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リンダキューブアゲイン
メーカー:ソニーコンピュータエンタテイメント
開発:MARS、アルファシステム
機種:プレイステーション
発売年月日:1997年9月25日
価格:5800円
ジャンル:RPG


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PS版 サターン版

ついでにティッシュもどうぞ!
深い意味はな、ないよ!(たぶん)

執筆: アルツ社長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
6 8 9 10 8 8 9 87
プレイ時間…50〜60時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
あらケーン!最高じゃな〜い!!(リンダ風に)
・グロい!!…んむ、気持ち悪いのは確かなんですけども、それぞれの動物をよーく見てるとただ気持ち悪いだけじゃなくて、意外と凝ったデザインをしているように見えると言うか、慣れてくるとこれはこれで魅力に思えるから不思議。十人遊んで十人全員がそう思えるかまでは保証しかねますけども…(苦笑)。

・ゆるーい縛りのあるシナリオは用意されているが、動物を集める事が基本的には一番の目的。動物にしても、捕まえた物を食料にできたり、換金したり、装備アイテムに加工したり、あれこれ工夫できるのが面白いところ。シナリオCは特に自由度が高く、開始直後から割とどこでも行けてしまう。どこでどう稼ぐか、ペース配分がプレイヤーに完全に委ねられてるのがまた味と言えそうな。

・システム重視で演出度外視の作りであるためか、その分、ロード時間だとかで待たされる場面は皆無。同時期のRPGと比べてかなり快適に遊ぶことができる。セーブはメモリーカードの読み込みでちょっと待たされるが、まあ許容範囲内か。

・重要イベントはアニメーションムービーが挿入される。出た時期を考えるとかなり力が入ってる出来。ドットで表現できない部分を巧くカバーしていて、長さ自体も長過ぎず、ひたすら見てるだけって訳でもなくダレない。んで、やっぱりグロい(良くも悪くも)。

・イベントムービーでの直接的な表現も多いのだが、地面に巻き散らかされた血だとか、ぬっと置いてある死体だとか、無機質なドットでの、のっぺりとした表現が独特の怖さを醸し出してるような(←褒め言葉ね)。

・後から振り返ると電話でメッセージが入って「至急帰って来い」、「〜〜行け」、「××とって来い」とか露骨なお使いが多い割にはそれほどやらされてる感が無いのは不思議。グロい描写が多いシナリオだし、救いの無い終わり方をする場面が少なくない割には、案外後味は悪くないのもまた不思議。メインのシナリオは3本用意されているが、割り合いサクサク進んですぐ終わるので周回プレイが苦痛で無いのも良し。
うむ、駄目じゃないかな?(エモリ博士風に)
・グロい。モンスターの造形が明らかにおかしい。キモカワイイとかでなく、生理的にイヤになるタイプのデザインなのは好みが分かれそう。シナリオ面でもグロい。いとも簡単に人が死ぬ。これ見よがしにズブリ、グサリ、グシャリ…ですもんなあ!

・ムービーとかは気合いが入ってるのだが、通常のグラフィック(特にフィールド)はかなりショボい。CGテカテカとかでもなく、ドット画に気合が入ってるでもなく、スーファミ時代以前と同レベルの見た目。狙ったレトロ感とかじゃなく、純粋に表現のレベルは古い。

・シナリオ自体の意外性はそれほどでもない。事前情報無しで遊んだが、割と早い段階で「ああこいつが黒幕だろな」とか分かってしまう。展開自体の見せ方が巧いから退屈だとは感じないのだが、もうちょい驚きはあっても良かった気がする。

・自分のレベルが高くなりすぎると敵を打撃でグチャグチャに殺してしまい、捕まえられなくなる。パーティの猟犬を引っ込めて弱い技だけ使うとか工夫しろって事なんだろうが、いちいち出したり引っ込めたり、メニューであれこれと作業が必要。この辺も工夫しがいがあると捉えるか面倒くさいだけと感じるか好みが割れそうな部分かな…。
おれだ。感想だ。(隊長風に)
 元の作品がPCエンジンだっただけに、パッと見は同時期のゲームと比較してもショボイ部分はあるんだけども、そんな些細な事など吹っ飛ばすだけの独特の魅力を秘めた作品(PCエンジン版レビウはこちら!)。

 エロでなくグロで年齢制限が付いたように、要所要所でグロテスクさ全開。んでもって、ゲーム自体も相当アクが強く作業ゲー的な色合いも濃いため、人を選ぶゲームであることは間違いない。ただし、似たようなゲームが無いんで遊んでて非常に刺激が強く、このゲームでしか味わえない楽しさがあるのもまた確か。

 グロさに耐性がある方には是非とも遊んでみて欲しいタイプの「フツーじゃない作品」ですな、コレは。

掲載日:2012年10月22日
更新日:2020年7月14日


執筆: こうちゃ関西営業所長

映像 音楽 快適性
&操作感
独自性 難易度・
バランス
ボリューム シナリオ 総合評価
7 8 8 10 8 9 9 90
プレイ時間…100時間程度
※各項目は10点満点、総合評価は100点満点
どうだい!このエレガントなゲーム!
・ゲームのクリア目的はタイムリミットの8年以内に各地に生息してる動物達をたくさん集める、というかなり変わった目的で、一般的なRPGとは違う点がかなり多いのが特徴。まずプレイヤーが始めるであろうシナリオA&シナリオBでは、ストーリーイベントが始まると途端にサイコスリラーな物語が始まったりと、ゲームシステムだけでなくシナリオ部分でさえもかなり独特。王道RPGとは大きく異なる点が多い、というのが何よりの魅力のゲームだと思う。

