3Dドットゲームヒーローズ
メーカー:フロム・ソフトウェア
機種:プレイステーション3
発売年月日:2009年11月5日
価格:7140円
ジャンル:アクションRPG
かいたひと : アルツ社長
映像 | 音楽 | 快適性 &操作感 |
独自性 | 難易度・ バランス |
ボリューム | シナリオ | 総合評価 |
5 | 7 | 2 | 0 | 3 | 6 | 1 | 35 |
良かですたい | 駄目ですばい |
・高性能機の機能を無駄に駆使して3Dで描かれたドット画の世界はそれなりにインパクトあり。 ・BGMもファミコンチックな音源をわざと取り入れており、懐かしさが感じられる出来。主旋律も耳に残りやすく、そう言った意味では良く出来ていると言える。 ・ゲームのシステムの根幹が2D時代の「ゼルダの伝説」そのもの(ただし色々劣化)なので、それらの作品を遊んだことがあるならば、すんなり操作に馴染むことはできると思われる。 ・全編を通して不真面目で気の抜けた雰囲気が味と言えば味。 ・オリジナルキャラを作ることのできる「エディットモード」は意外と楽しい。相応の物を作ろうとするとそれなりに根気は要るが。 ・プレイステーション3やXbox360のゲームはやたらと文字が小さい物が多かったりするが、このゲームは文字の大きさを変えることができる。その配慮だけは褒めてやってもいい。 |
・ゲームシステムは初代の「ゼルダの伝説」と「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の完全パクリ(基本となるシステムは完全コピー、体力のカケラを集めて限界値を増やすとか、ブーメランで敵を硬直化させるとか、フックショットや爆弾使えるとか、体力全快時に剣での攻撃力が増すとか、挙句の果てにはニワトリをいじめると大量のニワトリに復讐される点とか、空き瓶が無ければ回復アイテムを所持できないとか、「ゼルダならでは」の特有の物さえもすっかりそのまま真似ている。アクションのベースはスーパーファミコン版でなくファミコン版に基づいた物になっている。どうせパクるのなら、素直に操作性に優れたスーパーファミコン版をコピった方が良かったと思うが)。また、セリフ回しやイベント、BGMのテイストは初期の「ドラゴンクエスト」シリーズからの完全コピー。オマージュやアレンジといった範疇ではなく、どう擁護してもパクリとしか言えない内容。このゲームの開発者にはゲーム開発のプロとしてのプライドが無いのだろうか?このゲームの面白さはあくまでも「ゼルダ」、「ドラクエ」の面白さであり、このゲームならではの良さが感じられない。言いかえれば、この作品に対しての称賛は「ゼルダ」、「ドラクエ」に対しての物であり、決して“このゲームが褒めるに値する”という訳ではない。「多少見た目が奇抜」と言う看板を除いてしまえば、このゲームならではの長所は皆無と断言していい。仮に、元となったゲームを上回る完成度を備えていたならば、パクりであろうが個人的には全然構わないし、ここまで叩きもしない(ゲームなのだから、最終的には娯楽として楽しめればOKなワケだし)。だが残念ながら、後発であるにも関わらず、それらの完成度には足元にも及ばないのが問題なのである。それでいて定価はフルプライスの7000円超。コストパフォーマンスはお世辞にもよくない。元となった作品をダウンロード or リメイク版を遊ぶ方がよっぽど有意義であると言える(1000円以下で入手できるワケだし)。色々と研究して作られていると思われる部分も少なくは無いが、ツマランのでは擁護しようが無い。以上より、「独自性」のスコアは0点とさせていただくが、できるならマイナスの点付けたいくらい。 ・数少ない長所のグラフィックにしても、必要以上にツヤツヤしてたり、遠景がボヤけたりしてたりするのは気になる。特に遠景がボヤけるのが厄介。遠くの敵の攻撃がハッキリ見えない事もあり、進行に影響をきたす。また、カメラが斜め上からの視点となっており、障害物でキャラが隠れて遊びにくいと感じた場面も少なくなかった。自分たちの持つ技術を「すごいんだぞ~」って自慢したい気持ちは分からんでもないが、それよりも遊びやすさを重視してほしかった。 ・体力満タン時は非常に強力な攻撃を繰り出せる一方で、少しでもダメージを食らうとパワーアップさせた分は無効化され、剣の当たり判定は数分の一にまで縮小してしまう。いくらなんでも極端過ぎやしないか?あと、体力満タン時にダッシュすると巨大化した剣が地形に引っかかってダッシュでロクに進めないなど、ストレスを覚える部分が多い。ダンジョン等の謎解きの難度も適切なレベルとは言い難い。事前に大量に消費アイテム(明かりや矢など)を持ちこむ必要があり面倒くさい。これはダンジョン内で調達できるようにすべきだった即ち、ツメが甘い。 ・元がファミコンやスーファミレベルのゲームなのに建物の出入りやフィールドの切り替わり時に頻繁に2~4秒程度のロードが入る。画面が切り替わる回数が回数だけに、毎回表示される“NOW LOADING...”がすごいストレスになるんだよな~・・・。どんだけ酷いかって?画面が切り替わる毎に数秒待たされる「2Dゼルダ」だって思っていただいて結構です。想像できました?ものすご~く腹立つでしょ? |
感想じゃ |
基本的には高性能機で性能を無駄に駆使して作られた2D時代の「ゼルダの伝説」で雰囲気は「ドラゴンクエスト」と言った印象のゲーム。前述のゲームのパロディ的要素が随所・・・と言うかあらゆる場面に散りばめられているので、ある程度以上の年代のユーザーには「懐かしい」と思える部分も多いと思う。ただ作りが雑で、本家「ゼルダ」のような「巧みな難易度設定・ダンジョンの謎解きの奥深さ」と言ったバランス調整とはされておらず、「劣化ゼルダ」としか言いようがないのは残念。BGMやイベント絡みにしても、ファミコン時代の「ドラクエ」のネタをそのまま随所に散りばめたモノ。見た目だけは似せられても、ゲームバランスとか細部の作り込みとか言った部分はそう簡単に真似られないもんだなあ、と痛感させられる。無駄に性能を駆使したグラフィックは見どころがあるし、キャラメイキングもそれなりに楽しいが、それを除けばこの作品ならではの面白さは皆無。元ネタが「ゼルダ」、「ドラクエ」であるだけに一定の面白さはあるが、それは前述のシリーズが凄いのであって、このソフトが開いた道ではない。フォロワーであるにかかわらず、全体的にバランス面やシステム周りの練り込み不足の感アリ。大相撲で表現すれば“大関と子供達”ってカンジ(謎)。 個人的には「ゼルダの伝説」と「ドラゴンクエスト」が好きなシリーズであるため、それらを冒涜されてるようで余計に腹が立つ。逆に言えば、「ゼルダ」、「ドラクエ」がいかに偉大かを再認識できる内容。 |
掲載日:2010年2月2日
更新日:2010年4月20日
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・ドラゴンクエスト (1986年・FC) ・ゼルダの伝説 (1986年・FCD) ・ドラゴンクエスト2 悪霊の神々 (1987年・FC) ・ドラゴンクエスト3 そして伝説へ (1988年・FC) ・ドラゴンクエスト4 導かれし者たち (1990年・FC) ・ゼルダの伝説 神々のトライフォース (1991年・SFC) ・ドラゴンクエスト5 天空の花嫁 (1992年・SFC) |
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