6 8 81
プレイ時間…20~25時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
イーヤッフー!ハハー!(良いのである!)
《全体として・方向性》
・「大幅にアレンジして新作と呼べるほど別物になったタイプのリメイク」ではなく「極力元のバージョンに忠実な路線のリメイク」であり、懐かしさを感じる箇所が多い(元のスーファミ版のレビューもご参考にどうぞ →こちら)。元のスーパーファミコン版が良作でグラフィックやサウンドも良質だったので、そのまま路線でも見栄えは物足りなさは感じづらいかと。ベタ移植よりは手は入っているが、元の雰囲気もしっかり残した良リメイクと言えるかと。同じ任天堂のSwitchのリメイク作品で言えば、『ポケモン』本編リメイク作品ほどガラリとは変わってなくて、HD化のベタ移植作品よりはだいぶ手が入っているスタイル。『ゼルダの伝説 夢をみる島』とか『ポケモン不思議のダンジョン救助隊DX』あたりに近い感じ。

《ゲームバランス部分》
・ところどころ尖ったバランスだったスーファミ版よりも更にマイルドにする方向で調整されている(難易度イージーモードの追加とか、アクションコマンドの入力に失敗し続けるとタイミングが画面に表示されるだとか)。

・ユルくなる一方のアレンジでは無く、「強敵」と表示されるザコがしばしば発生するだとか、追加で隠しボスが増えていたりだとか、手応えを増す方向での変更点もある。

・スーファミ版で性能がイマイチだったマロ(本作のオリジナルキャラ)が若干テコ入れされて使い易くなった点は嬉しい(「なにかんがえてるの」で弱点が表示されるようになったり)。

《快適性・追加機能など》
・敵の辞典が追加されて戦った事のある敵のパラメータや行動をチェックできたり、過去のイベントが日記形式でまとめられて振り返りやすくなったりしたのは◎。

・メニュー画面の「地図」から別のフィールドにワープ移動が可能になり、遠く離れたフィールドへの移動が格段にラクになった。

・持てる持ち物数が大幅に増えた上に、溢れた物も自動で預かり所に送られるため、アイテムを捨てる事が減ったのは助かる。全体回復だとか強力な効果のアイテムは所持可能数が少なめに設定されており、アイテムだけでゴリ押しする強引な手段は取れない配慮があるのもよし(通常モード時。イージーモードだと所持可能な上限数もユルめになる)。

《グラフィック&サウンド》
・グラフィックはスーファミの時点で相当綺麗だったが(=『スーパードンキーコング』みたいなCGツヤツヤ路線だった)、そのイメージを崩さないままポリゴン化されている。光源処理だとか物の質感とかも派手さは無いもののかなり恩恵がある部分かと。イベントではキャラがアップで表示される場面もあるなど、相応にパワーアップしている箇所も多い。

・BGMも音源がリッチになって新たに作り直されている(しかも作曲はスーファミ版も担当した下村陽子氏がそのまま続投!)。基本的には元のイメージを崩さないタイプのリメイクだが、曲自体が長くなってたりも。曲自体の出来が良いんで、スーファミ版のBGMと切り替えて遊ぶ事ができたり、クリア後はサウンドテストでじっくり聴けたりするのも嬉しい要素と言えそう。

《シナリオ・テキスト部分》
・スクウェアRPG特有の微妙に毒のあるテキストもほぼそのまま移植されていて、懐かしさを味わえる(「今の時代だとちょっとヤバいのでは?」って内容のテキストでも割とベタ移植されてる辺り、結構攻めてるよなー、と思えたり)。
マンマミーア…(イカンですばい)
《全体として》
・あくまで「元のスーファミ版をそのまま忠実に移植した」ってタイプのリメイクで、そんな劇的にキレイになってるとかではないし、追加要素もそこまであるワケではない。良くも悪くも基本的には元に忠実+思い出補正って感じで現行機に持ってきたイメージなんで、作りとしてはちょっと古さも感じる部分はある。

・追加要素満載!…って訳でもなく、ボリュームは今の時代の大作RPGとして考えると、かなり控えめだと思う。

《ゲームバランス部分》
・スーファミ版の感覚・タイミングと結構変わっているアクションコマンドが一部あり、元のバージョンをやり込んでるほど違和感を覚える所はあるかと。

・多少マロが強化されているが、それでも魔法使い系のキャラとしてはピーチの性能の破格の良さ(=低燃費でベホマズン・ザオリク・イオナズンを連発できるようなモン)に比べるとどうしても見劣りする。

・「強敵」化する敵が元から強めの場合、耐久力の無いマロやピーチが一撃で殴り殺される場面もあったり。「強敵」は結構な頻度で湧くし確実に逃げられるワケでも無いので、ちょっと理不尽に感じる要素かもしんない(全体としては易化方向にいじられてるんで、程よいアクセントではあるがちょっと強引な調整な気もする、って意味で)。

《スーファミ版と同様の点》
・スーファミ版でも感じた事だが、クォータービューチックな視点で細かい足場をスティック斜め入力のジャンプで渡るシーンだとかミニゲームがやたらと多いのもほぼ手つかずでそのまま。アクション部分の作りは本家任天堂製のアクションより不親切で理不尽な部分が多いまんまかなァと。正直、任天堂ゲーとしてはここは不親切・理不尽要素であり手が入るだろうと思ってたんで、そのままだったのは逆に意外でもあった。

・装備アイテムの種類は相変わらず少ないままで、色々使い分ける楽しみとかはあまり無い。この辺はマリオのRPGシリーズ共通でかなり素朴な作りではある。

・主人公のマリオはパーティに強制参加で一切外せないのもスーファミ版と同じ。マリオの性能そのものは高いのだが、踏み付け・火が効かない敵だと他のメンバーの方が効率的に戦えるため、戦闘の中くらいは入れ替え自体は出来ても良かったと思う(フィールドはマリオ固定だしな)。

・全体的には親切な作りになっている割には、装備アイテムの効果がちゃんと説明されていない所はスーファミ版のまんまだったり、チグハグ感もある。もっとも、スクウェアってこういう画面に性能の説明を表示したがらない傾向が強かったんで、スーファミ版のソレを忠実に持ってきただけ、とも言えるが。

・作中のテキストはちょっとメタ的なノリが強いんで、好みは分かれる部分かも(スーファミ後期~PS期のスクウェア作品でよく見られたテイストではあるが)。
ワガハイの感想であるぞ!(クッパ風に)
 スーパーファミコンで任天堂×スクウェアのタッグとして話題になった名作RPG『スーパーマリオRPG』の待望のリメイク作品。

 路線としては「大幅な作り変え・アレンジ」ではなく、「元に忠実な方向で快適性や細かい欠点を潰していった」タイプのリメイク・アレンジ移植と言った趣で、良い意味で懐かしさを感じる部分が多い。RPGとしてはやや小粒でボリュームは控えめではあるが、RPG慣れしていない人でも(それこそスーファミ版以上に)しっかり楽しめるって意味でもよろしいかと。

 なお、パッケージ版の出荷が多過ぎたのか、新品を1500~2000円程度で買えるくらい値崩れしている店が結構多いんで、「遊ぶモンないな~。とりあえずなんか遊びてぇなァ」って時用としてもオススメできる。未プレイの方は是非どうぞ♪

掲載日:2025年2月4日
更新日:2025年2月11日


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