グランディアIII
メーカー:スクウェア・エニックス
開発:ゲームアーツ
機種:プレイステーション2
発売年月日:2005年8月4日
価格:7980円
ジャンル:RPG
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
6 | 7 | 6 | 5 | 4 | 6 | 2 | 52 |
よかですたい。 |
・前作(エクストリーム)で貧弱だったグラフィックは大幅に強化された。イベントの演出はムービーで進行し。質・量ともそれなりに品質は上がっている印象(まぁその分、手を休めてる時間は必然的に長くなるけど。)フィールドの描き込みは非常に綺麗で、特に霧や光の表現は見事。のんびり歩いているとココロもなごむ。キャラのデザインもなかなかいい感じだと思う(だけに、余計に内面の描写のショボさが悲しいのだが)。 ・食事イベントを始めとする会話のテキスト量の多さは健在。パーティキャラのやり取りである程度そのキャラの性格や背景がわかるのが良いね。また、イベントに関わらない村人に至るまでかなりの会話が用意されており、かなり芸が細かい。 ・セーブやロードにかかる時間は前作より長くなったが、それでもプレイステーション2の同様のジャンルの中ではかなり短い部類か。 |
だめですばい。 |
・拙者はあまりゲーム中のキャラの声にはうるさい方ではないと思うのだが、この作品は一部のキャラの演技は余りにも酷い。この部分に関してはシリーズ最悪と断言できる。特にアルフィナ、ダーナ、ヘクトといったパーティの女性陣が台詞が棒読み過ぎる!(元から感情の起伏が無いヘクトは幾分マシだが)戦闘の度にイヤでも聞く羽目になるので憂鬱に(笑)。「自然体」の意味を絶対勘違いしてるって、スタッフの面々よ。 ・シリーズの味でもあった戦闘の完成度はかなり退化したように思える。中盤では通常攻撃の威力が魔法に比べかなり低いので(攻撃が200〜300ダメージの時点で魔法で4000ダメージを与えられたり)、上級魔法にばかり頼る展開になってしまい、面倒に思えた。戦闘開始時のキャラの配置がワンパターンであるため、操作が固定化してしまい、戦略の幅が狭まっている気もする。全体的に雑魚敵が固いので戦闘が長引きがち。また、何故か素早さがレベルアップで伸びず、一方で敵はどんどん速くなるため、敵をひるませて戦闘に突入しても大概は敵に先制され先に攻撃できないのも理不尽で腹が立つ。スキルの種類が少なくなったり、行動値(攻撃の回数・順序に影響)がほとんど強化出来ない等、育成面でもプレイヤーが干渉出来る余地が少なく、ハッキリ申し上げて非常に物足りない。 ・物語の展開が淡白で突っ込みどころも多い。皆、惰性で行動してるように見える。人物の背景や性格の描写がズサンな上、行き当たりばったりなイベントが大半。自分の思い通りにならないとすぐキレる主人公(飛行機を壊して直してもらいに行くが断られると「見損なった」などと逆ギレする)や常に取り乱しまくりでヒステリーが入ってそうなヒロインを筆頭に、性格的に面々に共感できないのも痛過ぎる欠点の1つ。「テメェにそんなこたぁ言われたくないよ!!」と言った事柄が多過ぎるのも難。パーティのメンバーの設定が過去作と被る者ばかりゆえ、余計劣化点が目立ってしまう。 ・全体的に攻略の自由度が低く、やらされているように感じることも多い。フィールドで道から外れて歩けなかったり、飛行機で飛んでいても降りられるポイントが極端に少ないのも一因だろうか。過去作ではいずれも用意されていたクリア後のおまけの高難易度ダンジョンが無いのも不満で、1回クリアするとやる事が無いのも劣化点。 ・通常のイベントで見られる「画面の暗転で場面と場面を繋いでしまう」手法は手抜き臭くて受け入れ難い。モーションを数多く用意しなければならないのだろうが、大作RPGを自認するなら細かい部分であろうとも力は抜いて欲しくなかった。また、ストーリー上重要な意味を持つ聖獣の動きがほとんど無く、セトモノの置物にしか見えない。他のグラフィックに力が入ってるだけに違和感も尚更。 |
感想なり。 |
前作『エクストリーム』のやり込み重視の路線から、従来のシナリオ重視型大作RPG路線へ回帰!!…システムがシンプルにまとめられているため間口が広くなった点は歓迎すべきところか。 ただ、肝心の完成度の方がどうも今ひとつ…と申すか、明らかに過去作よりも劣化した点が多いのがトホホ。シナリオ重視型のゲームの割にはストーリーの描写が貧弱だったり、展開が突飛すぎたり、キャラの心情描写が粗末過ぎて感情移入の妨げになったり、挙句の果てにゃ女性陣の声が軒並み棒読み一辺倒だったり、と気になる所も多々存在する。その辺、製作者の自己満足的な部分も大いにあったようで。雑誌でのインタビューでは「粗探ししないで良い所を楽しめ」的な事が書かれてあったが、このズサンな内容ではそこまで寛容ではいられるワケもなく。 『2』では中小ソフトハウスの悲しさか、規模縮小を余儀なくされた。『エクストリーム』ではスクウェア・エニックスなるスポンサーを手に入れたのは良いが『やり込み重視』なる路線変更を迫られた。。そして原点回帰を謳った今作はと言うと…。『1』からずっとグランディアを遊んでる自分からすれば、突っ込みどころが非常に多く、「今回も復活はならずか」というのがホンネである。 この調子だと「次」があるかさえ微妙だが、このまま終わることはないと信じたいが…どうも権限握っとるスクエニ側のプロデューサーが変な指示ばっか出すみたいなんで、あんまし期待はできそうにないけどな。なんとも切ないトコではある。 |
掲載日:2005年9月10日
更新日:2018年7月31日
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