・プレイステーションでリメイクされるにあたり、イベントごとにプリレンダムービーによるアニメーションも追加されてるが、短いながらもどれも演出が良くて面白い。アニメーションムービーに限った事ではないが、普段のイベントでもキャラのセリフに合わせて声優さん達が名演技をしていて実に良かった。

・敵として登場する動物達の見た目はどれも非常にグロくて気持ち悪い…んだけども、独特の愛嬌とでもいうか、『この世界なら確かにこういう気持ち悪い見た目の生き物もいるだろうね』と感じさせられるような見た目で、変な魅力は一応感じなくもない…(笑)。万人ウケは絶対しないとは思うんですが(笑)。

・ストーリーとゲームのシステムを把握してもらう事を重視した入門向けのシナリオAとシナリオBに続き、やり込み重視のシナリオCがまた一味違って面白い。世界の端から端まで巡って動物集めに勤しむ事ができ、本作独自のゲームシステムである『動物集め』に特化した面白さが楽しめた。さらにリメイクの本作ではシナリオDというタイムアタックモードも追加されていて、厳しすぎる時間制限の中でどれだけ動物を集められるかプレイヤーの腕試しモードも用意されているので、高難易度を求める人も堪能出来る内容だった。

・どのシナリオを選択してもストーリーイベントを消化している時以外は、わりとプレイヤーが自由に行動出来るのもポイント。最初からほぼ全ての地形へ行ける事もあって、動物集めやゲームの攻略方法の自由度はかなり高い。

・ゲーム本編とは少し違うんだけども、説明書がかなり面白い。ゲームの操作方法の説明だけでなく、漫画が挿入されていたり攻略情報も細かく書かれていたりと、読んでいて惹き込まれる。ディレクターの桝田省治氏が注釈を入れる形でコメントが直筆で書かれていたり(というか最初は誰かが落書きしたのかとさえ思った)、面白味に富んだ説明書だと思った。

・読み込み速度はそこそこ早く、マップを切り替えたり、バトルに入ったりしてもロード時間はほとんど感じさせない。まあそこまで情報量の多いグラフィックでもないので読み込み速度がかからないのも当たり前な気はするが、普通にプレイしていてもロード時間が気になるような事はあまり無かった。
このゲームのどこが悪い!?俺に教えてみろ!
・良点としても書いてはいるが、敵の動物のグラフィックが本当に気持ち悪い。言い方は悪いが、ネット上でグロ画像として使われても違和感無いくらい気持ち悪い見た目の敵も結構存在していて(単眼だったり口や手足のバランスが異常だったりと気持ち悪い要素を大量に詰め込んでる見た目の敵が多い)、ここは本当に好みが分かれるポイントだと思う。無印版のグラフィックはドット絵によるわりと単純な見た目のものが多かったが(それでもかなり気持ち悪い見た目だけども)、本作では機種性能が上がりコッテリと厚塗りのグラフィックになった事もあって、動物の種類によっては無印のものよりも気持ち悪く見えるものもいる。無印の方が気持ち悪い動物も多くいるので、どちらにしろ本当に気持ち悪い。

・同じくストーリー展開やムービー等も残酷だったり、エログロ要素が満載なのでかなり人を選ぶ。終盤になるにつれてホラーに…とかいう事でもなく、ストーリー序盤からかなりブッ飛ばしてくるので、どんなプレイヤーでもストーリー展開にはドン引きする事間違いなし。

・一部の動物は捕まえるのが難しすぎる。強いが故に捕まえにくい動物達はまだマシな方で、特定の季節に特定の場所でしか登場しないとか、プレイヤーの状態(HPが半分以下、所持金がゼロ等)で特定の場所に行かないと出会えないなど、普通にプレイしてたらまず見つけられない動物も多い。ゲーム内ヒントがあるものもあるが、分かりにくいものも多く、攻略情報無しでの動物コンプリートは至難の技。

・バトル中に特殊技を使うと、技の効果音が鳴り終わるまでのそこそこ長い時間、操作を受けてけてくれないのが少し煩わしい。他にも音声付きの会話は音声が鳴ってる間は次の会話へ移れなかったり、音声を途中でキャンセルする処理が上手くいってない点がチラホラある。
どうだ!どうだ!?感想でどうだぁ!!
 『種の保存』というテーマを元に、動物を集める事を目的としたRPGとしては珍しいゲームシステムや、普通のSFとは一味違うサイコスリラーなシナリオなど、本作ならではの特徴が非常に多いリンダキューブ。

 自分はいわゆるイロモノなゲームがかなり好きなのでリンダキューブにはどハマリしたが、猟奇的な表現でCERO:Cを受けてる事もあって、内容は極めて異色の内容のRPGであり万人ウケする事はまるで考えてない、本当にアクが強いゲーム。ただし内容が破綻してるような事はなく、サイコスリラーかつ猟奇的なストーリーや、動物の収集を目的とした独自のゲームシステムなど、ゲームの本髄そのものはしっかり作り込まれている。

 ある程度のグロ耐性&残酷描写の耐性があるゲーム好きの人になら、強く薦めたいゲーム。ただイカれてるゲームという事では決してないので、この独特の面白さを楽しめそうな人であれば是非とも。

掲載日:2020年7月14日


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